COVID-19 April 4, 2020 update
本日も平常通り
当社では、本日も通常通り営業しました。
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本日の気になった記事などは、下方に記載しています。あくまで私見ですので会社の総意や公式見解ではありません。
今日のトピック
陽性者10万人
ニューヨーク州の患者数を示すサイトがリニューアルしました。
そして、トータルの陽性患者数は10万人を超え、現在陽性の患者数は1万人を超えています。
日本の厚生労働省は原則入院の姿勢ですが、コロナ陽性患者を1つの都道府県で1万人も入院させられる施設の確保は容易ではありません。
例えば東京には病院が650程、診療所が13,500程です。病院の病床数(ベッド数)は12.8万床ありますが、一般病床は8万床余りです。病床利用率を8割とすると残る2割に陽性患者を押し込めば足りる計算にはなりますが、院内感染防止や人工呼吸器等の濃厚治療が必要な患者を、単にベッドに寝かせれば終わりという話ではありません。
NYS: New York State Department of Health COVID-19 Tracker
厚生労働省: 平成30(2018)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況
学校再開
日本では、学校再開について議論が集中した日でした。
北海道での一斉休校の成功例、ニューヨーク等の大規模な行動制限を見ると学校再開は時期尚早だと考えていましたが、再開するようです。
例えば当社がある兵庫県では、新型コロナウイルス陽性患者を収容する病床数は246床、それに対し100人程が入院しており余剰ベッドは150程度です。
兵庫県の2019年5月現在の小学生は208,982人、中学生97,394人、公立高校生103,417人です。12学年で409,793人、だいたい3学年あたり10万人です。
停止していた40万の人の動きが発生すれば、何かが起こる火種となります。
兵庫県教育委員会の資料を見ると、学区内での感染発生有無を基準としているようです。
小学生20万人が徒歩通学だとしても、教職員の中には公共交通機関を使う人も居ます。通勤途中にウイルスが付着しても、その衣服のままで防護服を着る事もなく、シャワーも浴びずに子供と接します。体温を測っても、通勤途中に付着したコロナウイルスは検出されません。
米ニューヨーク州の陽性患者は102,863人、人口あたり0.5%です。仮に小中高生40万人なら2,000人程が感染ということなので、40万人の大移動には危険が伴うと考えます。
家族感染は最大リスク
家の中に居れば自動車はハザード、出歩けばリスクとなり、交通事故と言う危険が迫ります。
新型コロナウイルスは身の回りになければ安全性は高いですが、学校再開で子どもたちが出歩くと、子供たちにとってはリスクになります。
そして、そのリスクは家族に降りかかります。
例えば、出歩くことの無い寝たきりの家族が居るとします。外から誰かがウイルスを持ち込まなければ感染することはありません。
家族の誰かが原因で、感染を拡大させてしまうことがあります。
男子トイレから出て来た人に『あなたは手を洗いますか?』と聞けば『洗う』と答えるそうですが、実際には3割程度の人は洗っていないという話を聴いたことがあります。
新型コロナウイルスについても、手洗いは励行されていますが、洗わない児童・生徒がいても不思議な事ではありません。
産経新聞: 山形で0歳児含む5人陽性 『家族クラスター』 (2020年4月4日)
デイリースポーツ: 兵庫県 学校再開で県SNS炎上中「何考えてる」「死んで欲しいのか」 感染者2百人に迫る (2020年4月4日)
伊丹市
伊丹市内には17校11,417人の小学生、中学生は8校4.941人、合計16,358人の小中学生が居ます。正確な数字はわかりませんが25人の校長・教頭が居り、500人以上の教職員が居ると思います。
当社の前の道を通学されている武庫荘総合高校(1,013人)までは当社から約1km、もう少し離れて約3km圏内には尼崎稲園高校(834人)、尼崎北高校(913人)、伊丹西高校(836人)、阪神昆陽高校(613人)、市立伊丹高校(830人)、市立尼崎高校(955人)、園田学園高校(686人)などがあり、学校再開で7,000人近い生徒が活動を再開します。
住民は接触を避けるためにコンビニへ行く事を控えたり時差利用することができますが、子供たちは同じ時間に登下校するので校外・校内での接触機会が増えてしまいます。
当社では、事業継続の観点から、子供たちの移動が多いと思われる時間を避けて行動し、互いにリスクを減らすことができるよう取り組んでまいります。
子供たちが感染しないか心配です。子供たちが家にウイルスを持ち帰り、家族に感染させないか心配です。
日本経済新聞: 東京・大阪など往来自粛、30日まで延長要請 兵庫県知事 (2020年4月3日)
危機管理
当社は教育は専門外なのでリスクとベネフィットの比較はできませんが、一般的なリスクマネジメントの視点から学校再開を見ると、危険因子に近づいて行ってしまっているような状況に見えます。
動物園に行かなければライオンに噛まれる事はないと思います。動物園に行っても檻に入らなければライオンに噛まれる事はないと思います。
新型コロナウイルスで見れば、自宅に居れば家族以外から感染させられる事は稀だと思います。ウイルスが絶対に居ない場所ではなく、どちらかと言えばウイルスが居る可能性が0%より大きくなる場所へ自ら入っていく事は、感染する危険が高まる事になります。
医療機関では、新型コロナウイルスに感染している事が明らかになっている患者様に対し、健常者である医療従事者が危険を承知の上で診療に当たっています。
一人でも患者が減れば、医療従事者の負担は軽減され、そして平時の診療を行うことができます。
もし、学校再開で患者を増やしてしまうことが起これば、医療従事者を苦しめ、そして心筋梗塞や脳卒中で倒れた市民は搬送先を失い、持病がある人も受診ができない、医療崩壊へと進んでしまうかもしれません。
北海道が早々に非常事態と捉えて一斉休校した英断、素晴らしかったと思います。