看護師が事業主である訪問看護事業所(民間企業)
特徴
こちらの医療機関様の特徴は以下のとおりです。
- 訪問看護・在宅医療を担う事業所
- 事業所での診療は実施なし、療養環境は患者宅
- 事業所は100万人規模の二次医療圏に存在する都市型訪問看護
物理的に広範囲
病院では来訪する患者を受け入れることに徹することができますが、在宅医療を担う医療機関では物理的に距離がある患者宅へのリーチを考えなければなりません。
事業所から患者宅への距離と、患者宅から最寄の医療機関への距離の2点を考えなければなりません。
直下型地震
都市直下型の阪神淡路大震災、津波災害や計画停電を伴った東日本大震災、前震と本震に分かれた熊本地震、全道停電が生じた北海道地震など、近年の震災を教訓に次代のBCP策定が求められています。
2018年の大阪北部地震では当該事業所の付近でも屋根が崩落するなどの被害が発生し、改めてBCPの重要性が認識されました。
BCP方針・戦略
脅威の定義
脅威を定義しました。
提供すべき医療
重要業務は何であるかを検討してもらいました。
一般的な医療機関では『当院では』『この建物で』と主語が自院になりますが、訪問看護では対象患者や疾患が多岐にわたることも想定され、患者が置かれている環境も大きく異なるため、この作業は難航しました。
患者想定(シミュレーション)
病院や診療所ではないため自らの事業所に新患を受けれることはありません。
契約している患者へのアクセスは求められます。
BCP上の戦略と方針
災害という非常事態にも屈せず医療機関として提供すべきサービスを継続するためには戦略が不可欠となります。
シミュレーション
独自のトリアージ
患者が抱えるリスクから、事前にトリアージを実施します。
震災等で負う外傷等を想定したトリアージではなく、現に受けている医療と脅威とを突き合せた場合、どのような危害が及ぶ恐れがあるかを想定します。
行動計画
大綱
ヒト・モノ・情報などそれぞれについて非常時に何が起こり、どのような行動を起こすのかを書き込んでいきました。
重要業務
戦略策定時に掲げた重要業務に対する行動計画を立てました。
職員参集と受援
発災後に参集できる職員の数で、サービスの量・質が左右されます。
情報発信
看護師が主体の事業所であるがゆえに、医師が在籍する医療機関との連携が不可欠であることから、適宜情報発信する必要があります。
BCM
マネジメント
BCPは計画です。希望も含めた内容を盛り込んだ文書であるとも言えます。
その計画が最適に実践されるためにはマネジメントが必要になります。
当社ではBCP策定のみならず、BCMについてもお手伝いさせて頂いております。
調整
マネジメントの重要業務として各種調整があります。
訓練
患者が入院するような施設を持たないため、避難訓練などより図上訓練などが有効な事業所です。