Withコロナ/Afterコロナを見据えた産業界では、業態転換が進む業界が少なくないと見られています。
観光業や飲食業は大きなダメージを受け、今後も回復には時間がかかると見込まれています。
経済産業省・中小企業庁の事業再構築補助金は典型例ですが、国も業態転換は後押しする構えです。
そうした中で医療・ヘルスケア業界は高齢化などの背景もあり、人手不足、サービス不足が顕著であり、参入余地がある分野の1つとして注目されています。
当社では『医工連携事業化支援』として中小モノづくり企業のサポートを手がけてきましたが、実はサービス業にも強みを持っています。
そして『新規参入』にも多く関わってきました。
これらを鑑みて、新社会における業態転換のお手伝いが、私たちが培った経験や知識の社会還元につながると考え、サービスを開始することといたしました。
業態転換・新規参入
参入支援
私たちは、ヘルスケア産業・医療産業への参入支援を致します。
私たちは、ヘルスケア・医療業界に特化したビジネスをしています。
現場の課題解決をデバイスやサービスで実現する、そのお手伝いが私たちの仕事です。
私たちは製造業でも販売業でもありません。
課題を探し、翻訳するのが私たちの仕事です。その解決策を持っている企業様と共にお仕事をさせて頂き、現場の課題解決をしていくのが私たちの事業です。
ナビゲーション能力
異業種への参入は簡単な事ではありません。
業界を知るにしても、その調べ方を調べるところから始まると思います。
私たちには、医療業界の経験があります。
私たちには、医療免許があり医療機関での臨床経験があります。
私たちには、医療界と産業界の境界領域を橋渡しした実績があります。
経験に裏打ちされたノウハウを基に、貴社の異業種参入のナビゲート役を担います。
戦略・戦術
戦術とは、製造技術やレシピ、ネットワーク、立地など具体的なスキルやシーズです。
戦略とは、決断や指示など意思決定です。持ち得る戦術をどのタイミングで、どれだけ充てるのかを考え、実行に移します。
ヘルスケア・医療産業へ異業種参入する場合、これまでに培った戦術はそのまま活かします。ゼロから積み上げていては勝負になりません。
私たちがサポートするのは『戦略』についてです。貴社の戦術をどのように活かせば事業として円滑に進められるのかを共に考えます。
勝ち負けよりもWin-Win
戦略や戦術など戦闘用語が並びましたが、争わない戦い方にこの業界でのビジネスのコツがあると考えています。
十人十色、目指す健康状態は違いますし、生活様式や経済力も違います。
ヘルスケア・医療では目指すゴールが人それぞれです。
例えば、安眠をビジネスにする場合、優れた安眠枕を作って市場占有率を高める事がビジネスとしての成功とは限りません。
『あの安眠枕が欲しい』というウォンツが強い場合、それが100万人居れば100万個の売上につながりますが、それ以外の人は無関心です。
もし『安眠には枕が重要』という安眠枕の市場全体を押し広げる事ができ、その規模が1,000万個となった場合、ポテンシャルが拡大します。市場占有率が10%でも100万個売れる事になります。
乳酸菌飲料の市場規模は年々拡大しています。ヤクルト好きの人をカルピスに転向させるのではなく、整腸や免疫に対する自己管理意識が高まった事で市場全体が拡大し、各社の売上も伸びるという構図です。
健康は人それぞれであるため、健康に対する意識を高める事がこの業界で長期的に生き残るカギだと思います。
参考事例
ワインを飲みながら減塩食
オフィス街にある料理教室で、減塩食レシピの講習を始めました。
仕事帰り、ワインを飲みながら減塩食を味わう料理教室でした。
医療側は減塩食レシピが戦術、料理教室は都会の立地と若い女性が固定客に居る事が戦術でした。
この2つを掛け合わせた戦略を実行したのがこの料理教室です。
減塩についてはレトルト食品もレシピ本もあります。
それらは競合相手ですが、共創相手と捉えて減塩の普及に努めました。
減塩の料理教室は傘下にある他の店舗でも実施され、毎回満員でした。
医療監修付きヘルスケア靴中敷き
以前、事業化をお手伝いした靴の中敷きがあります。
これは元々、褥瘡対策専門の看護師さんのニーズから始まった開発です。
足の裏に胼胝(たこ)ができた患者さんがリハビリに行きたがらない、靴に中敷きを入れ、胼胝の部分を繰り抜くと歩きやすいので勧めるが、厚みのある低反発中敷きは高価なので買ってもらえないというものでした。
偶然、ウレタン加工をしている企業さんの端材に丁度良さそうな物があったので試作したところ機能面での目標は達成できそうでした。
価格も、端材利用であれば目標額に納められそうだということがわかりました。60m巻のロールを仕入れるリスクは負わず、他の事業で使っている材料を流用しました。
看護師監修の靴の中敷きは病院内のコンビニで売られていましたが、SNSの時代、クチコミが広がり爆発的に売れました。
買ってくれたのは立ち仕事の美容師さん。看護師監修、疲労しづらいなどのクチコミでした。
異業種から参入してヘルスケア事業を拡げ、その商品はヘルスケアから異業種へと広がった事例です。
タダみたいなアイススプーン
アイス屋さんでもコンビニでも、カップアイスなどを買ったときに使う木製のスプーンはタダで貰えると思います。
おそらくこのスプーンにお金を出すのはお店か、あるいは卸業者やメーカーなどでしょう。少なくとも消費者自身は負担しません。
このタダで取引される木製スプーンは価格も低い方が良いという考えが強いです。
ところが、これを『舌圧子』(ぜつあつし)という名前に置き換えると、値段は数十倍も差が出ます。
2つ並べると、同じ形状、同じ材質にしか見えませんが、大きな違いは包装の方法でしょう。
実際は、薬事承認(認証)を取得しているという点で大きな差があります。
製造ノウハウはほぼそのままで、名称や売り方を変えることで異業種への参入を果たした事例です。
業界について
業界への参入
中小企業の事業承継のような個社の課題、COVID-19による業界全体の規模縮小など様々な背景からヘルスケア産業・医療産業への参入に関心を持つ方が多く居られます。
医療は医師や看護師ら有資格者が、病院やクリニックといった決められた施設の中で、国民皆保険制度の中で行うのが一般的です。
免許、認可、制度など厳格な中で行われる『規制産業』です。
規制は恐れる物ではなく、好適に捉える事ができます。
規制産業ゆえの安定
非常事態が起きても続くのが医療です。大災害で企業が操業停止しても医療は動き続けています。
リーマンショックが起きても医療費は落ち込むことはありませんでした。
医療サービス提供者である病院・クリニックがどこにあり、誰が開設者であるかも明かされています。わかりやすい業界です。
医療行為ごとに専門分化されているので、どの職種が担うかある程度はわかります。
ユーザーがはっきりとした業界です。
急伸のヘルスケア産業
医療は規制の中で行われる、特殊なサービスです。主人公は患者ですが、同じくらいの比率で医療従事者や医療設備が関わります。
ヘルスケアとは、全般的に医療の介入が少ないのが特徴です。
食事、運動、睡眠など自己管理ができるが、他人の手も借りるような場面でビジネスが生まれています。
スポーツジム、薬膳料理、安眠枕、これらを医学的監修を受けて根拠に基づいて事業展開することで、長期的な信頼を得ている企業が多くあります。
団塊世代の高齢化に伴い、市場規模は拡大、COVID-19流行拡大で新たな局面を迎えています。
当社の役割
産業界、医療界、そして境界
当社の強みは、医療界と産業界の橋渡しです。
両社が出会うだけでは花は付けても、実になりません。
ビジネスは結実して、収穫しなければなりません。
当社は両業界での実務経験と強いネットワークにより、何をすべきか、どこを攻めるべきか、独自に培ったノウハウで企業様をサポートしています。
特に医療界には独特な用語や商習慣があります。
それを熟慮して、最適化するのが当社の強みです。
シーズをお聞かせください
医療・ヘルスケア業界といっても幅が広いです。
まずは貴社のシーズに付いて理解する時間を頂戴します。
その上で、貴社に合ったビジネスは何か、候補を絞り込みながら選択して頂きます。
貴社のシーズとは、異業種の素人に向けて説明はできますか?
当社はコンサルタントとして理解しようと努力しますが、これからビジネスパートナーとなり得る企業群は傾聴してもらえないかもしれません。
そのような相手であっても説明できる資料やプレゼン、作成のお手伝いも当社のサービスの一環です。
移す割合
業態変容といっても、既存事業をどの程度まで変えるのかはそれぞれの事情により異なると思います。
工場を閉鎖して製造業から商社に変わるという転向型もあれば、既存の製造ラインはそのままに新しい分野の売上割合を広げるという温存型もあると思います。
現段階で、どの程度の割合で業態変容をお考えなのかを伺います。
その上で、割合が適当であるかどうかの助言や、割合を増やした場合にはどういう未来像が描けるかなどを話し合います。
立ち位置を選ぶ
メーカー、製造、卸、販売など流通には川上や川下と呼ばれるような立ち位置があります。
製造業であれば部材供給をしたいのかメーカーになりたいのか、販売業であれば卸売りをしたいのか小売りをしたいのかによっても戦略が大きく異なります。
どの立ち位置を狙っていくのか、狙うべきなのか、相談の中で重要なポイントとなります。
分野の選択肢
医療・ヘルスケアの分野は裾野が広く、また医療に関しては細分化(専門分化)されています。
身近なヘルスケアで見ても運動、食事、睡眠などで大別できます。
運動でもジムでしっかり鍛える人、近所を散歩する人、家の中で軽く身体を動かす人などで購買意欲や対象商品が異なります。
医療では医師と看護師では免許される範囲が違いますし、外科と内科、外来と病棟、急性期と慢性期などで両極端に違います。
例えばガーゼといっても手術室では1度に10枚単位で開封し、比較的量の多い血液や体液を拭います。病室では傷口を覆うガーゼの交換であれば1枚で足りますが、この処置は1人で行いますので手術室とは段取りが違います。排泄ケアでガーゼを使う場合、同じ病室、同じ患者でも種類の異なるガーゼが必要です。
誰を対象とし、どの分野の、どのような商品を、どこで販売するのか、企業を総合的に評価して選択していきます。
消費者を知る
先述の分野選びと関係が深いことでですが、消費者が誰で、どのような使い方をするのかを知らなければなりません。
多くの民生品がプロダクトアウト型でも通用するのに対し、医療やヘルスケアではマーケットイン型でなければ上手くいかない事が非常に多いです。
例えば杖ですが、工場で働く元気な人が握りやすいとしても、身体能力の衰えた高齢者には握りにくい事があります。軽ければ良いと思っていたら、実は適度な重さが必要であったという事もあります。
そもそも杖が欲しいのではなく、歩行を助けて貰いたいというニーズに杖が使われているので、足腰を支える衣料や、転びにくい靴、転んでもケガをしない家など消費者の求めはもっと違う所にあるかもしれません。
医療ではさらにマーケットインが重要となります。
国民の大半は医療行為を許されていません。ゆえに、医療機器メーカーの社員ですら医療機器を患者に用いる事はありません。
医療行為が許されている人は僅かです。この人たちの意見を聴かずに開発する事はリスクが高くなります。
当社では、医療従事者ら消費者との強いつながりがあります。
当社では、マーケットイン型の医工連携を長年推進してきた実績、培ったノウハウがあります。
購買者を探る
医療やヘルスケアでは消費者と購買者が不一致であることがあります。
特に医療は顕著です。医療行為は免許された者に限定されること、国民皆保険制度により現物支給の医療サービスが提供されている事などが背景にあります。
社会保険の適用を受けて診療報酬の中で行われる医療行為では、使用する物品についても指定される場合があります。
医師が『他のを使いたい』と言っても、指定外(適用外)を使用すれば診療報酬は受けられず、全額自費負担となります。
このときの費用負担者、間接的購買者は保険者です。大雑把に言えば国が相手です。
寝たきりの人が着る服は、ユーザーは寝たきりの人ですが、買いに行くのは家族や介護事業者などです。そして、着替えさせるのも家族や介護事業者などです。
このときユーザー、費用負担者、購買決定者などを見誤ると、どんなに良い製品でも売れません。
最近の健康診査センターでは作務衣(さむえ)のような服を貸してくれますが、ひと昔前は浴衣でした。自分では絶対に買わないであろう浴衣を着せられ、職場の同僚には見られたくない服装を互いに見られてしまう、こんな苦痛があったと思います。
洗濯しやすく、レントゲンに写るボタン等が無く、エコー検査等で脱ぎ着しやすい物であれば何でも良かったと思いますが浴衣が選ばれ、下着が透ける、足元が開いてしまう、丈が短いなどの不満が蓄積していました。
ユーザー、費用負担者、購買決定者のミスマッチが、こうした不満を潜在させ続けますが、それもビジネスです。
当社では、医療やヘルスケアの費用負担者や購買決定者を探り当てて事業戦略を練る、そうしたコンサルティングを実践しています。
どのような転向がある?
企業の人生が変わる、そこで働く従業員や取引する企業にも波及する一大事ですので、ここで書き表せるほど簡単なことではありません。
背景事情も大きく影響します。
駅前のビジネスホテルと秘境の旅館では、同じ宿泊業とはいえ持っている資産もノウハウも異なります。
飲食業でも個別調理と大量調理で違いますし、焼肉店のように客も調理するもの、温浴施設併設など他サービスとの相乗があるものなどでも、業態変容の視点は異なります。
いま、分かっていることの1つに2025年には団塊世代全員が75歳以上になること、2035年には団塊ジュニア世代も高齢者の仲間入りをする人口構造の変化です。
看護師300万人時代とも考えられていますが、費用負担者が居ない中で医療や高齢者サービスがどこまで手厚いままでいられるのかわかりません。
医療等の社会保障が財政破綻する可能性があるならば、その前に講じられる手立ては受益者負担の増大化です。
社会保険の自己負担割合が高くなれば、民間保険でカバーしようという考えが生まれます。
民間保険も事業継続のために、加入者になるべく健康で居てもらおうと考えます。そのための健康増進サービスが広がり、病気にならない方が得をするという構造が定着するのではないかと考えられます。
もし来年、64歳以下の医療費窓口負担5割、65歳以上は7割となったら、ご自身はどういう行動に出ますか?
少しくらいの病気なら、ドラッグストアで大衆薬を買って済まそうと思うのではないでしょうか。
ケガの恐れがあるスノーボードは、保険を掛けてから出掛けるようになるのではないでしょうか。
このようなシミュレーションを当社では繰り返しています。
貴社の次の人生の選択、私たちがお手伝い致します。