令和4年度のAMEDイノベ事業が公募されました。当社でも一昨日に記事を掲載したばかりですが、クリスマスイブに公募されました。
イノベ事業とは
『医工連携イノベーション推進事業』は、医療界と産業界が連携し、医療課題の解決に資する成果物を生み出し、それをビジネスとして創出することが狙いです。
AMEDから3つの事業が同時に公募されています。
SmMDも対象
令和4年度の開発・事業化事業において『プログラム医療機器(SaMD)』の開発を支援する旨が繰り返し述べられています。
『SaMD』は『サムディー』と読まれるようですが、”Software as a Medical Device”の略称です。政策として後押しされている分野です。
AMEDへ提案するにあたっては、対象のプログラムが『医療機器』に該当する必要があります。医療に用いられるという意味ではなく、薬機法上の定義に該当する必要があります。
PMDA: SaMD一元的相談窓口(医療機器プログラム総合相談)
今回の公募では以下の8分野が対象となっています。
(A)ソフトウェアを用いた診断・治療の実現(特にSaMD)
(B)遠隔・在宅診断・治療への対応
(C)老化により衰えた生体機能の補助強化
(D)次世代の担い手を育む成育サイクルへの対応
(E)循環器・糖尿病などの生活習慣病への対応
(F)既存の治療手段の改良・廉価化
(G)従来にはない革新的な治療や低侵襲治療の実現
(H)従来にはない革新的な診断や高度化された画像・光学診断の実現
公募の概要
2022年2月3日正午までに提案書一式をAMEDに提出します。提出方法はe-Radです。東京へ持参するなどの方法は認められません。
提案者は中小企業、製販業、医療機関の3者で組む共同体(コンソーシアム)が最小規模の要件です。
ここにアドバイザリーボードやコンサルタント、連携する学会などを加える事ができます。
経済産業省が支援する事業ゆえに基礎研究的な視点ではなく事業化の視点が強く出されています。以下は最低要件として示されています。
- ベンチ・文献レベルの POC を取得している
- 本技術で知財を共同体内で 1 件以上出願している
- 本課題で医療上の価値を特定できる
- 研究開発代表機関に研究を推進する体制が整っている
POCとはコンセプトの検証のような意味で、本提案が実現可能であるか、そもそもニーズがあるのかなどを示す必要があります。
AMED: 令和4年度 医工連携イノベーション推進事業 開発・事業化推進 公募要領(PDF)
AMED: 令和4年度 医工連携イノベーション推進事業 開発・事業化推進 提案書様式(Word)
採択のための要点
本事業の採択を狙う場合、補助者が目指す『5年後に3割の上市』は外せません。5年以内に上市ができて、可能であれば5年後には売上がある状態と考えれば、3年後には上市できて欲しいところです。この3~5年後の上市がスケジュールできる提案でなければ採択はされないと考えます。
拠点事業やエコシステムは『支援』としてのマクロ的な事業ですが、『中小企業』『ベンチャー企業』は名指しです。
イノベ事業の開発助成は中小企業向けとベンチャー企業向けの2本立てなので、それぞれ応募する方の意図を読み取ります。
中小企業には『高度なものづくり技術を活用』が求められ、開発すべきは『医療ニーズに応える』医療機器です。
3億円規模の提案が採択(当社実績)
令和3年度のイノベ事業では40課題が申請され、21課題が書面審査を通過、そして8課題が採択となりました。
1年度あたり6千万円、3年度で1億8千万円の助成を受ける事ができますが、更に2年度目からは治験費用も上乗せできる制度があり、2~3年度目は1億1千5百万円で申請できます。すなわち1年度目6千万円、2~3年度目は2億3千万円、合計2億9千万円の助成を受けられることになります。
この、治験を含む事業に応募したチームの申請書類を当社でコンサルティングさせて頂きました。
当社にとっては書類作成は得意な方の業務ですが、ご依頼元様は不慣れであるという事で、多様なご相談も受けながら、締切日までに書類の体裁を整えるのは当然のこと、採択に資するキーワードを散りばめ、どの案件よりも我々に助成することが国益にもなると思って頂けるような書類に仕上がったと思っております。
課題名 | 代表機関・研究開発代表者 | 製造販売企業 | 分担機関 |
脳動脈瘤治療用多孔化カバードステントに関する開発・事業化 | 株式会社グッドマン 研究開発本部 本部長 雲山 賢一 | ニプロ株式会社 | 国⽴研究開発法人国⽴循環器病研究センター |
骨質/形状を最適カスタム化した未来型人工股関節の自動設計プラットフォームの開発と3D 積層造形デジタルデータベースの構築 | 帝人ナカシマメディカル株式会社 代表取締役会長 中島 義雄 | 帝人ナカシマメディカル株式会社 | 国立大学法人山口大学 国立大学法人大阪大学 国立大学法人金沢大学 株式会社ソフセラ |
難治性てんかんにおける焦点局在を同定する経皮経血管的脳波測定デバイスの開発 | 株式会社E.P.Medical 代表取締役社長 松丸 祐司 | 株式会社E.P.Medical | 聖隷クリストファー大学(聖隷浜松病院) 国立大学法人筑波大学 |
吸収性神経保護・再生シート(HANZ)の開発・事業化 | 日本臓器製薬株式会社 生物活性科学研究所 研究所長付 内木 充 | 日本臓器製薬株式会社 | 国立大学法人大阪大学 |
PICUで使用可能なHFO 人工呼吸器に関する開発・事業化 | 株式会社メトラン 代表取締役副会長 中根 伸一 | 株式会社メトラン | 国立研究開発法人国立成育医療研究センター |
LED光源方式光音響イメージング技術を用いた画像診断装置に関する開発・事業化 | CYBERDYNE株式会社 研究開発部門 研究員 市橋 史行 | CYBERDYNE株式会社 | 国立大学法人筑波大学 学校法人帝京大学 |
慢性痛の評価モジュールを搭載した疼痛評価システムの開発と事業化 | PaMeLa株式会社 代表取締役 長谷川 新 | PaMeLa株式会社 | 国⽴⼤学法⼈⼤阪⼤学 国⽴⼤学法⼈福井⼤学 |
皮膚再建に用いる乾燥同種培養表皮の開発・事業化 | 株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング 執行役員 研究開発部長 井家 益和 | 株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング | 国立大学法人京都大学 |
【参考】令和3年度 「医工連携イノベーション推進事業(開発・事業化事業)」の採択課題について
【参考】医工連携イノベーション推進事業 令和3年度予算額 20.8億円
お声掛けください
当社ではAMED事業への提案書作成のお手伝いをしております。隅から隅まで書類を作成した経験がありますし、採択された実績もございます。
AMED発足より5年程前の平成22年度補正予算で始まった経済産業省事業の時代から医工連携の公募は関わりを持ってきたメンバーが対応致しますので、他にはないサービスが提供できると考えております。
また、応募に必要なコンソーシアムへの参加にも応じています。
『製造や販売を見据えて目利きする企業・コーディネーター』の枠を担うに相応しいメンバーをアサインすることができます。
当社の本業が、この目利き役の仕事ですので、当社そのものをコンソーシアムに入れて頂ければ形になると考えます。
e-Radの番号は取得済です。今日にもアサイン可能です。
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