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ワンマン・ワンオペ – 過去記事読返し | NES’s blog

 筆者は、過去記事を読返す作業を不定期に行っています。ここでは、今日の日付の過去の記事を読返し、考察していみたいと思います。




2021年12月8日

 新聞の見出しで気になったのが『ワンマン運転』です。

 見出しの通り電車をワンマン運転するのですが、その編成が『山手線』であることがポイントの1つだと思います。

 山手線といえば満員電車のイメージもありますが、現在は11両編成が数分間隔で走行しているので30年前のすし詰め状態よりはマシになっていると思います。

 とはいえ、1編成で2,000人以上を輸送し、乗換毎の数百人が降りて、数百人が乗り込む、もしかすると1千人の乗/降があるかもしれないような電車を『ワンマン運転』にしようと考えているあたりが、今後の人手不足や合理化に影響すると思いました。


 この記事の詳細はネットニュースなどでも流れているのでご参照ください。




安全対策が第一

 JR東日本のプレスリリースでも安全面の説明が丁寧に行われていますが、動く物である以上は安全性は確保されなければなりません。

 『ドライバレス』ではあるが無人ではない点が要点になります。

 運転が安全であるかどうかはシステムの進化の問題ですし、山手線に限って言えば踏切はほとんどなく、ホームドアの整備も進んでいるので自動運転化されるころには全体のシステムは出来上がるのだと思います。

 課題になるのは信号故障などトラブルで駅ではない線路上で立ち往生したときの避難などだと思います。

 個人的な考えとしては、電車に乗る人の多く(マジョリティ)は健常者なので、飛行機の脱出のように手伝ってもらう仕組みにすれば良いのではないかと思います。
 仮に、車内ディスプレイが使えるのであれば手順を示しながらドアを開け、避難具を設置できると思います。掲示物でも良いと思います。

 車椅子やベビーカーなど手伝いが必要な少数派に対しても、多数派である健常者が手伝うことで、安全かつ迅速な避難ができると思います。
 少し考え方を変えれば、車両内に残った方が安全かもしれないです。砂利道となる線路上を車椅子などで移動するのは困難ですし、もし電動車いすであれば線路に下ろすことすら難しいと思います。

https://www.jreast.co.jp/press/2021/20211207_ho03.pdf【参考】JR東日本:首都圏の輸送システムの変革を進めます(2021年12月7日)




存続が影なる優先事項

 ここ1年間だけでも『廃線』に関する記事は幾度も見かけています。

 鉄道が合理化されなければ採算性が悪いまま廃線になるという無策の結果が待っています。

 どうしても合理化しなければ地域衰退もあり得るという状況から、ワンマン運転も含め合理化が進められています。

 遠隔医療の調査で東広島市を訪問しましたが、現実としてはいつになるかわからない遠隔医療よりも、患者を拠点へ移動させる自動運転技術の方が先、という感じでした。実際に自動運転の研究や実証試験も行われています。




ワンマン化の波

 路線バスなどで『ワンマン』という表示をわざわざ出しているのは、かつてはワンマンでは無かったからです。
 路線の運賃を一定にして運賃収受を簡素化する、回数券の使用を促して現金を扱わないようにするなどアナログ時代から合理化は進められています。
 デジタル社会になってからはプリペイドカード、近年は交通系ICカードが普及し現金の取扱いも減っています。
 運転手は運転に集中すれば良いので、ワンマンでも50年前に比べれば負担は軽減されていると思います。

 料金収受の自動化は牛丼屋やラーメン屋などでも普及しています。入口で食券を買って席に着く、このスタイルは大手チェーン店に限らず広く普及しました。
 特に牛丼店では店員1人ですべてをこなす『ワンオペ』と呼ばれるようなワンマン・オペレーションが実際に行われています。

 コンビニも無人化が進められているので、おそらくいずれは店内は無人、バックヤードに1人が待機ということになるのではないかと思います。




セルフ・スタンド

 筆者が20年以上前にアルバイトをしていたセルフ式のガソリンスタンドでは、ワンマン・オペレーションが常態化していました。

 昼間であればオイル交換などもあるのでワンマンでは難しいのですが、深夜はサービス提供をしていないので、ワンマンでも対応可能です。
 このときの重要任務は『火災を起こさないこと』でした。

 ときどき、タバコをくわえたまま運転席から降りて来て、そのまま給油しようとする人がいます。防犯カメラの映像を監視して危なそうであれば給油できないようにロックします。
 ただし、ロックしても給油ノズルから燃料が出てこないだけでお客さんの車の給油口からはガソリンが揮発してきています。ここに引火する可能性は十分にありますので、スピーカーを使って注意喚起し、お客さんの傍に行って火を消すように促します。

 フルサービスであれば給油時にタバコをくわえることはありませんが、お客さんの行動を観察することは難しくなります。

 ワンマン・オペレーションだから払える注意と言うものもあるのではないかと思います。


 おそらく、全国どこにでもワンマン・オペレーションのガソリンスタンドはあると思います。
 ピットサービスを提供しない店舗であれば24時間、ワンオペかもしれません。


 近くにあるセブンイレブン併設のエネオスには、ガソリンスタンドっぽい制服を着た従業員は居らず、コンビニ内でレジ打ちをしながら監視しています。そのうちコンビニも無人化されれば、モニター室のようなところから見るのかなと思います。




クリニックのワンマン化

 診療所を開設するための絶対的な最低要件は医師免許を持つ医師が居ることです。

 レントゲン装置など立派な設備が無くても大丈夫です。

 看護師や事務員が居なくても大丈夫です。

 医師が居れば、届出ができます。

 この極論を実行すると、医師1人だけの診療所が成り立ちます。

 受付はネット経由で電子化、予約時間に来院し自動チェックイン、順番になって医師が診察室に呼び込んで診察、このときにはじめて人間と人間が接触します。

 診察の結果、薬の処方があれは処方箋を発行、会計して帰ります。
 処方箋が電子的に発行できれば、予約したときと同じようにスマホにデータが送られ、さらに自動的にAmazonや楽天に送られれば薬は自宅に配送されます。
 会計もスマホ連動していれば、自動的に電子マネーで決済されるので、診察が終わったら退室して、患者はそのまま好きな所へ行くことができます。

 来院は早めに来る人も居るので待合室が利用されますが、帰るときには診察終了と同時にチェックアウトが済んでいるので、待合室を利用することなく診療所を離れていきます。

 頻繁に採血などがあれば看護師を雇うと思いますが、ここにも変革が訪れると思います。




クリニックモールの訪問看護

 診療所で看護師を直接雇用しない方法があります。

 看護師をオンデマンドで雇う、という方法です。

 簡単に言えばクリニックに訪問看護してもらうようなことです。

 採血しなければならない患者が居た時に、同じビルに入っている看護師に来てもらって採血、それが終わったら看護師は自分の店舗に帰る、という具合です。

 現状では看護師に依存する仕事がたくさんあるので直接雇用すると思います。

 タマゴが先か、ニワトリが先か、というところもありますが、おそらく今後の日本に『リテール・ナース』という文化が定着するのではないかと思います。




 今日は1年前の新聞記事から着想を得て、いくつか考えてみることができました。

 昔、医局で開かれている『抄読会』というものに参加していましたが、新聞記事から深掘りするのもアリだなと思いました。