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大雪と車両ロケと安否確認システム | NES’s blog

成人の日は雪?

 2022年12月は大雪による交通マヒが各地で発生しました。

 2023年に入っても成人式前後で関東でも雪が降る恐れがあり、危険も伴います。




大雪と立ち往生

 大雪で坂を上がれない、駐車場から出られないという時点では単独の事故のようなものなので、ゆっくりと、冷静に判断して行動できると思います。

 ところが、立ち往生はそうもいきません。

 降雪がある時点で気温は氷点下の可能性が高く、車が動けなくなるほどなのでかなりの寒さだと思います。
 車内は暖房しないと居られないほどであれば、エンジンを切る事ができません。

 進路をふさぐ雪を除雪して、通行できるところまで車両を移動させるには除雪車が必要ですが、広範囲で降雪していれば除雪車の到着はいつになるかわかりません。

【参考】国土交通省:近年の積雪状況および平成29年度豪雪の状況について




除雪 << 降雪

 除雪車が除雪できる能力には限りがあります。

 例えば時速10km/hrで4m幅の道路を除雪できる除雪車があったとします。
 除雪車の後を走る一般車両も時速10km/hrで走行しなければなりません。
 立ち往生の渋滞が10kmあれば、除雪したポイントを最後に通る車両は1時間後になります。
 除雪した場所も1時間後には5~10cmの積雪となる場合、同じ場所を何度も除雪しなければなりません。
 実際には車が通ることでタイヤに潰される雪があり見た目には少なくなることがあります。段差などで車両に積もった雪が落ち局所的に数十センチの雪が盛られることもあります。

 立ち往生が発生するメカニズムの1つに、除雪と降雪の不平衡のような場面があります。
 大雪でスタックした車両をその場から脱出させようとタイヤの周りを除雪し、タイヤが動けるよう作業します。その間に車の前に雪が積もってしまい駆動輪はスタック、車両前後は積雪という状態になってしまい身動きが取れない車が現れます。
 後続車はスタックした車が移動するのを待っていますが、待っているうちに前後に積雪してしまい、動けなくなります。




大雪と安否

 事務や工場など1つの拠点で仕事をしている場合には所在確認が容易ですが、営業や配送などは分散して仕事をするため何らかのアクションを起こさなければ所在確認はできません。

 大雪では時々刻々と状況が変化します。

 鉄道は運休が発表され、高速道路は閉鎖され、交通網が徐々に凍結されていきます。

 2022年の新潟で起きた立ち往生は複数の要因が重なっていますが、情報を整理し、分析することで立ち往生の現場に遭遇せずに済む可能性もあります。

 地震の場合は揺れに伴うダメージで負傷しなければ、その後に重傷を負う事はすくないので安否確認は1回で済みます。
 台風の場合は水没するような場所に居なければ溺れることもなく、1回の安否確認である程度は大丈夫です。

 雪の場合、雪に埋もれて即重傷とはならなくても、暖房が停まれば数時間で死亡する可能性もあるので、定期的な安否確認が必要になります。

【参考】NHK:大雪 国道の渋滞・立往生 高速道路からの流入が原因か(2022年12月21日)

【参考】多用途安否確認システム AmpiTa




カーロケと安否確認

 安否確認システムを使うと、安か否かを知る事ができます。これはどのような災害のときにも同じです。


 この、どこにでもあるような安否確認システムで、現在地を共有する方法があります。

 手っ取り早くて正確な方法としては、Google Mapの情報共有機能を使う方法が挙げられます。

 地図上で地点を選び『共有』をタッチすると共有方法を確認する画面が現れます。
 社内グループLINEがあれば、LINEのメッセージとして共有することもできます。
 安否確認システムにリンクを貼り付けるためには、この画面で『コピー』を選びます。コピーされたリンクアドレス(URL)を安否確認システムに貼り付けて送る事で、管理側は具体的にどこに居るのかを正確に把握することができます。

 自動車の場合、居場所が道路上のどこかという曖昧さが残るので、住所(所在地)も重要ですが、マップ上で具体的に示すことも重要です。

 警察や運送会社などはカーロケーションシステムを導入しているのでGPSで居場所を確認できますが、一般企業でそれだけの費用を掛けることも不採算、スマホのGPSを追いかけては社員が嫌がる、ということが多いと思いますので、少々アナログではありますがコピペによるカーロケと安否確認が意外とスマートではないかと思います。


 リンクアドレスはブラウザで開けば、その場所が確認できます。




駅前の危険

 雪の日に公共交通機関が停止すれば、移動手段にはタクシーしかないという状況はあるかもしれません。

 下図は豪雨による帰宅困難者がタクシーを待つ様子です。10月で寒い日でしたが、凍える程ではありません。


 筆者は2005年の年末、大雪の駅前でタクシーを待ったことがあります。何時間経ってもタクシーは来ません。待っているメンバーも変わりません。

 今であれば声を掛けて協調したかもしれませんが、雪が降る寒い外でタクシーを待ちました。駅の屋根があるところで待てばもう少しマシだったと思います。

 ただでさえ寒い中、何時間も動かずに1箇所にとどまり、駅は閉鎖されてトイレも行けず、コンビニも臨時休業で食糧は調達できず、自販機の飲料だけが頼りという状況で、その身体的な負荷を増すような降雪中での待機は健全とは言えません。

 駅前だからと安心せず、定期的な安否確認が必要な対象者です。




救援と退避

 従業員ら関係者が大雪の中で孤立や立ち往生していることがわかったとき、管理者側としてはどう対処すべきでしょうか。

 消防や警察に連絡して救援を要請する、少なくともそこに人が居る事を知ってもらうことは重要です。

 自社で救援隊を送る事は避けた方が良いです。被害を拡大させる恐れがあります。もし、送るとすれば消防などに協力する人員として、指揮はプロに任せた方が良いです。

 大雪の影響が大きくなる前に、従業員には退避を通知することが有用な手段です。
 『今日は業務を取りやめてください』『直行直帰を認めます』『無理に移動しないでください』などをトップからのメッセージとして送る事で行動しやすくなります。

 実際、納品に行こうと無理をした車両が1日経っても動かず、結局は納品できなかったという事例はたくさんあります。それよりも早々に引き上げて帰社すれば、次の戦略も立てやすくなりますので、無理は無用です。




保険でカバー

 通勤中や勤務中のケガであれば、労災保険の給付対象になる可能性があります。できれば雪かきなどでケガをしないように、不要不急の外出や作業は控えた方が良いです。

 損害保険や医療保険には、雪による損害を対象としている場合があります。企業側で加入している保険がカバーしてくれる場合もあるのでケガをしてしまった場合には確認します。

 自動車事故については、加入している保険次第ですが、基本的には事故の場合は保険が使えます。溝に嵌ったというような自損事故については契約次第です。
 雪や氷による車両の損壊についても保険契約次第です。

 ロードサービス(レッカー移動)についても保険でカバーされる可能性があります。
 雪でスリップして動けないだけだと保険ではカバーされず自費になる可能性があります。シーズン前に保険会社に確認しておくと良いです。

 建物に対する雪の影響、または建物から落ちた雪による人や物へのダメージについても保険が使える場合があります。
 火災保険など建物に掛けている保険の内容次第です。
 ガレージの屋根に積もった雪が重すぎて屋根が落ちるということがありますが、屋根は火災保険、自動車は自動車保険の範疇になりますので、それぞれの保険に確認する必要があります。

 建物に関しては凍結による水道管破裂がしばしば大きな損害をもたらします。
 水道管だけの問題という事は少なく、例えば給湯器が水漏れを起こすようになったり、破裂部位から天井裏に水が浸みわたり内装工事が必要になるようなこともあります。
 大雪の前には、水をチョロチョロ出したまま帰るか、水道の元栓を閉めてしまい、そのあとで蛇口を開いて建物内の水圧を下げてしまうことで破裂リスクを低減できます。




前日でも間に合う安否確認システムの調達と整備

 多用途安否確認システムAmpiTaは、試用版であればVector様のウェブサイトから無償で24時間・365日ダウンロードできます。

 この無償版で仮運用を開始しつつ、正規版を発注しておくことで準備を進められます。


 正規版(有償版)が届いたら、無償版を上書きすることで設定内容は引き継がれます。

 正規版(有償版)は弊社でも販売しております。

【参考】Vector:AmpiTa

【参考】NES:販売窓口




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