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特許庁への商標登録を自分で….費用対効果 | NES’s blog

商標登録、自分で出来ました。

 2022年にリリースした第三世代の『AmpiTa』は有償提供でした。

 従前は研究の域を超えていませんでしたが、現在のAmpiTaは製品として世に流通させることを念頭に開発しました。

 商品名なのだから、それが知的財産権を侵害して販売停止になるのはいかがなものかと思い、商標権の登録をしてみました。

 結論から言えば、登録できました。すべて自前、一個人が見様見真似で何とかしてみました。




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言葉を選ぶ

 商標登録する言葉を選びます。

 今回は2013年から使っている『AmpiTa』を登録すると決めていたので、特に選ぶことはなく次のステップに進みました。

AmpiTa




類似検索

 まずはストレートに『AmpiTa』で検索してみましたが、該当はゼロ件でした。

 カナで『アンピタ』と検索してもゼロ件でした。


 次に『アムピタ』で検索すると『プレミアム ピタットハウス』がヒットしました。

  • プレミアム ピタットハウス

 その他『○ンピタ』で検索すると、以下のものが出てきました。

  • シンピタ
  • ワンピタ
  • ポンピタ
  • コンピタ




類似ワード精査

 今回の類似検索で引っ掛かったワード『プレミアムピタットハウス』は、そもそも『アムピタ』と混同されるようなことは考えづらいですし、アルファベットでは『PREMIUM』の『UM』が『アム』に相当し『Am』とは混同されづらいと思います。

 勉強のため、詳細を見ていくとプレミアムピタットハウスは2006年2月13日に出願され、同日に先願権が発生しているので『AmpiTa』よりも16年半も早く出されています。

 区分数は1で、第35類で登録されています。

広告,トレーディングスタンプの発行,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,財務書類の作成,職業のあっせん,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,新聞の予約購読の取次ぎ,速記,筆耕,書類の複製,文書又は磁気テープのファイリング,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,建築物における来訪者の受付及び案内,広告用具の貸与,タイプライター・複写機及びワードプロセッサの貸与,求人情報の提供,自動販売機の貸与
35A01 35A02 35B01 35C01 35D01 35E01 35F01 35F02 35G01 35G02 35G03 35G04 35H01 35J01 35J02 42G02 42X07

(511)(512) 【商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務】 【類似群コード】

 第35類の中で上記文言による登録が認められたということなので、AmpiTaと重なりそうな役務は『電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作』くらいなかと思いました。OA機器の操作らしい内容なので、AmpiTaはパソコンやスマホを使って何かをしますが、商標としてAmpiTaを使うシーンはシステムやソフトウェアとしての製品を指す予定なので、ユーザー側の役務には及ばないかなと思って見ていました。




言葉は違うが目的が類似

 『AmpiTa』は安否確認タスクフォースから考えた呼称なので『安否』というワードとは関係性が深くなります。

 そこで『安否』で検索すると、こちらはたくさん出てきます。

  • Ampio アンピオ(カリモク家具)
  • あんぴくん(セコム)
  • 安否の番人(日立産業制御)
  • Anpikunアンピくん(藤木茂子)
  • AnPino(有限会社エディット)
  • 安否コール(アドテクニカ)
  • 安ピカ(ハシモト)
  • 安ピカッ(ハシモト)
  • Anpi24(ミエデンシステムソリューション)
  • J-anpi(エヌ・ティ・ティ レゾナント)
  • アンピーレ(帝國製薬)
  • Biz安否確認(NTTコミュニケーションズ)
  • バーズ安否確認+(バーズ情報科学研究所)
  • AMPILELE(デイヴィッド ダンウッディ)
  • AMPY(ストライド テクノロジーズ インコーポレイテッド)
  • 安否ネット(テンフィートライト)
  • AMPIA TERRA(ユメックス)
  • 簡易型医療者間情報連携システム(MSドリーム)
  • AMPICK(雷雨)




耳で聴いて似ているものの精査

 声に出してリストを読み上げて、何となく『アンピタ』に近そうな物を精査してみました。

 最も近そうな『安ピカ』は第18類で工業製品に付けた商標のようなので、仮に同じ名前であったとしても商標登録できそうな感じでした。

かばん金具,がま口口金,皮革製包装容器,愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ
13C01 18C11 19B33 21C01 21F01

安ピカ(第18類)




区分

 今回の AmpiTa の商標登録は初心者ということもあり、非常に無難なところを攻めることにしました。

 区分数は1、使う文言は辞書から引いてきたような決まりきった文言です。

電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供
42P02 42X11

商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務 第42類

 なぜ無難なのかというと、他の商標登録で使われているものを丸写ししているからです。

 その中でもお墨付きのようなものがあり、J-PlatPatの『商品・役務名検索』を使うとわかります。

 『電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守』は英語名で『computer programming』の用例が既にあり、データ種別として『N』『T』となっています。
 この『N』は商品・サービス国際分類表(ニース分類)、『T』はTM5 IDリストに登録されていることを示します。

 『電子計算機の貸与』は英語名で『rental of computers』の用例があり、データ種別は『基』『T』です。『基』は類似商品・役務審査基準です。

 『電子計算機用プログラムの提供』は英語名で『providing computer programs on data networks』の用例があり、データ種別は『基』です。

 この『商品・役務名検索』で『不可』となっている役務は採用できないため、確実に拒絶されます。42類ですと『データベースの提供』や『コンピュータサービス』は不可です。

【参考】J-PlatPat:商品・役務名検索




識別番号の取得

 申請書類の作成の前に、識別番号を取得します。

 9桁のアラビア数字で構成された1人1つのユニークな番号です。

 インターネット申請であれば郵送などの手続きが要らず、すぐに取得できます。
 ただし、以下のものが必要になります。


 手順はやや複雑と言うか面倒というか、この作業は先に終わらせておくと良いです。
 手順は以下のとおりです。

  1. 特許庁『インターネット出願』ソフトをダウンロード
  2. 特許庁『インターネット出願』ソフトをインストール
  3. インターネット出願』を起動する
  4. 『証明書モード確認』画面表示
  5. 『ICカード』をクリック
  6. 『本人認証画面』の設定ボタンをクリック
  7. 『申請人情報・証明書管理ツール』をクリック
  8. 『証明書モード確認』画面表示
  9. 『ICカード』をクリック
  10. 『申請人情報・証明書管理ツール』画面表示
  11. 『識別番号取得&利用登録』をクリック
  12. 『識別番号取得』タブで注意書きを確認
    (タブは他に『申請人情報・証明書の登録』『登録済証明書の管理』)
  13. 画面下方の『◆注意◆を読んで内容を確認した』の左側にあるチェックボックスにチェック
  14. 『起動』ボタンをクリック
  15. 『次へ』をクリック
  16. 使用する電子証明書の認証局サービス名を選択
  17. ICカード(カードリーダーマイナンバーカード)をセット
  18. マイナンバーカードの利用者照明用番号(4桁)を入力
  19. マイナンバーカードの署名用パスワード(英数字)を入力
  20. 自動的に通信が始まる
  21. マイナンバーカードの証明書情報の確認画面表示
  22. 『次へ』をクリック
  23. 『個人法人確認』画面表示
  24. で登録する識別番号の種別が正しいことを確認
  25. 『次へ』をクリック
  26. 『氏名又は名称』画面表示
  27. 氏名又は名称を入力
  28. 『次へ』をクリック
  29. 『申請人情報の入力』画面表示
  30. 『次へ』をクリック
  31. 『申請人情報送信確認』画面表示
  32. 『送信』をクリック(特許庁への送信開始)
  33. 自動的に通信が始まる
  34. 『識別番号取得&利用登録 完了』画面表示
  35. 取得した識別番号をメモする
  36. 『次へ』をクリック
  37. 『サービスメニュー設定』画面表示
  38. 変更がある場合、設定する項目名を選択し『設定の変更』をクリック
  39. 『更新』をクリック
  40. 更新完了メッセージで『OK』をクリック
  41. 『サービスメニュー設定』画面で『閉じる』をクリック
  42. 『申請人情報・証明書管理ツール』画面表示
  43. 『終了』をクリック

【参考】特許庁:電子出願ソフトサポートサイト, 識別番号について
【参考】特許庁:電子出願ソフトサポートサイト, 申請人利用登録
【参考】特許庁:電子出願ソフトサポートサイト, 申請人利用登録, ICカード形式:識別番号を持っていない場合
【参考】特許庁:初心者のための電子出願ガイド2.インターネット出願ソフトのセットアップ


ICカードリーダー PaSoRi (RC-S380S)
 ソニーのICカードリーダー『PaSoRi』はe-TAX黎明期から普及している機種です。
 マイナンバーカードのみならず交通系ICカードやNFC規格のカード類が走査できます。SUICAやICOCAの残高確認などが可能です。
 USBケーブルでパソコンと接続するだけで難しい設定は要りません。




申請書類の作成(HTML)

 競合しないであろうことが確認できたので、申請書類の作成に移りました。

 書式は特許庁が決めたものがあるので、それに準じて作成します。


 ファイルはHTMLファイルで作成し、その作成にはWindowsに標準搭載されているMicrosoftメモ帳(notepad.exe)を使いました。
 メモ帳を使った理由は、隠れた書式などが自動的に付加されないためです。

【書類名】商標登録願
【整理番号】AT001
【提出日】令和4年7月7日
【あて先】特許庁長官殿
【商標登録を受けようとする商標】
AmpiTa
【標準文字】
【指定商品又は指定役務並びに商品及び役務の区分】
  【第42類】
  【指定商品(指定役務)】電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供
【商標登録出願人】
  【識別番号】*********
  【住所又は居所】○○県○○市○○0-00-00
  【氏名又は名称】○○○○
  【電話番号】090-0000-0000
【手数料の表示】
  【指定立替納付】
  【納付金額】12000

 コードを示すと以下のようになっています。このコードどおりのHTMLファイルをダウンロードできるようにしてあります。
 ウェブブラウザでは表示されないヘッダ部分は <HEAD> から </HEAD> までです。 <BODY> の後から、 </BODY> の手前までがウェブブラウザで表示されます。
 各行の行末に <BR> とあるのが改行コードです。”break”を略して BR です。この改行コードが入ることによって、ウェブブラウザ上では改行されて表示されます。
 HTMLの指示となる英数は半角です。商標申請に必要な本文は全角で入力しています。

<HTML>
<HEAD>
<META http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=Shift_JIS">
</HEAD>
<BODY>
【書類名】商標登録願<BR>
【整理番号】AT001<BR>
【提出日】令和4年7月7日<BR>
【あて先】特許庁長官殿<BR>
【商標登録を受けようとする商標】<BR>
AmpiTa<BR>
【標準文字】<BR>
【指定商品又は指定役務並びに商品及び役務の区分】<BR>
  【第42類】<BR>
  【指定商品(指定役務)】電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供<BR>
【商標登録出願人】<BR>
  【識別番号】*********<BR>
  【住所又は居所】○○県○○市○○0-00-00<BR>
  【氏名又は名称】○○○○<BR>
  【電話番号】090-0000-0000<BR>
【手数料の表示】<BR>
  【指定立替納付】<BR>
  【納付金額】12000<BR>
</BODY>
</HTML>


【参考】工業所有権情報・研修館(INPIT):各種申請書類一覧(紙手続の様式)
【参考】特許庁:書式集
【参考】特許庁:様式・記載方法




書き方の要点

  • 書類名…『商標登録願』と書きます。
  • 整理番号…適当に作ります。今回はAmpiTaの1回目なので『AT001』としました。
  • 提出日…手続している日を記入(任意)。
  • あて先…『特許庁長官殿』と書きます。
  • 商標登録を受けようとする商標…『AmpiTa』としました。
  • 標準文字…ロゴデザインなどがなければ標準文字です。
  • 指定商品又は指定役務並びに商品及び役務の区分…今回は『第42類』として出願です。
  • 指定商品(指定役務)…第42類である前提で『電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供』と記載。
  • 商標登録出願人…各項を埋めていきます。
  • 識別番号…取得して入力します。
  • 住所又は居所…『○○県○○市○○0-00-00』のように書きます。全角で書きました。
  • 氏名又は名称…住民票どおりに書きました。
  • 電話番号…自身の携帯電話番号を書きました。
  • 手数料の表示…今回はネット経由でクレジットカード支払いを予定していたので『指定立替納付』になります。
  • 納付金額…審査してもらうための出願手数料が1万2千円なので全角で『12000』と書きました。区分数などによって変動します。

【書類名】商標登録願
【整理番号】AT001
【提出日】令和4年7月7日
【あて先】特許庁長官殿
【商標登録を受けようとする商標】
AmpiTa
【標準文字】
【指定商品又は指定役務並びに商品及び役務の区分】
  【第42類】
  【指定商品(指定役務)】電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供
【商標登録出願人】
  【識別番号】*********
  【住所又は居所】○○県○○市○○0-00-00
  【氏名又は名称】○○○○
  【電話番号】090-0000-0000
【手数料の表示】
  【指定立替納付】
  【納付金額】12000

※.納付方法には特許印紙、電子現金納付、予納、指定立替納付、現金納付、口座振替がある。

【参考】特許庁:識別番号取得&申請人利用登録(ICカード形式)
【参考】特許庁:識別番号取得&申請人利用登録(ファイル形式)
【参考】特許庁:申請人利用登録(識別番号あり)(ICカード形式)
【参考】特許庁:申請人利用登録(識別番号あり)(ファイル形式)




インターネット申請(出願)

 作成したHTMLファイルを送信し、お金を払います。今回は個人(マイナンバーカード)と個人クレジットカード払いでの方法を記載します。

  1. インターネット出願』を起動する
  2. ICカードリーダーマイナンバーカードをセット
  3. マイナンバーカードで認証する(要パスワード)
  4. 画面左上のタブから『出願』をクリック
  5. 出願ツリーの中にある『利用者1』を展開し『送信ファイル』をクリック
  6. 画面上段の『文書入力』アイコンをクリック
  7. ダイアログボックスで作成済HTMLファイルを選択する
  8. 証明書情報確認画面で『実行』をクリック
  9. 書式チェック画面で送信前チェック結果を確認
    (警告やエラーが出た場合はファイルを修正)
  10. 『利用者1』を展開し『送信ファイル』をクリック
  11. 表示窓(右上)に『未送信/正常』の状況にあるファイルがある
  12. 画面上段の『表示』アイコンをクリック
  13. ファイルの内容を確認(表示されている)
  14. 画面上段の『オンライン出願』アイコンをクリック
  15. 確認ポップアップ画面で『OK』をクリック
  16. 指定立替納付(クレジットカード払い)の場合、ここでクレジットカードに関するメッセージが表示される
  17. クレジットカードを選択する
  18. クレジットカード承認前のチェックを実施し『承認して処理開始』をクリック
  19. クレジットカード決済サイトへ遷移
  20. クレジットカード決済サイトの指示に従い支払承認
  21. 完了ポップアップ画面(終了メッセージ)で『OK』をクリック
  22. 『利用者1』を展開し『受理済』をクリック
  23. 送信した書類状況が『接受』になっている
    (前回確認時は未送信/正常)

【参考】特許庁:Wordを使った書類作成
【参考】特許庁:一太郎を使った書類作成
【参考】特許庁:電子出願での文字の規定
【参考】特許庁:電子出願でのイメージの規定と、イメージ組み込み可能な箇所




手数料納付

 準備が一番少ないのはクレジットカード払いの『指定立替納付』ではないかと思います。

 今回はクレジットカードで支払いました。

 申請書類に『指定立替納付』と記入して金額も記入しておくと、インターネット出願時に自動的にクレジットカード認証の画面に遷移し、指定した金額を支払う事ができます。


 費用は、商標登録は最低が12,000円です。

基本3,400円+(8,600円×区分数)

 今回は区分数が『1』でしたので商標登録出願料は以下の計算になります。

3,400[円]+8,600[円/区分]×1[区分]=12,000[円]

 これが区分数『2』であればプラス8,600円の20,600円、区分数が増えれば8,600円ずつ増えていきます。

 出願費用は特許庁で調査や審査などに係る経費なので、商標登録されるか否かに関わらず必要な費用です。

 登録の際には区分数に応じて1区分あたり32,600円の商標登録料がかかるので、むやみに区分数を増やすと区分1つごとに出願時に8,600円、登録時に32,600円必要になります。


 各種の支払い方法については、下記リンクより特許庁のホームページをご参照ください。

手数料納付
 ├ 電子現金納付
   ├ 電子現金納付を使った場合の提出方法
 ├ 指定立替納付
   ├ 指定立替納付を使った場合の提出方法
 ├ 口座振替
 ├ 予納
 ├ 現金予納(電子現金納付)


【参考】特許庁:産業財産権関係料金一覧
【参考】特許庁:手数料金計算システム




待つ

 出願が終われば、あとは待つだけです。

 特許庁のホームページによると『一般役務』で4~7か月、『産業役務』で6~9か月かかるそうです。

 今回の出願区分は『一般役務』、区分数は1つでした。7月に出願して12月に登録となったので期間は5カ月、審査着手時期として5か月は超えていないので、4か月くらいであったのかなと思います。

【参考】特許庁:商標審査着手状況(審査未着手案件)




登録査定

 ある日突然『登録査定』という書類が届きます。

 要するに、登録料を支払えば登録に進みますよという段階なのですが、初めて受け取ったときには『査定?』という感じでした。

 HTMLファイルで商標登録料納付書を作成し、インターネット出願で送ると登録料を収めることができます。

 方法は出願時と同じです。

<HTML>
<HEAD>
<META http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=Shift_JIS">
</HEAD>
<BODY>
【書類名】商標登録料納付書<BR>
【提出日】令和4年12月10日<BR>
【あて先】特許庁長官殿<BR>
【出願番号】  商願2022-00000<BR>
【商品及び役務の区分の数】1<BR>
【商標登録出願人】<BR>
  【氏名又は名称】○○○○○○<BR>
【納付者】<BR>
  【識別番号】○○○○○○○○○<BR>
  【住所又は居所】○○県○○市○○0-00-00<BR>
  【氏名又は名称】○○○○○○<BR>
【登録料の表示】<BR>
  【指定立替納付】<BR>
  【納付金額】32900<BR>
</BODY>
</HTML>




公報

 登録された事実は公報に掲載されます。

 今回の公報日は2022年12月22日ですので、その日の公報を端から見て行けばどこかに載っています。

【参考】特許庁:インターネット公報




弁理士の必要性

 今回はシンプルに、ソフトをリリースする上で差し止め処分などを受けないように、あとから権利行使料を請求されないようにと申請したので、役務の範囲が非常に狭いです。

 おそらく、1回の申請でもう少し広範に得る事もできたと思いますし、場合によっては似た商標を複数申請しておいた方が良いかもしれません。

 そのあたりの判断が、素人ではつきません。

 ダメだと気付いて再び自分で申請すれば良いのですが、結果が出るまで半年くらいかかります。
 この半年が待てるのか否か、そこが弁理士費用との関係にもなります。

 ビジネスとしてしっかりと進めるのであれば、弁理士費用を負担してでも相談に乗って貰い、進めて行った方が良いと思います。

 筆者もここへきて気づきましたが、マニュアルやレクチャー資料などを含めて出版物にも及ぶべきだったかなと思います。区分が違うと思いますので、2区分の申請が必要でしたが、今さらなので別途新たな商標として出そうかと思います。




費用対効果

 今回の費用は登録申請の際に払った手数料12,000円、登録料32,900円、合計44,900円です。

 ICカードリーダーは以前から保有していたので新たな費用負担はしていません。
 支払いはクレジットカードでしたので、特に手数料などは支払っていません。

 初めてでしたので作業時間はトータルで8時間くらいかかっていると思います。調査ではもっと時間を使っていますが、この調査については他の用事も兼ねているのでカウントしていません。

 44,900円で『AmpiTa』の商標を使い続けられることについては十分な費用対効果があると思います。
 安心感がまるで違いますので、精神的にはラクです。
 仮に商標権を他者が持ち、数年後に差し止めの内容証明郵便が届いて、遡って行使料を請求されると、ソフト1本あたり500円だとしても100本出ていれば5万円ですので、商標権獲得の44,900円は安いと思います。フライヤーやウェブサイトなども計算されて請求されると思いますので、この点では安い買い物だと思います。

 弁理士を使わなかったので5~10万円は安く済んでいると思います。
 新たに商標出願しても相乗りでも区分毎の費用は同じなので、差額が出るのは基本料金3,400円だけです。なので、今のところは後から出願でも安いと思っています。
 問題はAmpiTaブランドで何かを売る場合だと思います。AmpiTaの名でイベントを開催する、AmpiTaのボードゲームを販売するといった場合には、今から出願しても登録できるのが半年後なのでだいぶ遅くなります。

 今のところ無名、誰からもイベント開催などの誘いはないので心配は要りませんが、メディアに露出して資金獲得するようなベンチャー企業であれば死活問題かもしれません。

 弊社のコンサルティング業務としては、顧客には戦略的な知財活用ということで、商標権や意匠権の扱いについても助言できるように勉強しようと思います。
 また、弁理士との連携も強化し、手遅れにならない知財戦略をたてるべきだと実感しました。