2011年9月11日、4機の米国(アメリカ合衆国)国内線民間航空機がほぼ同時にハイジャックされ、米国の経済、軍事を象徴する建物に相次いで突入する自爆テロが行われました。
午前8時45分(日本時間21時45分)頃、ボストン発・ロサンゼルス行きアメリカン航空11便が、ニューヨークにある世界貿易センター(WTC)の北棟ビルに突入しました。
続いて午前9時3分(日本時間22時3分)頃、ボストン発・ロサンゼルス行きユナイテッド航空175便が、WTC南棟ビルに突入しました。
2機の飛行機の突入により、2つのビルは午前10時頃、ほぼ同時に倒壊しました。
さらに午前9時45分頃、ワシントン発・ロサンゼルス行きアメリカン航空77便が、ワシントンの国防総省本庁舎(ペンタゴン)に突入、建物の一部が倒壊、炎上しました。
その後、午前10時10分頃、ニューアーク発・サンフランシスコ行きユナイテッド航空93便が、ピッツバーグ近郊の林に墜落しました。
このテロによる犠牲者は合計3062名でした(2002年2月25日米当局発表)。
このうち邦人の死者・行方不明者は24名、うち遺体が確認されたのは9名(2002年3月4日現在)でした。
【参考】BBC NEWS JAPAN: 「9/11」から20年 あの日、何があったのか(2021年9月10日)
【参考】東京新聞: 「9・11」から20年 死者100万人に迫るも、深まる人種・宗教間対立(2021年9月10日)
[Google Map] ワールド・トレード・センター
[Google Map] ジェネラル・エドワード・ローレンス・ローガン国際空港
[Google Map] ロサンゼルス国際空港
[Google Map] ペンタゴン(アメリカ国防総省本庁舎)
<
日本でも速報体制
最初のテロ攻撃が21時45分頃、次が22時3分頃なので、日本ではドラマやバラエティ番組、ニュースなどが放送されている時間帯でした。
最初はテロップで速報が流れ、やがて映像も流す特番報道体制になったと思います。
情報は錯綜しますが、早い段階で事故ではないという報道がありました。
<
多数の映画
『9.11』に関する映画は多数公開されています。
- 死のフライト 9.11 20年目の真実(2021年)
- ビンラディン殺害計画の全貌(2021年)
- 消えた摩天楼 ワールドトレードセンターの崩壊(2021年)
- 9.11 ユナイテッド93便 最後の瞬間(2020年)
- 9.11 ジョージ・W・ブッシュ 空白の9時間(2019年)
- 倒壊する巨塔-アルカイダと「9.11」への道(2018年)
- 9.11 崩壊するタワー 感動の脱出秘話(2018年)
- 9/11 – The Myth and The Reality(2017年)
- 9.11テロ事件~15年目の証言~(2016年)
- ゼロ・ダーク・サーティ(2013年)
- 9/11: 爆破の証拠 - 専門家は語る(2012年)
- ブッシュ元大統領が語る9.11(2011年)
- 9.11 ~アメリカを変えた102分~(2008年)
- ユナイテッド93(2006年)
- ワールド・トレード・センター(2006年)
<
実行犯は少人数
BBCの記事によれば、この攻撃で亡くなったハイジャック犯は19人でした。
それ以外の死亡者は2,977人です。
1機目は乗客81人、ハイジャック犯5人です。
2機目は乗客56人、ハイジャック犯5人です。
3機目はハイジャック犯5人、4機目のハイジャック犯は4人でした。
<
少人数でも大規模
1995年3月、日本で起きた地下鉄サリン事件の実行犯として名を挙げられているのは10人です。
背後には首謀者や調整役、サリン製造役などが居ますが、サリンの散布などに関わったのは僅か10人です。
13人が死亡、6,300人以上がサリン中毒などの被害を受けたとされる事件は、5本の列車で行われました。
- 千代田線・我孫子発・代々木上原行(新御茶ノ水駅停車直前に傘でパックを開封、霞が関駅でサリン排除、国会議事堂駅で運行取り止め)
- 丸ノ内線・池袋発・荻窪行(御茶ノ水駅でサリン散布、中野坂上駅でサリン排除、荻窪で折り返し新高円寺で運行取り止め)
- 丸ノ内線・荻窪発・池袋行(四ツ谷駅でパックを開封、池袋で折り返し、本郷三丁目駅でサリン排除、荻窪で再び折り返し、国会議事堂前駅で運行取り止め)
- 日比谷線・中目黒発・東武動物公園行(恵比寿駅でパックを開封、六本木~神谷町駅間で異臭に気づき神谷町で傷病者救護、列車は出発し霞ケ関駅で運行取り止め)
- 日比谷線・北千住発・中目黒行(秋葉原駅でパックを開封、小伝馬町でサリン排除、築地駅で運行取り止め)
【参考】NHK: オウム真理教事件 死刑執行
【参考】映画『A』(森達也監督)
【参考】映画『A2』(森達也監督)
<
テロは防げるのか?
テロを100%防ぐことはできません。
諜報活動などにより、ある程度は未然に防がれているかもしれませんが、テロを起こすことができない社会を作る事は不可能だと思います。
筆者にできることは、テロが起きずに過ぎる時間が長くなることを祈るだけです。
<
ハイジャックは防げるのか?
日本にはハイジャック防止法と呼ばれる法律があります。
『航行中の航空機を強取し、又はほしいままにその運航を支配した者は、無期又は七年以上の懲役に処する。』ということで死刑にはなりません。
ただし『人を死亡させた者は、死刑又は無期懲役に処する。』となっています。
もし、準備段階で止めれば『実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。』となります。
ハイジャックをすれば、乗客乗員数十名から数百名の生命が危険にさらされ、9.11のように建物に衝突すれば何千人もの生命が危険にさらされます。
それだけの生命を奪おうとする人に、法律での縛りは抑止力の一部に過ぎず、実行される恐れがあります。
ハイジャック犯が飛行機に乗り込むことは容易です。これからハイジャックを実行しようとしているかどうか、見た目ではわからないです。
ハイジャックを目的に凶器を持ち込もうとすると、バレる可能性はあります。ただし、何を凶器とするかにもよります。
飛行機の搭乗前の手荷物検査では、刃先5cmのドライバーは持込不可、刃先1cmのハサミも持込不可、発見されれば『預けてください』と言われます。
しかし50cm超の金属棒だらけの傘は持込OKです。チタン製の杖も持込OKです。
筆者は化学は不得意なのでわかりませんが、おそらくモバイルバッテリと何かを使って異臭騒ぎや発火をすることができると思います。
意図せずとも車内でのモバイルバッテリ火災は発生しているので、何らかの手間をかけてやればバッテリ単体でも騒ぎを起こすことができると思います。
ストレートに、ライターを持ち込めば着火はできます。最近はアルコール消毒液を携行している人も多く、機内にもアルコール消毒液が含侵されたウェットティシュ(クレンジングワイプ)も備えられています。
客室内は燃えにくい素材で作られていると思いますし、万一のときの緊急着陸や非常脱出の訓練を受けた乗務員が搭乗しているので、火災で生命を落とすことはないと信じています。
【参考】航空機の強取等の処罰に関する法律
【参考】JAL: 機内持ち込みお手荷物(国内線)
【参考】JAL: 機内持ち込みお手荷物(国際線)
【参考】JAL: 制限のあるお手荷物(国内線)
【参考】東海テレビ: 助手席で火が出て車全焼も…モバイルバッテリー発火 どうすると危険性高まるのか 気を付けるべき4つのコト
【参考】JAF Mate: 炎天下の車内放置でモバイルバッテリーやスマホに発火の可能性!? 車両火災の危険も!
【参考】ELECOM: 発火・発熱など、モバイルバッテリーのトラブルの原因と対策を紹介
【参考】国土交通省: 非常脱出時における適切な対応のお願い
<
過去のテロからの教訓
一般市民レベルでは、テロを防ぐことはできないと思います。
一般市民レベルでは、テロの被害を受けない策は講じられないと思います。
一般市民レベルでは出来ないことが多いですが、テロが起きてしまったときの対処について、考えておくことはできます。
爆発が起きた時、衝撃波を受けたら外傷がなくても診療を受けた方がよいでしょう。
化学兵器が使われたとき、十分な換気をするよう努めるべきでしょう。
普段の生活では接する事のないダメージに、適切に対処できれば死傷者を減らすことができるかもしれません。
それでも亡くなる方があれば、追悼するくらいしか一般市民レベルでできることは無いかもしれません。
<
おわりに
今日は米国での同時多発テロがあった『9.11』から22年、あの日を思い出しながら、いま身の上に起きたらどうすべきかをシミュレーションしてみました。
防ぎようのないダメージですが、ダメージを拡大しないための知識や技術、備蓄は必要だなと改めて思う日でした。