2024年1月1日に発生した能登半島地震では、16時06分に強い地震があり、その後16時10分に緊急地震速報が出され、ほぼ同時期に震度7クラスの地震が発生しました。
NHKでは16時頃までサッカーの試合を中継しており、16時06分頃はインタビューをしていました。早々に速報体制に切り替わり、山中泉アナウンサーが少しだけ映って、あとは現地の定点カメラに切り替わりました。
その速報をしている間に緊急地震速報が出され、それを伝えている最中にも定点カメラで映っていた珠洲市の様子が激変します。土埃が舞い上がっているのがよくわかりました。
さらにその後、津波警報が発せられました。
この津波警報に対する山中泉アナの強い口調が、色々なところで称賛されています。
[警報音あり・閲覧注意]2024年1月6日の番組で三谷幸喜さんが褒めていた地震を速報するアナウンサー『テレビを見ていないで急いで逃げて下さい』『いますぐ逃げること!』
各局の様子
NHKが速報体制になった時期は1回目の地震、震度5強という速報の時点です。16時06分頃です。
民法各局の様子ですが、関西テレビは番組中でしたが速報も何も出ていません。読売テレビやMBSはCM中であったためか、こちらも速報は出ていません。
16時08分頃に読売テレビは番組が再開したので、そこで字幕での『地震速報』を流しています。
読売テレビから20秒程遅れて関西テレビも字幕で『地震情報』、更に5秒程遅れてMBSも『地震速報』を字幕で出しています。
読売テレビは地震速報を30秒程表示しましたが、再びCMに入ったので『津波情報、各地の詳しい震度などは情報が入り次第お伝えします』という字幕を最後に、CMが流れます。
関西テレビも16時09分頃にCMに入りますが、CM中も『午後4時6分頃 北陸地方で震度5強』の字幕が流れています。読売テレビとはここが違いました。
16時10分に出た最初の緊急地震速報は石川県のみが対象でしたが、この緊急地震速報を警報音と共に流したのはNHKのみです。
この緊急地震速報が出た石川県では、警告音が鳴っている頃にはもう揺れていました。NHKの画面は石川県珠洲市の定点カメラを映していましたが、激しく揺れていました。この定点カメラは数秒で途切れてしまいました。おそらく、停電か何かでこのカメラは機能していません。
石川のみであった16時10分の緊急地震速報から30秒ほどで富山、新潟、長野、岐阜、群馬と対象が拡大しました。この時点で石川県珠洲市役所の定点カメラでは、恐らく家屋が倒壊しているのであろう土煙が上がる様子が映っています。
さらに30秒ほど経過した16時11分には緊急地震速報の対象地域は北陸、新潟、甲信、東北、関東、東海、近畿に広がります。あとから色々な資料を見たところ、この時点で能登の人々は身動きが取れないほどの強い揺れに見舞われていました。
筆者が確認した民放はいずれも緊急地震速報の存在すら伝えていませんでした。16時11分の広域な緊急地震速報になってから通常放送に重ねる形で字幕と地図が表示され、緊急地震速報の存在を知ることになります。
この時点で、緊急地震速報くらいでは特番には切り替わらないということがわかりました。
1つ注意しておきたいのは、16時12分になってもなお最大震度は『石川能登 震度6強』であったことです。震度7は出ていませんでした。
16時13分になったタイミングでNHKの山中泉アナウンサーは『津波警報です!』と発しました。
それと同時期に読売テレビの画面は通常番組を中止し北陸地方の地図に切り替わりました。
続けてMBSも通常番組を中止し、読売テレビと似た画面になりました。
16時13分の後半になると読売テレビは『津波にげろ!』、MBSは『TSUNAMI にげて!』という画面表示が出ますが、関西テレビはいまだに通常番組を続け、津波警報については一切触れていません。
16時14分30秒を過ぎて、ようやく関西テレビでも通常番組を中止して速報体制に入りました。
このときの『津波警報』の文字が非常に小さいです。そして、津波注意報を表示しているのは関西テレビだけ、他局は津波警報だけを伝えています。
【研修資料】[3倍速] 能登半島地震発災直後 緊急地震速報/津波警報/避難呼びかけの様子….特番開始/通常放送継続 (2024/01/01 16:00-16:30)
16時22分の山中アナ
三谷幸喜さんのコメントなどにもあった山中泉アナウンサーの注意喚起ですが、16時22分の大津波警報発令時は、他局との違いを見せつけられました。
他局の音声を聴いている限りでは、それまでの数分間と同じ様なトーンで伝えています。
NHKの山中泉アナウンサーだけは違いました。
元NHKの有働アナも最高
2022年3月16日に発生した宮城・福島で震度6強を観測した地震では、news zeroの生放送中であったため、キャスターの有働由美子さんが神対応していました。
あのときの放送でも声のトーンや口調、伝えるべき内容などが的確であったとして称賛されていました。
ネット放送化時代は要注意
今回の検証では、放送されているエリアに緊急地震速報が出なければ、民放ではその旨を放送していないことが示唆されました。
これまで電波で仕事をしてきたテレビ局ですが、既にケーブルテレビが普及した頃から視聴エリアが変化し、それまで見る事ができなかった山の裏側の人も視聴者になりました。
関西エリアで言えば、徳島県の人が関西のテレビをよく見るようになりました。
今は光ファイバの時代、送信しようと思えば全国どこでも送ることができてしまうので、北陸や東北に住んでいる人が関西のテレビを見ているかもしれません。
YouTubeは万人受けしなくても、コアなファンに向けて発信する動画が多いですが、テレビ局、特に在京キー局を中心としたネットワークは報道機関としての機能もあるので、そこへの期待感は高いと思います。
放送局の協力は法的責務
現在の放送法や災害対策基本法がつくられた頃にはインターネットは普及していません。存在すらしていなかったのかもしれません。
災害対策基本法第2条の五では『指定公共機関』を定義、同条の六では『指定地方公共機関』を定義しています。
五 指定公共機関 独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。)、日本銀行、日本赤十字社、日本放送協会その他の公共的機関及び電気、ガス、輸送、通信その他の公益的事業を営む法人で、内閣総理大臣が指定するものをいう。
災害対策基本法 第二条
六 指定地方公共機関 地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいう。)及び港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)第四条第一項の港務局(第八十二条第一項において「港務局」という。)、土地改良法(昭和二十四年法律第百九十五号)第五条第一項の土地改良区その他の公共的施設の管理者並びに都道府県の地域において電気、ガス、輸送、通信その他の公益的事業を営む法人で、当該都道府県の知事が指定するものをいう。
災害対策基本法 第二条
指定公共機関や指定地方公共機関の責務は第6条で規定されています。
その内容は『防災に関する計画を作成』『国、都道府県及び市町村の業務について協力する』といった内容です。
指定機関に選ばれるということは、その業務に『公共性又は公益性』があるとされ、その業務を通じて『防災に寄与しなければならない』とされています。
指定公共機関及び指定地方公共機関は、基本理念にのつとり、その業務に係る防災に関する計画を作成し、及び法令に基づきこれを実施するとともに、この法律の規定による国、都道府県及び市町村の防災計画の作成及び実施が円滑に行われるように、その業務について、当該都道府県又は市町村に対し、協力する責務を有する。
2 指定公共機関及び指定地方公共機関は、その業務の公共性又は公益性にかんがみ、それぞれその業務を通じて防災に寄与しなければならない。
災害対策基本法 第六条 指定公共機関及び指定地方公共機関の責務
第57条ではテレビ局などに深く関わる規定があります。
放送法に規定する基幹放送事業者に、放送やインターネットによる情報提供を求められることになっています。
前二条の規定による通知、要請、伝達又は警告が緊急を要するものである場合において、その通信のため特別の必要があるときは、都道府県知事又は市町村長は、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、政令で定めるところにより、電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第二条第五号に規定する電気通信事業者がその事業の用に供する電気通信設備を優先的に利用し、若しくは有線電気通信法(昭和二十八年法律第九十六号)第三条第四項第四号に掲げる者が設置する有線電気通信設備若しくは無線設備を使用し、又は放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第二条第二十三号に規定する基幹放送事業者に放送を行うことを求め、若しくはインターネットを利用した情報の提供に関する事業活動であつて政令で定めるものを行う者にインターネットを利用した情報の提供を行うことを求めることができる。
災害対策基本法 第五十七条 警報の伝達等のための通信設備の優先利用等
法改正が必要?
災害対策基本法第57条では、放送局の設備を使って通知や警告をアナウンスすることを求められるという規定がありました。
前二条の規定による通知、要請、伝達又は警告が緊急を要するものである場合において、その通信のため特別の必要があるときは、都道府県知事又は市町村長は、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、政令で定めるところにより、電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第二条第五号に規定する電気通信事業者がその事業の用に供する電気通信設備を優先的に利用し、若しくは有線電気通信法(昭和二十八年法律第九十六号)第三条第四項第四号に掲げる者が設置する有線電気通信設備若しくは無線設備を使用し、又は放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第二条第二十三号に規定する基幹放送事業者に放送を行うことを求め、若しくはインターネットを利用した情報の提供に関する事業活動であつて政令で定めるものを行う者にインターネットを利用した情報の提供を行うことを求めることができる。
災害対策基本法 第五十七条 警報の伝達等のための通信設備の優先利用等
条文の冒頭『前二条』とあるのは、都道府県知事や市町村長による通知や警報です。
都道府県知事は、法令の規定により、気象庁その他の国の機関から災害に関する予報若しくは警報の通知を受けたとき、又は自ら災害に関する警報をしたときは、法令又は地域防災計画の定めるところにより、予想される災害の事態及びこれに対してとるべき措置について、関係指定地方行政機関の長、指定地方公共機関、市町村長その他の関係者に対し、必要な通知又は要請をするものとする。
災害対策基本法 第五十五条 都道府県知事の通知等
市町村長は、法令の規定により災害に関する予報若しくは警報の通知を受けたとき、自ら災害に関する予報若しくは警報を知つたとき、法令の規定により自ら災害に関する警報をしたとき、又は前条の通知を受けたときは、地域防災計画の定めるところにより、当該予報若しくは警報又は通知に係る事項を関係機関及び住民その他関係のある公私の団体に伝達しなければならない。この場合において、必要があると認めるときは、市町村長は、住民その他関係のある公私の団体に対し、予想される災害の事態及びこれに対してとるべき避難のための立退きの準備その他の措置について、必要な通知又は警告をすることができる。
2 市町村長は、前項の規定により必要な通知又は警告をするに当たつては、要配慮者に対して、その円滑かつ迅速な避難の確保が図られるよう必要な情報の提供その他の必要な配慮をするものとする。
災害対策基本法 第五十六条 市町村長の警報の伝達及び警告
すなわち、都道府県知事や市町村長が要請しなければ放送局が特別な放送をする責務は生じません。
思い付きの私案ですが、緊急地震速報や津波警報などが発せられた場合には国が定める放送を全画面もしくはワイプでも良いので流すような規定があると良いのではないかと思います。
警報が出ると自動的に速報を流すシステムは構築されていると思いますので、それがCM中でも流すことで、国民の生命や財産を守ることにつながるのではないかと思います。
国が指定する組織、例えばNHKが代表して放送し、その放送内容を他局もそのまま流すようにすれば、情報格差は生まれず、また行政も国民も1つの情報源で動くことができて混乱が少ないと思います。
オリンピックのときには共同放送できているので、無理なことではないと思います。
スクープが欲しいと思うのは勝手ですが、速報の時点では放送局が競うのではなく、1秒でも早く、正確な情報を提供することが重要だと思います。
見方を変えると、各局で報道特番を組む必要はなく、複数局受信できるエリアでは、例えばNHKだけが報道特番を流し続けて、民放は平常どおりの番組を流しても良いと思います。
津波警報が出て数時間は指定公共機関がすべて速報体制で良いと思いますが、例えば3時間を超えて以降はワイプでNHKの共同放送を流す、6時間を超えては画面の一部に速報体制の番組が放送中である旨を表示するだけで良い、としても良いかなと思います。
ラジオ局は大丈夫か?
指定公共機関とは、以下の通り公示されています。
- 沖縄電力株式会社
- 株式会社JERA
- 関西電力株式会社
- 関西電力送配電株式会社
- 九州電力株式会社
- 九州電力送配電株式会社
- 四国電力株式会社
- 四国電力送配電株式会社
- 中国電力株式会社
- 中国電力ネットワーク株式会社
- 中部電力株式会社
- 中部電力パワーグリッド株式会社
- 中部電力ミライズ株式会社
- 東京電力エナジーパートナー株式会社
- 東京電力パワーグリッド株式会社
- 東京電力ホールディングス株式会社
- 東京電力リニューアブルパワー株式会社
- 東北電力株式会社
- 東北電力ネットワーク株式会社
- 北陸電力株式会社
- 北陸電力送配電株式会社
- 北海道電力株式会社
- 北海道電力ネットワーク株式会社
- 電源開発株式会社
- 電源開発送変電ネットワーク株式会社
- 日本原子力発電株式会社
- 大阪瓦斯株式会社
- 大阪ガスネットワーク株式会社
- 西部瓦斯株式会社
- 東京瓦斯株式会社
- 東京ガスネットワーク株式会社
- 東邦瓦斯株式会社
- 東邦ガスネットワーク株式会社
- オーシャントランス株式会社
- 株式会社商船三井さんふらわあ
- 株式会社名門大洋フェリー
- 新日本海フェリー株式会社
- 太平洋フェリー株式会社
- 阪九フェリー株式会社
- マルエーフェリー株式会社
- 宮崎カーフェリー株式会社
- JR九州バス株式会社
- ジェイアール四国バス株式会社
- ジェイアール東海バス株式会社
- ジェイアールバス関東株式会社
- ジェイアールバス東北株式会社
- ジェイ・アール北海道バス株式会社
- 中国ジェイアールバス株式会社
- 西日本ジェイアールバス株式会社
- 小田急バス株式会社
- 神奈川中央交通株式会社
- 近鉄バス株式会社
- 京王電鉄バス株式会社
- 京成バス株式会社
- 京阪バス株式会社
- 京浜急行バス株式会社
- 国際興業株式会社
- 西武バス株式会社
- 東急バス株式会社
- 東都観光バス株式会社
- 東武バスセントラル株式会社
- 南海バス株式会社
- 日本交通株式会社
- 阪急バス株式会社
- 阪神バス株式会社
- 三重交通株式会社
- 名阪近鉄バス株式会社
- 佐川急便株式会社
- 西濃運輸株式会社
- 日本通運株式会社
- 福山通運株式会社
- ヤマト運輸株式会社
- ANAウイングス株式会社
- 株式会社AIRDO
- 株式会社スターフライヤー
- 株式会社ソラシドエア
- スカイマーク株式会社
- 全日本空輸株式会社
- 日本航空株式会社
- 日本トランスオーシャン航空株式会社
- 九州旅客鉄道株式会社
- 東海旅客鉄道株式会社
- 西日本旅客鉄道株式会社
- 東日本旅客鉄道株式会社
- 小田急電鉄株式会社
- 近畿日本鉄道株式会社
- 京王電鉄株式会社
- 京成電鉄株式会社
- 京阪電気鉄道株式会社
- 京浜急行電鉄株式会社
- 相模鉄道株式会社
- 西武鉄道株式会社
- 東急電鉄株式会社
- 東武鉄道株式会社
- 名古屋鉄道株式会社
- 南海電気鉄道株式会社
- 西日本鉄道株式会社
- 阪急電鉄株式会社
- 阪神電気鉄道株式会社
- 井本商運株式会社
- 川崎近海汽船株式会社
- 近海郵船株式会社
- 栗林商船株式会社
- 琉球海運株式会社
- エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
- KDDI株式会社
- ソフトバンク株式会社
- 株式会社NTTドコモ
- 朝日放送テレビ株式会社
- 株式会社CBCテレビ
- 株式会社TBSテレビ
- 株式会社テレビ朝日
- 株式会社テレビ東京
- 株式会社フジテレビジョン
- 株式会社毎日放送
- 関西テレビ放送株式会社
- 中京テレビ放送株式会社
- 東海テレビ放送株式会社
- 名古屋テレビ放送株式会社
- 日本テレビ放送網株式会社
- 讀賣テレビ放送株式会社
- 朝日放送ラジオ株式会社
- 大阪放送株式会社
- 株式会社MBSラジオ
- 株式会社CBCラジオ
- 株式会社TBSラジオ
- 株式会社日経ラジオ社
- 株式会社ニッポン放送
- 株式会社文化放送
- 東海ラジオ放送株式会社
上記の内、テレビ放送事業者としてリストされている企業は以下のとおりです。
- 朝日放送テレビ株式会社
- 株式会社CBCテレビ
- 株式会社TBSテレビ
- 株式会社テレビ朝日
- 株式会社テレビ東京
- 株式会社フジテレビジョン
- 株式会社毎日放送
- 関西テレビ放送株式会社
- 中京テレビ放送株式会社
- 東海テレビ放送株式会社
- 名古屋テレビ放送株式会社
- 日本テレビ放送網株式会社
- 讀賣テレビ放送株式会社
上記の内、ラジオ放送事業者としてリストされている企業は以下のとおりです。
- 朝日放送ラジオ株式会社
- 大阪放送株式会社
- 株式会社MBSラジオ
- 株式会社CBCラジオ
- 株式会社TBSラジオ
- 株式会社日経ラジオ社
- 株式会社ニッポン放送
- 株式会社文化放送
- 東海ラジオ放送株式会社
令和6年能登半島地震が発生したときのラジオ放送について詳細はわかっていませんが、関西のラジオ局で若干怪しい放送がありました。
指定公共機関ではないFM局が、通常通り音楽などを放送しています。その中で緊急地震速報が16時10分より遅れて2分弱で下記のような放送をしていました。
先ほど4時6分頃、石川県の能登地方で震度5強を観測する地震がありました。繰り返しお伝えします。先ほど4時6分頃、石川県の能登地方で震度5強を観測する地震がありました。今後の情報に注意をしてください。以上地震情報をお伝えしました。
Kiss FM 神戸 2024年1月1日16時12分頃
えぇ、現在
これの問題点としては、16時10分に出た緊急地震速報には触れていないこと、並びに16時10分から11分にかけて発生した地震にも触れていない点が問題視されます。
そして、ニュースを読み上げた最後に『えぇ、現在』と言いかけたところで番組のジングルが流れて、そのままCMに入り『NMB48の渋谷凪咲です』などと流れていました。2分ほど経過して、ニュースが再開されました。この時点で関西ではゆっくりと大きく揺れていました。
NHKでは16時13分には『津波警報です。津波警報が出ました。すぐに逃げてください』と大きな声で、危機感が伝わるような口調で避難を呼びかけています。この時点で既に津波が到達している場所もあります。
それから1分後にFM局では以下のようなものを読み上げています。
先ほど、石川県能登地方の地震をお伝えしましたが、先ほど神戸中突堤にあるKiss FM神戸のスタジオで地震と思われる揺れを感じました。念のため津波に注意してください。詳しい情報が入り次第すぐにお伝えしますので、このままラジオのスイッチを切らずにお待ちください。
Kiss FM 神戸 2024年1月1日16時14分頃
繰り返しお伝えします。
先ほど神戸中突堤にあるKiss FM神戸のスタジオで地震と思われる揺れを感じました。念のため津波に注意してください。詳しい情報が入り次第すぐにお伝えしますので、このままラジオのスイッチを切らずにお待ちください。
ここで『詳しい情報が入り次第すぐにお伝えしますので、このままラジオのスイッチを切らずにお待ちください』と言っています。
ただし、その後は音楽を流し続けて、曲がきれいに終わるタイミングに合わせてニュースを流しました。ニュース優先ではなく、曲優先です。
先ほど午後4時10分頃にも石川県能登地方で再び強い地震がありました。震度6強を石川県能登地方で観測しました。この地震による津波警報が出ています。津波警報が出ている地域です。新潟県上・中・下越、佐渡、富山県、石川県能登、石川県加賀です。また、日本海側の広い範囲に津波注意報が出ています。
Kiss FM 神戸 2024年1月1日16時19分頃
繰り返しお伝えします。
先ほど午後4時10分頃にも石川県能登地方で震度6強を観測する地震がありました。この地震による津波警報が出ています。津波警報が出ている地域です。新潟県上・中・下越、佐渡、富山県、石川県能登、加賀。また、日本海側の広い範囲に津波注意報が出ています。
津波警報が発表された地域の方は直ちに高台など安全な場所に避難してください。津波は湾内や河口では予想より高くなることがあります。第一波が小さくても第二波、第三波の方が大きくなることがありますので警報や注意報が解除されるまでは絶対に海岸には近づかないでください。
また詳しい情報が入り次第お伝えします。
以上、地震と津波注意報、警報の情報でした。
『詳しい情報が入り次第お伝えします』と言った直後から音楽を流していました。曲が終わった16時25分頃に
このあとも随時地震情報をお伝えして参りますので、みなさん、ラジオのスイッチは切らずにそのままお待ちください。
Kiss FM 神戸 2024年1月1日16時25分頃
上記のように言った頃には、大津波警報が出ています。
そのようなことはお構いなしに、次の曲に行きました。YOASOBIの勇者が約3分間流れます。
大津波警報が出て5分ほど経過して以下のようなものを読み上げていました。
ここで、地震の情報をまとめてお伝えします。
Kiss FM 神戸 2024年1月1日16時28分頃
今日午後4時6分と10分に石川県能登地方で大きな地震がありました。午後4時10分には石川県能登で震度7を観測しています。
この地震により兵庫県北部に津波警報が発令されています。繰り返します。この地震により兵庫県北部に津波警報が発令されています。
また、大津波警報が石川県能登に発令されているほか、日本海側の広い範囲に津波警報、津波注意報が発表されています。警報が発表された地域の方は、ただちに高台など、安全な場所に避難してください。海岸や河口などに近づかないでください。津波は湾内や河口では予想より高くなることがあります。第一波が小さくても第二波、第三波の方が大きくなることがありますので警報や注意報が解除されるまで絶対に海岸には近づかないでください。
以上、地震情報、津波の情報をお伝えしました。
兵庫のFM局なので、兵庫県民が聴いている可能性があります。兵庫には日本海側もあるので、注意が必要です。
電波は届かないと思いますがRadiko(ラジコ)であれば全国で聴く事ができます。
そのリスナーに対して『詳しい情報が入り次第お伝えします』や『このままラジオのスイッチを切らずにお待ちください』を軽々しく口にするのはいかがなものかと思いました。
もし、このラジオ局を信じて、まだ大丈夫だと思って沿岸部に居た人が、そのまま津波にのまれていたとしてたら、悲惨です。
ラジオ局の人が勇気をもって『緊急情報が必要な方々は、NHKラジオに切り替えて下さい』と言っていれば、救えた命があるかもしれません。
結局はNHK
山中泉アナウンサーは『テレビを見ていないで、急いで逃げてください!』と言っています。テレビ局が、テレビなんか見てる場合ではないと、視聴者の生命を優先しています。
民放は、平時の番組を流し続けることを優先して、緊急地震速報も流さず、津波警報が出る頃まで速報体制には切替えていません。
ラジオでは、FM局でやや期待を持たせすぎかなと思われる放送がありました。
AM局では、ほぼ津波のことに触れていないような局もあったので、このあたりが良いのかどうか、ぜひ議論してもらいたいです。
民放ゆえに、民業だから何でも許されるというものでもなく、生命や財産に関わるので、災害時の放送をしないのであれば、災害情報を取得するために他局へ切り替える提案をアナウンスくらいはあっても良いのかなと思います。