現在、太陽フレアの活動が活発になっており、人工衛星を使うGPSなどに軽微な影響が出ている可能性があります。
今後、大きな爆発などがあれば通信障害なども起こり得ますので、太陽フレアの影響を『想定内』としておくことをお勧めします。
現況を知る方法
太陽フレアのデータを国家機関が公表しています。
NICT(情報通信研究機構)が『宇宙天気予報』という特設サイトを公開しています。
現在(5月11日11時)の概況は以下の通りです。
太陽活動は非常に活発でした。引き続き今後1日間、太陽活動は非常に活発な状態が予想されます。地磁気活動は猛烈に活発でした。引き続き今後1日間、地磁気活動は猛烈に活発な状態が予想されます。電離圏は非常に乱れた状態でした。今後1日間、電離圏は非常に乱れると予想されます。5月10日14時5分UTにプロトン現象が発生し、現在も継続中です。5月10日17時5分UTに急始型地磁気嵐が発生し、現在も継続中です。
概況・予報
臨時情報が出ている
気象庁の地磁気観測所によると『急始型地磁気嵐』が発生したそうです。
気象庁地磁気観測所(柿岡)によると、5月10日17時5分UTに急始型地磁気嵐が発生しました。
この地磁気嵐に伴う地磁気水平成分の最大変化量は、11日0時UT現在、約517 nTで、現在も継続中です。この臨時情報は、11日8時20分JSTの臨時情報でお伝えした地磁気嵐の追加情報となります。
地磁気嵐に関する臨時情報(2024年05月11日 09時30分JST)
【参考】5月10日17時5分UTに急始型地磁気嵐が発生し、現在も継続中です。(2024年5月11日 09:30)
この記事公開直後にも新しい臨時情報が出されました。
気象庁の地磁気観測所によると『急始型地磁気嵐』が発生したそうです。
11日1時23分UTに、太陽面でX5.8フレア(1時10分UTに開始、1時39分UTに終了)が発生しました。
SDO衛星の極端紫外線画像(AIA094)によると、このフレアは活動領域3664(S18W44)で発生したと推測されます。
このフレアに伴い、11日10時15分JSTから日本各地でデリンジャー現象が発生しています。
太陽フレアに関する臨時情報(2024年05月11日 11時30分JST)
【参考】5月11日1時23分UTに、活動領域3664(S18W44)でX5.8フレアが発生しました。(2024年5月11日 11:30)
デリンジャー現象とは、大きな太陽フレアが起こると発生する通信障害です。短波通信ができなくなったり、ラジオ放送が聞こえなくなることがあります。
- 2024年05月12日 09時40分 地磁気嵐に関する臨時情報
- 2024年05月11日 21時20分 太陽フレアに関する臨時情報
- 2024年05月11日 16時10分 CMEに関する臨時情報
- 2024年05月11日 11時30分 太陽フレアに関する臨時情報
- 2024年05月11日 09時30分 地磁気嵐に関する臨時情報
- 2024年05月11日 08時20分 地磁気嵐に関する臨時情報
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- 2024年05月08日 11時30分 太陽フレアに関する臨時情報
現在の太陽
下記動画はNICTの宇宙天気予報のウェブサイトのリンク映像です。当サイトに動画ファイルを保存している訳ではないため、リンク先の状況によっては動画再生ができない場合があります。
黒点(光球)
プロミネンス(彩層)
フレア(コロナ)
磁気嵐発生予報 – アメリカ海洋大気庁
米国の海洋大気庁は太陽フレアによる深刻な磁気嵐警報を発令しました。
同庁では、この週末の地球の磁場の乱れは0~9のスケールで最上位の『9』に達したと発表しています。
オーロラが見られるという情報が米国内のみならず世界中に発信されたせいか、同庁のウェブサイトはつながりづらい状況になっており、高い頻度で『504 Gateway Time-out』の表示になってしまっています。地磁気(Geomagnetic)のページだけでなくすべてのページが504になっているので、サーバ全体の負荷が原因ではないかと思われます。
太陽フレア自体の電磁波による504であるような情報は出ていません。
National Oceanic and Atmospheric Administration (NOAA): Geomagnetic Storms
地磁気嵐
太陽面での大規模な爆発により放出された高エネルギー粒子が地球に到達した際に観測されるような顕著な地磁気擾乱(ちじきじょうらん)は『磁気嵐』と呼ばれます。
『地磁気擾乱』の項目がレベル5の『猛烈に活発』になっており、地磁気擾乱のページを見てみると、何か荒れているようなグラフが出てきます。
詳細については地磁気擾乱のページをご参照いただきたいですが、3つあるグラフのいずれも、5月10日夕方以降に波形の乱れが確認できます。
K指数は『Severe storm』という激しい擾乱(じょうらん)、ある種の嵐が起きていることを示しています。
2つ目のグラフは『H component (nT)』です。H成分の方向は磁力計設置時の磁北を指します。Z成分の垂直方向は下方を指し、E成分の方向はHとZに垂直で、東方向を指します。
磁北の方向へ、測定限度以上なのかグラフの外まで振られたあとで、真逆方向へグラフの線が消えていきます。
地磁気の単位はnT(ナノテスラ)を用います。
3つ目のグラフの『D component (arcmin)』も他のグラフと同じ時間帯に乱れています。
太陽フレア
『太陽フレア』の項目はレベル4の『非常に活発』になってます。
普段のデータを見ていると、太陽X線のグラフは黄色の高さに収まっていて、ときどきオレンジのところに突起状のデータが現れるという感じです。
今日のグラフは平均的にオレンジのところ、そして赤色のところに突起が散見されます。
太陽フレアのページを開くと、下図を見る事ができました。
94オングストローム、1Åが0.1nmなので9.4nmの波長を捉えた映像ということだと思います。
その他の指標
太陽フレアや地磁気擾乱以外の指標も高いレベルになっています。
電磁波に注意
太陽フレア自体を防ぐことはできないため、太陽フレアによる影響を想定した対策をすることになります。
太陽フレア、地磁気嵐、デリンジャー現象、どれも電磁波に関する障害をもたらすと想定されます。
光や音、放射線などいずれも電磁波の一種です。その波長(周波数)によって干渉することがあります。
生活上で身近な電磁波として『電波』があります。テレビや携帯電話など一般人が直接利用している電波以外にも広く利用されています。
電波障害が発生した場合、社会が混乱する恐れがあります。
航空機や船舶は運航を中止した場合、人や物の移動が制限される可能性があります。
警察や消防、自衛隊などの活動に支障が出る恐れがあります。救急搬送や消火活動の遅れ、治安の乱れなどが想定されます。
地震や気象のデータ収集や送信が滞り、予報や注意喚起ができなくなる可能性があります。
携帯電話やインターネットが使えなくなる可能性があり、エッセンシャルワーカー向けに帯域を確保されることによって、他のユーザーが使える帯域が狭くなったり、停止されることもあるかもしれません。
通信や物流の停滞に対し、備えが必要になると考えられます。
合わせ技に注意
太陽フレアが活発になった頃、JR東日本の交通系ICカード『SUICA』などに不具合が発生しました。
モバイルSUICAが使えない、チャージできないなどの不具合です。電車に乗っている最中に不具合に遭遇し、改札から出られなくなった人も居ました。
太陽フレアによる通信障害の最中に、脆弱になったサーバーに大量アクセスするなどの攻撃が加えられると、平時よりも簡単にシステムダウンさせることができるかもしれません。
普段は1Gbps(≒1,000,000kbps)で通信し1秒間に10,000件のデータをさばいているサーバが、通信障害で100kbps(約1万分の1)にまで遅くなると、この時点で平時どおりの1秒1万件のアクセスには耐え難い状態です。
通信線の問題だけでなく、太陽フレアでコンピュータが故障する恐れもあり、障害が増えれば脆弱性が増す、そこを付け狙うサイバー攻撃が無いとは言い切れません。
【参考】JRE POINT:JRE POINT WEBサイト、JRE POINTアプリが繋がりづらい事象について
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