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防災女子 | NES株式会社

 女性の存在が普遍化する防災を目指し『防災女子』を推進します。

  • 女性人材を増やす
  • 女性人材を伸ばす
  • 女性人材を活かす
  • 女性人材に尽くす

 上記項目を実践するためには、女性人材が参画できる場づくり、機会を設ける必要があります。

 女性が居なかった場を、女性が居る場に変える第一歩は大変ですが、女性が居て当たり前、居ない事に違和感を覚えるところまで至らなければ『防災女子』の活動は終わりません。

 老若男女それぞれが役割を持ち、役割を果たし、互いに尊重し合って最適な防災が実現できるよう努めます。

老若男女(防災女子)


防災女子

  1. 普遍化
  2. 影響力
  3. 番組
  4. 防災女子ミーティング
  5. 防災女子フォーラム
  6. 認定『防災女子』
  7. 防災女子『ケアラー』
  8. 男女比
  9. 男女共同参画
  10. おわりに


普遍化

 男女問題に詳しい有識者、避難所問題に詳しい有識者であっても、本人が男性であれば『女性』の経験者ではありません。経験のない知識に裏打ちされる根拠がない場合が多々あります。

 避難所で生理用品が必要になる事実はありますが、生理用品を手配しただけで女性に配慮したと主張する傾向には危機感を覚えます。

 避難所での優先事項としてトイレ、寝具、プライバシーなどが挙げられますが、ここには年齢性差が出やすいです。
 単にアンケートをとっただけでは見えない課題を顕在化するためにも議論の場には老若男女が揃う必要があります。

 街に女性が居ても珍しくないのと同様に、防災関連の場に女性が居ても珍しくないということが、在るべき姿です。

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影響力

 防災関連への女性参画の必要性を知って貰いたい人は誰でしょうか。ターゲットとなる人に伝わらなければ、現状は改善されません。

 市長、市危機管理室長、自治会長、自主防災会長など、どれも男性が多そう、年齢は高そうなイメージがあります。

 私たちは、あらゆる層へ情報を届けるために、あらゆる方法にチャレンジして参ります。

防災女子




番組

 定期化された番組は、啓発的な情報発信の手段として有効であると考えます。刷り込むという言葉のように、○曜日の○時に防災女子の話が入ってくることを習慣にしたいと考えています。


YouTube

 配信料は無料、世界中が視聴する動画プラットフォームです。日本語コンテンツは日本人向けになりますが、国内だけでも何千万人という視聴者が居ます。

 YouTubeは手軽さの反面、競争も激しいです。地上波テレビのように受け身で情報を得る物ではないため、存在の知られていないチャネルは誰も見ません。

防災女子


Radio

 想定しているのはコミュニティ放送です。FMラジオですが、その放送は半径10km圏内、かなりローカルな放送エリアです。

 ローカルゆえに、人と人のつながりは密になります。

 防災への女性参画だけでなく、実践として女性が活動する場面をラジオ番組で発信し、仲間を増やす事に期待しています。

 コミュニティFMは災害時の情報発信ツールとしても期待されています。

防災女子




防災女子ミーティング

 些細な話題でも取り扱うことができるミーティングを頻繁に開催したいと考えています。

 ビデオ会議システムを使えば全国のメンバーが容易に集まれます。

 各地で開催される会議や訓練などに合わせて開催すれば、関係者が集まりやすい日時を設定できます。

 とにかく回数を重ねること、それによって芽生える様々なことに価値があるということ、ゆえに防災女子ミーティングは頻繁に開催できるよう仕掛けています。

防災女子




防災女子フォーラム

 防災女子の現任者やOGを集めたフォーラムの開催を目指します。

 共通の課題に対するパネルディスカッション、成功や失敗を語り継ぐ教育講演、実践型教育を受けられるワークショップなど、参加して仲間を増やし、スキルアップもできるフォーラムを目指しています。

防災女子フォーラム




認定『防災女子』

 将来構想ですが、認定制度を作りたいと考えています。

 防災に答えはありません。失敗も成果です。認定制度をつくるとすれば、合格するまで何度でもチャレンジでき、受験希望者の全員が認定されるような制度を考えています。

 認定証やバッジなどの形は重要だと思っています。

 認定者が後続者を指導し、育成し、底上げしていくことができる好循環のシステムを検討しています。

防災女子
ケアラー

 『防災女子』などという言葉が無くても、既に防災の現場で働いている女性、災害時に休まず働き続ける女性はたくさん居ます。
 弊社ビジネスでは大変お世話になっている看護師はその代表的な職種です。私たちは、エッセンシャルワーカーをサポートさせて頂いております。




防災女子『ケアラー』『ケアギバー』

 ”carer”(ケアラー)や”caregiver”(ケアギバー)と呼ばれる、家族の看病や介護をしている家族が居ます。

 『ヤング・ケアラー』という言葉が広まったことで、自身がヤングケアラーであることを知った中高生も多くいたようです。

 我が子の世話をする親はたくさん居ますが、その子が医療的ケアの必要な子供であるという人は少ないです。いま、医療的ケア児と一緒に住む家族が増えています。人工呼吸器装着患者は5年で1.5倍に増えています。

 そのケアラーの中心は母親、女性です。


 我が子、我が身に降りかかる脅威に抗うために防災力強化が求められるケアラー(母親)は、無意識の内にも有能な防災女子になっている可能性があります。

 自家用の防災力は、地域の女性陣にも役立つ能力が豊富かもしれません。平時には教育指導者としてリーダー役を、発災時には余力を持った近隣住民(女性)から患家の応援に来て貰えれば、新しい隣保協同の形になると思います。

 私たちは、全ケアラーをサポートして参ります。




男女比

 出生時の性別は男105:女100が定説的な男女比です。

 戦地には男子という時代であれば若年層では男性の死亡率が高いかもしれませんが、現代の日本において死亡率は同等です。乳幼児死亡率の低い日本では出生時比率が大人になっても不変、ゆえに五分五分の比率と考えて差し支えないと思います。

 高齢になると様子が変わり、人口推計によると女性の方がやや多くなる傾向がありそうです。

人口ピラミッド
人口ピラミッド(2050年)
人口ピラミッド
人口ピラミッド(2025年)

人口ピラミッド
人口ピラミッド(2000年)
人口ピラミッド
人口ピラミッド(1975年)

昼間人口

 昼間人口と夜間人口の差が大きい、入替が激しいエリアでは曜日や時間帯で男女比が大きく変動します。

  • 夜間人口=常住地による人口
  • 昼間人口=夜間人口 – 市外流出人口 + 市内流入人口

 幼稚園の送迎に女性(母親)の姿が多いことを典型に、住宅街の平日昼間は女性が多くなる傾向にあります。夜になると夫婦が揃うので男女比は半々に近づきます。

 若年層は子育てに忙しく地域貢献をしている余裕はありませんが、平日昼間に発災した場合、初動の良し悪しは女性にかかっていると言っても過言ではありません。

防災女子
防災女子

【参考】国立社会保障・人口問題研究所:人口ピラミッド
【参考】総務省統計局:令和2年国勢調査 従業地・通学地による人口・就業状態等集計結果




男女共同参画

 内閣府では、男女共同参画の視点からの災害対応について、地方自治体が取り組むべき事項をまとめたガイドラインを作成しています。その中で、以下の7つの基本方針を掲げています。

  1. 平常時からの男女共同参画の推進が防災・復興の基盤となる
  2. 女性は防災・復興の『主体的な担い手』である
  3. 災害から受ける影響やニーズの男女の違いに配慮する
  4. 男女の人権を尊重して安全・安心を確保する
  5. 女性の視点を入れて必要な民間との連携・協働体制を構築する
  6. 男女共同参画担当部局・男女共同参画センターの役割を位置付ける
  7. 要配慮者への対応においても女性のニーズに配慮する

防災女子

【参考】内閣府・男女共同参画局:災害対応力を強化する女性の視点~男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン~
【参考】厚生労働省:雇用における男女の均等な機会と待遇の確保のために
【参考】法務省:性的マイノリティに関する偏見や差別をなくしましょう


 若年女性の就業先のトップは医療福祉です。

 看護師に代表されるように、災害時であっても仕事を続けるエッセンシャルワーカーには女性が多く含まれます。

 彼女らは、災害への対応力も高い、ある分野において優れた防災能力を持っています。

 防災女子の牽引役として、看護師に期待しています。

【参考】内閣府・男女共同参画局:男女共同参画白書 令和5年版




おわりに

 防災の場に女性が少ないことは以前から問題視されています。

 災害が起こると、避難所運営での問題が顕わになりますが、その報道量は少なく、改善を試みる自治体や自治会は多くありません。しかし、明日は我が身です。

 女性が参画できる機会を設ける、そこで活動できる人材を育てる、その成果を広めることに意義があります。
 私たちは、その結果全てを次に応用したいと考えています。例えば若年層の参画、LGBTQに関わる方々の参画、聴覚障害者の参画、二次利用先はまだまだあります。

 私たちは、どこかに居る防災女子を後押しして参ります。

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