弊社のBCPコンサルティングは、災害が対象ではありません。
企業様では、交通事故も大きなリスクとなっています。
損害保険会社様や車リース会社様も独自手法で安全教育を行っていますが、弊社では事業継続計画・業務継続計画という視点からの対策をコンサルティングしています。
交通事故で倒産する?
交通事故が原因で、会社は倒産し得ます。
会社の規模が大きければ初動も賠償も手厚いと思いますので、倒産までは行かないと思います。
賠償金が支払えずに倒産ということもあるかもしれませんが、保険でカバーできる部分ですので、賠償問題はさほど大きくならないと思います。
事故後の対処・対応がまずいと、会社の価値を下げることになりかねません。
委託元を怒らせる業者
あるケースでは、ブランド力のある有名な企業が、配達業務を運送業者に委託していました。
その運送業者が事故を起こしてしまったのですが、その対応についてまずさが露呈しました。
まず、ぶつけたことを報告しなかった点です。
家屋を壊された人には何も言わない、委託元にも報告しない、警察にも通報しない、ということで、委託元が怒りました。
謝罪をして一件落着かと思いきや、同じお宅に二度ぶつけていたことがわかりました。
発覚した時点では、1件目の事故について警察の調査が入っていましたが、2件目については聴かれてないから言わなかったということで、意図的に隠していました。
委託元に報告しない、言う機会があったにも関わらず2件目を隠していたということで、委託元は激怒します。
結局、建物を壊された人に対しても、壊れた部分だけ修復して終わり、電話代や交通費などの諸経費は支払いには一切応じないという態度で、原状復帰をしたから賠償は終わり、という幕引きでした。
当然ながら、委託元は契約更新を拒む、という流れです。
対応を誤れば、会社にとって危機が訪れるかもしれません。
事故現場
事故現場での対応のまずさは、記録に残りやすい時代になりました。
多くの車にドライブレコーダーが搭載されているため、事故後の一部始終が記録されているということも少なくありません。
事故の過失割合については保険会社や弁護士がもめることなく、動画のとおりに判断しやすくなりましたが、事故後の対応という部分では賠償とは違った意味を持つかもしれません。
以前話題になった動画では、店舗駐車場でぶつけてしまった車が、ぶつけたことに気づいたが、誰も見てないからと立ち去る様子が映っていてニュースにもなりました。最近は停車中も録画しているので、誰も見ていないとは限りません。
当て逃げは危険
筆者の私宅では、勝手に駐車場に進入してUターンした女性が、駐車中の車にぶつけてしまう事故がありました。
私有地に進入しなければ事故は起こりませんが、そのあとが悪かったです。防犯カメラからは『傷は見えないくらいだから大丈夫』『誰も見ていない』などを電話で話している声が聞こえてきます。
幸いこのときは、電話の相手に諭されたようで自ら110番通報していましたが、事故から10分以上経過していました。
あのまま逃げいても、防犯カメラ映像から車両は特定されたでしょうし、その場合、罪が重くなるのでドライバーにとっては無用な負担を増やすことになっていたと思います。
その車が社用車であった場合、客観的事実に基づく風評被害を受けることになります。
弊社研修はケーススタディ
弊社では、実際にあった交通事故のケースを持ち出し、そのケースについて対応方法を学びます。
いわゆる『図上演習』に近い形ですが、実際の事故映像を見て行うものもあるので、リアリティがあります。
動画は数十本あります。
弊社で録画した完全オリジナルのコンテンツです。
多重事故
高速道路で起きた1つの事故が、他の事故を誘発してしまった事例を用いたケーススタディです。
この研修では『初動対応が違えば事故は起きなかったのでは』という意見がよく出てきます。
その考え、行動を自身のものにできれば、もしも当事者になってしまったときに役立つと思います。
こちらの事故は、事故による周辺のダメージが非常に大きかったケースです。何台の自動車が巻き込まれたのかわかりません。
標識が対向車線に吹っ飛んでいき、それを踏んだ車が事故に遭う、ということで、何台がぶつかったか確認できていません。
事故を起こした車の中を見てみると、人が動いているようにも見えます。もし、ドアを開けることができるのであれば、状況を確認して通報ということが必要なのかもしれません。
あるいは、既に通報していて、警察からの指示で降りないように言われているのかもしれません。
動画が始まって4分頃、阪神高速の隊員が到着しますが、まだ対抗車線の事故には気づいていない様子です。
この事故、どのような対処が必要であったと思いますか?
こちらのケースは、1件目の事故直後に2件目が起きてしまったので、不可避であったと思いますが、いかがでしょうか。
そもそも、1件目の事故が無ければ2件目は無い、という考え方もあります。
1件目の事故後の対応はいかがでしょうか。3件目の事故を誘発してしまってはいないでしょうか。
この事故、どのような対処が必要であったと思いますか?
スリップ事故
雨天のウェットな路面でスリップしていまい、事故に遭ったというケーススタディです。
なぜ事故は起きたのか、事故後の対応は正しかったのか、動画を見て『気づき』を探す」研修です。
下図の事例では、ハッチが開いて積荷が散乱してしまっています。このようなとき、身の安全を守るためには何が必要だったでしょうか。
後続車への配慮は良かったと思いますが、自身が轢かれてしまった場合、自らがダメージを負うだけでなく、轢いてしまった車やドライバーにもダメージが残ります。
単独事故
単独事故を起こしたあとで、事故現場に残ったが、その停車させた位置がどうであったのかを学ぶケーススタディです。
この動画では、見通しの悪いカーブ上に車両が停車しています。後続車がぶつかりそうになっている様子がうかがえます。
単独事故後に警察を呼ばず
高速道路で事故を起こしてしまった場合、まずは安全な場所に車を動かし、追突の恐れがあるので車から降りて安全な場所で待避して警察などの到着を待ちます。
壁などに当たらず、何にも接触せずにスピンしただけであれば事故ではないかもしれませんが、ガードレールでも縁石でも、誰かの資産ですので接触すれば事故です。
ぶつかったことに気づいていながら、通報せずに立ち去ると当て逃げになってしまいます。
ちなみに、下図の動画は警察への通報を待つことなく、後続車が警察車両であったというケースです。事故後0秒で警察が到着しています。
渋滞最後尾
この動画は、これから5年間くらいは注意が必要かなと思われるケースです。
もしかすると、乗用車が自動ブレーキで急な制動、それに追いつかなかった大型車が急ブレーキ、コンテナで前が見えていないダンプカーが追突、というケースかもしれません。
原因ははっきりとわかりませんが、従来の人間がかけるブレーキとは違った、車間距離が空いていても急ブレーキがかかる可能性について予見する必要があると思います。
この動画では、さすがプロドライバーなので警察の到着を待ってから対応しています。
リソース
弊社では、交通事故の多い場所に定点カメラを設置し、情報収集しています。
また、関係先に設置されている防犯カメラ映像も活用しています。
さらに、協力者様よりドライブレコーダーの映像などを提供して頂いております。
ネットから盗ってくるのではなく、独自に入手した映像データを利用しています。