今回『H.VIEW』の防犯カメラの設置工事を実施しました。
良かった点、課題点がありましたので共有します。
Amazonで『800万画素 PoE』
今回設置したカメラは弊社が卸から仕入れた製品ではなく、Amazonで調達された支給品です。
Amazonで『800万画素 PoE』と検索すると上位に入るH.VIEWの防犯カメラは多様なラインアップがあります。
H.VIEWラインアップ
H.VIEW製品で防犯カメラを構築しようとすると、セット商品を買う方法が手っ取り早いです。
4台セットが96,900円、そこに23,000円足すと6台セット、6台セットの40,000円足すと8台セットです。
セット品の構成は下表のようになっています。
4台セット | 6台セット | 8台セット | |
通常価格 | 96,900円 | 119,900円 | 159,900円 |
セール価格 | 75,919円 | 113,900円 | 123,920円 |
NVR | 8ch | 8ch | 8ch |
内蔵HDD | 4TB | 4TB | 4TB |
HDD最大 | 6TB | 6TB | 6TB |
同梱カメラ | HV-800G2A5 ×4台 | HV-800G2A5 ×6台 | HV-800G2A5 ×8台 |
同梱LANケーブル(長尺) | 4本 | 6本 | 8本 |
同梱LANケーブル(短物) | 4本 | 6本 | 8本 |
光学マウス | 1台 | 1台 | 1台 |
ACアダプタ | 1台 | 1台 | 1台 |
HDMIケーブル | - | - | - |
NVR(レコーダー)は単品で18,900円、4TBのHDD(ハードディスク)内蔵品で33,900円です。差額は15,000円です。中を見たところSEAGATEのSkyHawk、ST4000VX005が搭載されていました。Amazonで18,000円くらいする品なので差額15,000円はリーズナブルだと思います。
セール時にはHDDなしが15,120円になっていましたが、その場合でもHDD内蔵の方が経済的かもしれません。
H.VIEWカメラ3機種
H.VIEWの防犯カメラにはいくつかのラインアップがあります。主な3機種をピックアップして比較してみました。
最上位とも言えるHV-800G2Aは光学5倍ズームが付いています。防犯カメラでは『映った範囲を見れれば良い』というケースが多いのでズームに費用負担することは少ないです。
HV-800G2A5がセット品に同梱されています。標準品と言っても良いかなと思います。光学ズームはなく、広角2.8mmレンズ搭載です。ONVIF対応です。
HV-E800Aは廉価版と言えると思います。固定2.8mmレンズ搭載です。
各カメラの仕様は下表のようになっています。
HV-800G2A | HV-800G2A5 | HV-E800A | |
通常価格 | 22,900円 | 15,900円 | 11,500円 |
セール価格 | 17,520円 | 15,900円 | 10,500円 |
画素数 | 800万画素 | 800万画素 | 800万画素 |
H.264 | H.264 | H.264 | H.264 |
H.265 | H.265 | H.265 | H.265 |
ズーム | 光学5倍 | - | - |
レンズ | 2.7 – 13.5mm | 2.8mm広角 F1.0 | 2.8mm F1.2 |
PTZ | - | - | - |
防水 | IP67 | IP67 | IP67 |
赤外線 | 赤外線 | 赤外線 | 赤外線 |
PoE電源 | PoE対応 | PoE対応 | PoE対応 |
DC電源 | DC12V対応 | DC12V対応 | DC12V対応 |
ACアダプタ | 別売 | 別売 | 別売 |
LANポート | メス | メス | メス |
SDスロット | microSD 最大256GB | microSD 最大256GB | microSD 最大256GB |
Wi-Fi | - | - | - |
ONVIF | ONVIF | ONVIF | ONVIF |
IPV | IPV4/IPV6 | IPV4/IPV6 | IPV4/IPV6 |
HTTP | HTTP/HTTPS | HTTP/HTTPS | HTTP/HTTPS |
VoIP | VoIP | ||
RTMP | RTMP | RTMP | RTMP |
RTSP | RTSP | RTSP | RTSP |
SMTP | SMTP | SMTP | SMTP |
FTP | FTP | FTP | FTP |
5倍ズーム機種
5倍ズームを搭載した上位機種は設置経験があります。下記リンクで閲覧できるYouTubeチャネルで使われてる定点カメラの機種が『HV-800G2A』です。
今回は標準機
今回のセット品に含まれていた機種は『HV-800G2A5』です。これを合計12台設置しました。
設置経験のある上位機種はネジ穴が4個、本体重量が750gでしたが今回の機種は550g、取付ネジは3個です。下穴加工をフライングしてしまうと失敗します。
上位機種との大きな違いは首振り固定にもありました。上位機種は可動部が3カ所あり、それぞれを6角ネジで調整できます。一方で標準機の可動部は2か所、ネジ固定はできないため強風や地震で向きが変わってしまう可能性があります。微調整してもカメラの重さで向きが変わってしまう可能性もあります。
金庫やレジなどをピンポイントで狙い、ズレは許容したくない場合は上位機種を選ぶべきかもしれません。
施工
施工開始です。
下の画像は8台セットのものです。かなり大きな段ボールに入っています。
箱を開けるとレコーダーの箱が見えるのと、長尺のLANケーブルが8本見えます。
カメラを設置する位置を決めます。
どの位置から見ると、どのような画が撮れるのか確認しながら、設置できそうな壁などを探します。
今回は下図のような画角で設置することになりました。
実際に設置したカメラは下図のようになります。
今回はレアケースで、防犯カメラの映像を構内で公開しています。ゆえに、カメラを隠す必要はなく、むしろ露出させてカメラの存在を知らせることで、悪事を働く人々への脅威とすることにしました。
映像はエントランスで公開しています。エレベーターに乗る人、階段を使う人、エントランスに留まる人、それぞれから見えるようにディスプレイを取り付けています。
配線は主に配管
露出配線すると、たるんだ電線が目に触れてみっともないだけでなく、簡単に切断できてしまいます。
そこで、配線は主に配管内に通すことにしています。
管用ボックスを途中に設置し、函内で30cmほど電線をループさせて、将来の拡張工事に備えています。
使用した配管はPF管とVE管です。22mm径を用いたのでLANケーブルを4本入れても余裕で通線できます。
録画は秘密の場所
カメラやディスプレイは誰もが見る事のできる位置にありますが、レコーダーは秘密の場所に隠されています。
レコーダーを分散管理することで、犯罪が起きた際にデータを消滅されるリスクを低減します。
カメラに気づいて犯行を中止すると期待していますが、残念ながら犯罪が行われてしまったとき、カメラを壊されることは想定内、録画データを警察に提供することで犯人をつかまえることができると考えています。
今回はカメラの電源と通信はPoEハブから、そこからNVRまでの通信はリピーティングハブを経由して構内LANで接続しました。
IPアドレス
H.VIEWのNVRは独特な機能が備わっています。
LANケーブルのポートが2種類あり、1つはLANポートで1口、PoEポートが8口か16口あります。
LANポートは『IPv4』として構内ネットワークのIPアドレスに参加できます。
PoEポートは『内部NIC IPv4』といった名称で、構内ネットワークのIPv4とは別のIPアドレスを形成します。
このPoEにカメラを接続すると、例えば『192.168.1.1』から始まるIPアドレスで構築されている構内ネットワークに『172.16.0.7』というIPアドレスのカメラが存在してしまうことになります。
H.VIEWのNVRは優秀なので、系統の異なるIPアドレスのカメラを混在して管理することができます。
NVRの管理メニューでサーチをかけると、下図のような画面になります。
IPアドレスで困る….
H.VIEWのNVRだけで管理するのであれば、IPアドレスが192.168.*.*系と172.16.*.*系が混在してしまっても問題なさそうですが、他のシステムからアクセスするには困ったことが起こります。
例えばパソコンからアクセスする場合、構内ネットワークが192.168.*.*系であれば、172.16.*.*系のカメラに直接アクセスするためには、パソコンのIPアドレスを調整してネットワークに参加する必要があります。
色々と困ります。
ブラウザでIPアドレスを入力してアクセスすることで、ビデオフォーマットを変更できたり、ストリーミング配信の設定ができたりします。
この機能を使うのであれば、IPアドレスは足並みを揃えて貰えた方が助かります。
PoEハブで解決
H.VIEWのNVRは独自のIPアドレスを付与してしまう問題を抱えていたので、今回はPoEハブを別置しました。
最初から分かっていればレコーダーを安価な方にしたのですが、これは仕方ないです。
廉価な方とはすなわち下図のとおり、PoEポートを搭載していないタイプです。これで4,000円安くなるので、PoEハブを買う資金に回す事ができます。
今回は18,900円のPoEポート付を買ってしまったので仕方ないですが、IPアドレスの都合があるのでPoEハブを別に買いました。
ハブは『TL-SG1005LP』を調達しました。カメラは公称値7.5Wなので『TL-SG1005P』でも大丈夫です。安い方を買えば良いと思います。
型番 | TL-SG1005P | TL-SG1005LP | TL-SG105PE |
Amazon価格 | 5,041円 | 5,400円 | 6,667円 |
ポート数 | 5 | 5 | 5 |
PoEポート数 | 4 | 4 | 4 |
各ポート最大 | 15.4W | 30W | 30W |
合計供給電力 | 56W | 40W | 65W |
準拠 | 802.3af | 802.3af/at | 802.3af/at |
オートリカバリ (自動再起動) | - | - | 搭載 |
構想通りに構築
PoEハブの導入により、構想どおりの防犯カメラネットワークが構築できました。
エントランスで映像を見る事ができますし、録画は秘密の場所でできるのでデータを盗まれるリスクが低減、個々のカメラはIPアドレスでも管理しているので個別設定も可能です。
カメラは12台、NVRは3台、それらを任意の組合せで接続して録画、インターネット経由でも閲覧可能で、遠方へ出張中でも様子を見る事ができます。
毎日1回、再起動する設定をしたので、徐々に具合が悪くなるようなことは避けて、毎日リフレッシュします。再起動の所要時間は30秒前後、映像が欠けてしまう時間は短いです。