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レセプト(診療報酬)集計データ活用システムアップデート | NES株式会社

 2024年11月に発表させていただいたとおり、レセプト(診療報酬)のデータを集計し、二次活用するためのシステムにつきまして、アップデートしましたので報告いたします。




『MHLW-NDB』とは

 弊社が開発した『MHLW-NDB』は、厚生労働省のNDBオープンデータを集計するシステムです。一般公開はしておらず、弊社の内部使用のためのシステムです。

 機能はインポート、集計、出力に大別できます。




インポート

 インポートのメインは厚生労働省が公開するNDBオープンデータです。


 診療報酬データを解析するために必要となる補助データとして人口があります。

 医系データでは『人口10万対』という形で表現されるデータが多くあるため、同様の集計ができるように国勢調査のデータをインポートできる機能を備えています。


 レセプトデータは性年齢別、都道府県別、二次医療圏別の集計データが提供されているため、国勢調査のデータも性別、年齢別、都道府県別、二次医療圏別が必要になります。

 国勢調査の人口データは総数、男、女と分類されているため、MHLW-NDBのデータベース構築では総数、男、女を区別できるようにしています。

 自治体別のデータが必要であるため都道府県別、市区町村別のデータを区別できる構成としました。

 それらのデータは年齢別でなければならないため、年齢別のデータをMHLW-NDBのデータベースに備えています。
 国勢調査では1歳ずつの年齢別データが提供されていますが、レセプトデータは5歳階級別であるため、レセプトデータの分類に合わせた性年齢別データベースを構築しています。




集計

 データのインポート時に自動的に一次集計します。

 生データは算定回数や患者数としてデータベースに記録しますが、同時に、診療報酬(点数)を掛けて医療費を算出して記録します。さらに、シェア率を計算して記録します。

 シェア率とは、全体に占める割合です。都道府県集計であれば全国総計に対して当該県の占める割合を示します。
 医工連携事業化推進コンサルティングが弊社の生業です。ビジネスをする上では、どこのエリアでの販売が有効であるのかを考えたとき、シェア率が高いエリアを知っておく必要があります。年齢性差が出るものであれば、誰に志向して開発すべきかがわかります。




新たな集計

 今回のアップデートでは、新たな集計方法を追加搭載しています。人口割と集約化の2つの機能が新たに加わっています。

 人口割とは、国勢調査の人口データで数値を割り、その結果に100,000を掛けて『人口10万対』としました。10万人あたりの算定回数や医療費をデータベースに記録します。

 集約化は、同じ年次・同じコードのデータを集約する機能です。NDBでは入院と外来が別々に集計されるので、同じ診療行為(コード)でも複数存在してしまうので、データを二次活用するには非合理です。
 そこで、診療コードでまとめる機能を備えました。これにより年度別の集計が容易になりました。

集約化前の標準データでは同じ診療行為コードが同年次に複数存在




出力

 画面出力と外部出力の2つの出力機能を備えています。

 標準(生データ)のデータベース、人口割データベース、集約化データベースのそれぞれを切り替えて表示できるデータグリッドビューを備えています。


 データベース名を選択し、データの種別を選択、『表示』ボタンを押すと下図のような一覧表(データグリッドビュー)が表示されます。


 一覧表(データグリッドビュー)はそのままCSVファイルとして出力する機能があります。

 データベースそのものを出力するのではなく、一覧表(データグリッドビュー)を出力することにより、絞込処理後のデータを出力することもできます。



 CSVファイルはExcelファイルとして扱うことができるので、下図のようなグラフを作る事も容易になります。




表示の流動性

 前回までのシステムでは、データ種類別に一覧表(データグリッドビュー)を持っていました。下図のようにタブがそれぞれ用意されています。


 データの種類が多く、集計方法を追加していったためタブが多く鳴り過ぎたので、一覧表(データグリッドビュー)は共用することにしました。

 一覧表(データグリッドビュー)は8個用意し、それぞれに任意のデータを適用できるようにしました。




小数点

 今回のアップデートで小さな変更を加えました。

 前回までは小数点以下を切り捨てていました。技術的に言うとデータ型は Int や Long という整数型を使っていましたが、一部で Double 型に変更しました。

 表示については、Double型の場合には小数点以下第2位まで表示するよう『#,0.00』という指示を加えました。




おわりに

 今回のアップデートでは、コンサルタントとしてデータの二次活用をしやすいように調整を図りました。

 このシステム自体は社外で使われることはないのですが、コンサル先で会話中にデータを示す事ができるように、迅速性や視認性を重視しました。

 他社にはない、弊社独自のデータベースを活用し、質の高いコンサルティングに努めて参ります。