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脳神経外科 | 医療機関減災 | NES株式会社

 医療機関や福祉施設の『減災』についてご紹介するシリーズです。今回は『脳神経外科』にフォーカスします。




  1. 特徴
  2. 脅威
  3. 減災の焦点
  4. 減災実務(想定)
  5. 研修・訓練
  6. 実務経験とコンサルティング



脳神経外科の特徴

 脳神経外科は救急搬送されて来る脳卒中患者の診療から、徐々に身体をむしばむ腫瘍などの診療、脳疾患に特化したリハビリテーションなど急性期から慢性期まで、幅広い時相の診療を担います。

 脳卒中では、救急搬送の時点から診立てを始めており、救急車到着直後は診断をしながら治療計画を立てていくような、スピード感ある診療が行われます。

 CTの順番待ちをしている時間も無いことが多くあるので、救急搬送が決まれば放射線科は臨戦態勢、並行して手術室なども慌ただしくなります。

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脅威

 脳神経外科は画像診断が不可欠な診療科です。超音波診断装置や単純X線装置では診断困難なことが多く、CTやMRIは欠かせない医療機器です。
 すなわち、画像診断に危害が及ぶ因子はリスクです。

 開頭術を行っている最中は顕微鏡で視野を得て、特殊な鑷子や剪刀などを用いて手術を進めます。無影灯であれば懐中電灯などの代替品も想定できますが、顕微鏡は代替困難です。鋼製器具も代替品は少なく、特に脳神経外科専門病院では他科の鋼製器具を保有していません。

 他の医療機関と同様に停電は脅威です。診断も治療も電力を使いますし、特にCTなどは非常に大きな電力を消費します。

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減災の焦点

 脳神経外科の減災においては、診療の時相を分ける必要があると考えます。

 救急を含む急性期と、脳腫瘍など比較的時間の流れが遅いもの、大きな治療を終えたあとの観察やリハビリテーションの時期では、恐れるべき事象が異なります。


超急性期は画像診断

 脳梗塞や脳出血などの発症間もない超急性期では、治療方針を固めるためにも画像診断が欠かせません。

 画像診断を阻害する要因には画像診断装置の故障、電源等の動力源喪失、患者過多(装置不足)、操作者不在などがあります。それらを引き起こす要因があります。

 平時ではない状況下で、自院が対応できる患者であるか判断するところまでが超急性期の仕事になります。


急性期は手術・処置

 脳梗塞治療のための血栓溶解剤、脳出血治療のためのカテーテル、減圧のためのドレナージなど、診断結果に応じた治療が選択されていきますが、それぞれの一連の診療の中で必要なデバイスやエネルギーを同定します。


亜急性期は様子観察

 一連の治療を終えたあとは、回復を待つという時期になります。平時であればリハビリが始まるかもしれませんが、非常時には様子観察だけで過ごす可能性もあります。
 人工呼吸療法や血液浄化療法などが必要な場合、その実施に必要なデバイスやエネルギーを同定します。

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減災実務(想定)

 脅威分析を丁寧に実施する必要があります。

 脳神経外科は特殊性が強くあります。専門特化した診断や治療があり、そこに関わるスタッフや医療機器もユニークです。

 脳神経外科で人工呼吸器を使う患者の多くが、呼吸機能に異常が無かったり人工呼吸器を使うほどの肺の状態ではありません。脳神経の都合から、人工呼吸器による換気補助が必要になっています。
 人工呼吸器に対する危機管理の姿勢が、一般的な急性期病院と異なる可能性があります。

 地域全体を見据えた減災も不可欠要素になります。
 人口100万人規模の二次医療圏であっても、脳卒中疑いの救急患者を即答で受け入れられる医療機関は数軒です。
 自院が診療停止した場合の地域への影響、その逆で地域のどこの医療機関が機能停止した場合に自院にどのような影響が及ぶのか、分析し、対策します。

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研修・訓練

 医療機関やエッセンシャルビジネスに共通して行うべき教育研修メニューを用意しております。

 脳神経外科に特化した図上演習のシナリオなど、専門的な研修や訓練にも対応します。

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実務経験とコンサルティング

 弊社代表(西謙一)は、脳神経外科専門病院での勤務経験があります。また、循環器病の総合医療センターでも勤務経験があります。

 脳神経外科について知らないことも当然ながらありますが、現場で働いていた背景から、言葉数が足りなくても行間が読めるような、そのようなスキルも持ち合わせています。

 脳神経外科を専門とする医療機関のBCP・BCMのコンサルティング実績もあり、弊社が得意とする診療科の1つです。

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ご用命ください

 弊社では医療機関や福祉施設などのエッセンシャルビジネス向けの減災コンサルティングサービスを提供しています。

 補償金などカネで解決することが難しい、生命や健康、倫理など特殊事情に関わる現場に特化した、専門的なコンサルティングを展開しています。

 コンサルタントには臨床経験があります。ある程度は医療用語が理解でき、実務が想像できます。実際、共感を得るような刺さる提案にご好評いただいております。

 これまでに国公立病院、民間病院、災害拠点病院、ケアミックス病院、介護医療院など様々なタイプの医療機関で減災のお手伝いをして参りました。社会福祉協議会や訪問看護ステーション、医療的ケア児・者の患家などにも対応しております。

 減災について、弊社には独自のノウハウがあります。

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