今日の夕刊に『NTT東西 一時通信障害 ネットつながりにくく』と『救急車のピーポー音 神戸から パトカー・消防車と混同解消』という記事がありました。
２つの記事につながりはないのですが、８面の救急車の記事の前に３面の通信障害の記事を読んでいたので、そのときに救急車を思い浮かべたので個人的に２つの記事がつながってしまいました。
今回の通信障害は緊急通報もできなくなっていた可能性があり、救急車を思い浮かべた次第です。
【参考】日本経済新聞：NTT東西 一時通信障害 ネットつながりにくく（2023年4月3日）
【参考】日本経済新聞：救急車のピーポー音 神戸から パトカー・消防車と混同解消（2023年4月3日）
平均して1時間に700件
2021年（令和３年）の救急出動件数は619万6,069件、搬送人員549万3,658人でした。
非常に単純な計算ですが、620万件÷365（日）÷24（時間）は約700件／時間です。
平均して1時間に700件の救急出動があり、深夜は通報件数が少ないので、通信障害が起きていた時間帯は1時間あたり1,000件を超える時間帯かもしれません。
1分あたり12件の救急出動であるとして、全国に救急車が6,000台くらいあるので500台に1台が毎分出動している計算になります。
【参考】総務省消防庁：『令和４年版 救急・救助の状況』の公表（2023年1月18日）
【参考】時事メディカル：２２年の救急出動、過去最多＝「１１９番の適正利用を」―東京消防庁（2023年1月17日）
【参考】神戸新聞：神戸市消防局の22年救急出動と119番件数、過去最多に 「#7119」の利用呼びかけ（2023年3月3日）
毎時13％が出動
2022年4月1日現在の救急隊数は5,328隊、1時間平均で見ると13％が出動していることになります。
救急出動の65.5％が『急病』、15.6％が『一般負傷』であり、この２つで500万件近くになります。
現場到着所要時間は全国平均で9.4分、病院収容所要時間は42.8分でした。
通報を受けてから現場を経由して病院に収容するまで40分以上かかっており、病院では何らかの手続きがあり、そこから一般車両と同じサイレンを鳴らさない状態で帰署すると1回の出動で1時間くらい費やすことになります。
1時間に13％が出動しているとなると、残る87％で運用している瞬間があり、そこから次の出動があるので救急隊の忙しさがわかります。
固定電話世代
搬送人員の61.9％、約340万人が高齢者であり、スマートフォン等の普及率が比較的低い世代であるため、固定電話へ依存している世帯もあると思います。
今回のNTT東日本、NTT西日本の通信障害はフレッツ光などの固定回線で起こったものであり、光回線が使えなかったとすると固定電話も使えなかった可能性があります。
火災は12.5％がNTT加入電話
救急出動件数は619万6,069件でしたが、おそらく交通事故などは複数通報されるケースもあると思いますので119番通報はこれ以上あると思います。
119番には火事の通報もありますので非常に多い通報に対応していることになります。
消防白書によれば、出火件数35,222件に対し、119番通報が占める割合は69.7％であり、全体の通報の50.7％が携帯電話からの119番通報でしたが、次に多いのがNTTの加入電話で12.5％あったそうです。
119番以外の方法でもNTTの加入電話が使われており、2.9％が該当するそうです。
110番通報も同等に多い
110番通報も119番並みに多い緊急通報です。
119番通報に比べると生命に直結する事案は少ないと思いますが、近年報道が多い強盗は一刻を争う事態かもしれませんし、振り込め詐欺などもリアルタイムで動かなければ財産を失う恐れがあります。
以前の停電を思い出す
以前、大規模な停電に見舞われたときに『誰も連絡をして来ないので対応しなかった』と話す、ある機関の人が居ました。
広域的には300万軒の停電、市内など地域を絞ってもほとんどの広範に停電しており、よくあるコードレス電話やFAX付電話機は使えませんし、光回線なども使えない状態でした。
あとでわかりましたが、電話をしなかったのではなく、電話が出来なかった人が多かったのです。
所在地の番地がわかっても信号がダウンしているので車は使えない、バスは運休しているということで外出もままならない状況でした。
このようなときに火事場泥棒のような人と遭遇しても危険ですし、119番で要請すべき救急や火災があっても困ったと思います。