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地震災害地域マネジメント  | NES’s blog

 

 大地震が発生した際に、様々な災害マネジメントが実施されます。我々一般国民が口出しできるところではないので基本的には受け身ですが、どのような課題が発生し得るかを知る事で、その課題に先回りして備蓄するといったことに役立つかもしれません。

 弊社では医療機関や高齢者施設など、発災後も休めないエッセンシャルなビジネスを展開する事業者様にコンサルティングサービスを提供している背景から、行政の動きを把握し、また過去の災害を検証して備えを進めています。




栄養

 栄養はフェーズ毎に見直しや切替が必要です。

 発災当初72時間は、生きるために必要な栄養として、食べられれば何でも良いと考えても差し支えないと思います。

 72時間を超えて1週間から10日程度は一汁三菜を目指す時期、発災半月後には弁当配給も終えて通常食へ移行する時期であると考えられます。

 発災半月後には運動や栄養に関する医師や保健師の介入が必要な時期でもあります。
 平時であれば働いていたり、出掛けていたりする時間も、非常事態に沿った生活に変わっているため、運動量が劇的に変化する人が多く居ります。
 また、発災から2週間の内に食べた物の中には高塩分食が多くあると思います。東日本大震災では魚肉ソーセージとマヨネーズの組合せに嵌った人も居り、高カロリーな食に慣れてしまったというエピソードもありました。

 野菜不足は発災3日目には感じ始めるようです。
 野菜ジュースのドネーションは各地で行われますが、体系的な提供体制ではないため、毎食、全員に行き渡る訳ではないので、プッシュ型で用意される食には野菜ジュースは必須ではないかと思います。

 白飯の用意ができる頃には、炊飯する時点で、炊飯に用いる水にサプリメントを混ぜて提供する取り組みが東日本大震災では実施されていました。


Keyword

  • 非常食
  • 保存水(真水)
  • 子供用ミルク
  • 野菜ジュース
  • サプリメント
  • 菓子
  • 炊き出し
  • キッチンカー
  • 賞味期限




感染対策

 感染をしない、広げないための対策が必要です。

 専門的なことではなく、手を洗う、飛沫を飛ばさないようにマスクをするといった基本的なことです。


Keyword

  • アルコール消毒液
  • 次亜塩素酸ナトリウム




環境衛生

 感染対策とも共通する部分が多いですが、環境衛生は重要です。

 ゴミの処理も重要です。


Keyword

  • 簡易トイレ
  • 次亜塩素酸ナトリウム
  • 洗濯機・乾燥機




排泄物

 上下水道が停止してしまうことで、排泄が危機的状況に陥ることがあります。

 今どき、バキュームカーを使うお宅も少ないので、全国からバキュームカーを集めたとしても大した数にならない可能性があります。


Keyword

  • 仮設トイレ
  • 洋式トイレ
  • 簡易トイレ
  • し尿処理




遺体

 遺体の安置に関する課題が山積します。

 身元確認ができない遺体については、警察などによる観察や記録が行われるまで時間を要することが想定されます。

 寝台車や霊柩車の台数が足りないため、貨物車で運搬することも想定されます。
 遺体を運搬する際には体液の漏出への対応が必要です。遺体を傷つけないように運搬する配慮も必要です。倫理や尊厳への配慮も必要です。遺体を運搬したというレッテルを貼られてしまった車両で食品などを運ぶことは難しくなるかもしれないので民間の車両を使用する場合には特別な配慮が必要です。

 火葬場が使えない中でいかに対応すべきか、行政とも密な相談が必要です。


Keyword

  • 斎場
  • 葬儀屋




通信

 300人以上が避難している避難所を1つの目安に通信の応急措置が行われる可能性があります。

 ある程度の大きな避難所などの通信がカバーされると、ようやく200人規模、100人規模と人数が少ない避難所にも通信が行き届くようになりますが、これには数日かかります。

 当面の間は掲示物を見て情報を得るというアナログな、原始的な方法に頼らざるを得ない可能性があります。


Keyword

  • 携帯基地局
  • スターリンク
  • 発電機
  • 停波




医療

 保険証は不要で診療を受けられる可能性があります。

 そもそも、医療機関も被災するので平時の医療を望む事は難しく、重病の人は広域避難を検討する必要があります。


Keyword

  • 保険証



燃料

 燃料は3日程度は給油困難と思っておいた方が良いと思います。

 ガソリンなどの所掌は経済産業省および資源エネルギー庁です。
 それを運搬する道路は国道であれば国土交通省、都道府県道であれば都道府県、市町村動であれば市町村が管理します。

 タンクローリーは被災地外からも調達できるため3日目には手配されると思いますが、ガソリンスタンドまで運べるかが難しいところです。

 プロパンガスや都市ガスも構図は同じです。


Keyword

  • ガソリンスタンド
  • 経済産業省/資源エネルギー庁
  • 道路啓開




道路

 国道は国土交通省の責任で啓開に務めてもらえると思います。

 自治体が管理する道路について『復旧』については国土交通省や自衛隊が対応してくれる可能性があります。


Keyword

  • 道路啓開




農業

 農業は発災数日内に被害状況の把握が行われます。

 農業用水の管理については、大量に漏れ出ると洪水を起こす恐れもあるので用水路の点検が行われます。異常を発見したら早めの連絡が必要です。

 家畜が逃げ出すこともあるので、そのような異常も発見したら早めの連絡が必要です。


Keyword

  • 排水用ポンプ




激甚などの指定

 行政区画で『ここまで!』と仕切られて激甚指定されますので、激甚指定を受けた自治体は比較的早い復旧が行われます。

 激甚指定を受けられなかった隣町では復旧に時間がかかる可能性があります。


Keyword

  • 激甚災害