医療的ケア児は2万人以上と言われていますが、我々の調査ではおそらく年々増加していると思います。
人口減少時代、特に子供が減っている時代に反して医療的ケア児が増えているということは、相対的にも、絶対的にも増えているということになります。
一方で、病気や障害を持つ子供たちについて知る機会や学ぶ機会は少なく、自治体の職員でも、学校の先生でも、詳しい人は少ないと思います。
救援を求める事が難しいとすれば、自衛策が必要になります。そのあたりを考察していきたいと思います。
- 患家BCPを研究
- 過度に期待しすぎない公助
- サプライズ的な共助
- やはり自助
- 自宅避難(留まる)
- 過ごす
- 自家電力
- 非常電源ハイブリッド
- 自宅離脱(動く)
- 情報はゼロではないが…
- 災害時の収容先
- 小括
- ガイドブック・マニュアル
- 資料
- 報道
- 文献
- おわりに
患家BCPを研究
筆者は患家BCPの研究をしています。
今年は学会で優秀演題賞をいただきました。
その演題名は『医療的ケア児の患家BCP策定支援と療養住環境最適化』です。
弊社としても医療的ケア児の災害対策にコミットメントしています。
今回は、これまでに得た知見をもとに、考察しています。
過度に期待しすぎない公助
災害が起きても救急車で搬送してもらい、安全な施設で保護されれば一件落着です。
信号が全て消灯していても、緊急車両に先導してもらえれば目的地までの所要時間は平時の数倍程度で到着できると思いますので、自家用車にお出掛けセットを積んで移動することもできると思います。
こうした公共インフラを利用できれば良いのですが、発災時の収容先を探すことすらままならない可能性があります。
都道府県や市区町村には『地域防災計画』があります。
住民のほとんどが健常者であることから、まずは一般市民向けの計画が策定されることは理解ができます。
住民の25~30%ほどが高齢者であるため、優先して対策されいてる自治体が多くあります。
救急搬送や消防は自治体の仕事であるため、負傷者向けの計画も策定されています。市町村における負傷者は数百から数千人が想定されています。
死亡届や遺体安置なども自治体の仕事であるため、死者向けの計画も策定されています。市町村における死者は数十から数百人が想定されています。
さて、医療的ケア児ですが住民の0.01%ほど、1万人に1人ほどの住民で、自治体が把握できていない可能性もある医療的ケア児について詳細に計画している地域防災計画は存在しないのではないかと思います。
自治体に改善を求めても、実現するまでに時間を要する可能性があります。また、個々の病態に合った備えをして頂けるとも限りません。
公助を期待していたがあてが外れ、行き場を失い、患者を生命危機にさらすことになってはマイナスばかりです。仮に行政側に計画があっても実行できるとは限らない、過度に期待はしない、自らの療養生活において役立つ備え、足りない備えを知る事で『正しく恐れる』ことが患家BCPの基本です。
神奈川県川崎市の例
神奈川県川崎市では、三菱自動車製のプラグインハイブリッド車(PHEV)を『大規模災害発災による停電時の緊急対応』として『人工呼吸器を使用している医療的ケア児者』に対し『医療機器の外部バッテリーへの充電』ができると発表しています。
事前登録(申込)が必要ですが、これについては問題ないと思います。
充電できる機材が人工呼吸器の外部バッテリに限定されているのも仕方ないと思います。おそらくこれは、PHEV側が『医療機器には使えません』などと謳っているためだと思います。
車両設置場所は川崎駅近くの川崎区日進町、川崎市立井田病医院に近い中原区井田、百合ヶ丘駅に近い麻生区百合丘の3地点です。
川崎市は東西に33kmもある広大な面積ということも課題ですが、この車両設置場所は坂の上にあるということが課題です。
停電中ということは、信号機も消灯し、緊急車両ですら移動に時間がかかります。自家用車で何キロも移動することは絶望的かもしれません。
交通網が発達した川崎市内ですので自家用車を持っていない患家も多いと思います。
人工呼吸器を積んだ車椅子を、患家から電源ステーションまで押していくだけでも大変ですが、これだけ急な坂道となると更にハードです。瓦礫が散乱しているかもしれないので、車椅子がパンクしたら絶望するかもしれません。
施策としては優れていますので、ラストワンマイル、実際の利用者が現場に行けるのかどうかを考えて、貰えるとありがたいなと思います。
患者とそのケアラーの皆さんも、平時に何度か移動訓練を実施して頂き、移動に係る障壁や所要時間などを把握して頂けると、より確実性が増すと思います。
【参考】川崎市:医療的ケア児者への発災時の電源確保事業について
鹿児島県鹿屋市の例
鹿児島県鹿屋市では、医療的ケア児とその家族に対し、災害時のホテル宿泊費を補助する制度を設けています。
これにより、迷うことなくホテルに逃げ込むことができると期待されます。
少し見直して欲しいなと思う点がいくつかあります。
1つ目は医療的ケア児の定義です。
- 日常的に医療的ケアが必要なお子さま
- 18歳未満又は18歳以上で特別支援学校などに在籍するお子さま
年齢制限が『18歳未満』を第一の定義、18歳以上でも支援学校等に在学中であることが条件です。
医療的ケア児については、年齢で輪切りすることは難しい部分があり、20歳を過ぎても小児科が診ていることもあります。
2つ目は対象状況です。
- 居住地に警戒レベル3「高齢者等避難」以上の避難情報が発令された場合
警戒レベル3が出てからの医療的ケア児の避難は相当に難しいです。特に暴風雨の中で人工呼吸器等の電子デバイスを装着して移動することは、かえって生命を危険にさらしかねません。
では、荒天の予報が出たら予防的にホテルへ行けばよいではないかとなると、費用がボトルネックになります。
3つ目は補助費用の上限です。
- 1人につき1泊5,000円以内
- 食事代や入湯税、交通費は除く
- 宿泊時には一旦、宿泊料を自己負担
- 医療的ケアを必要とするお子さまと、別室に宿泊されたご家族の宿泊費は助成対象になりません
仮に明日(6月13日)に指定のホテルの1つであるホテル大藏に親子2人で泊まろうと思うと、1室2名利用で1人1泊10,000円です。補助が1人5,000円なので、家族2人で1泊あたり10,000万円の持ち出しになります。
コロナ禍で実施された旅行割引であれば上限は理解できますが、災害時の市内指定ホテルへの宿泊であれば、タクシーチケットのようにホテルが市へ請求するような仕組みにしておいて貰えると、迷うことなくホテルへ向かえるかなと思います。
もし、シングルルームしか空いていなかった場合、患児と別室を取ってしまうと補助対象になりません。
見たところ、シングルルームが中心のホテルが多いようですので、ツインが空いているかわかりません。
ふかふかのベッドや、背中を起こせないようなベッドでは気管が狭まって呼吸が上手くできない児の場合、ベッドを持ち込みたいところですが、簡易ベッドすら置くスペースがないかもしれません。
既に実施されているかもしれませんが、患児を連れてホテルにお試し宿泊できると良いなと思いました。
ホテルはさほどコンセントは多くありませんし、1室あたりの容量も大きいとは言えません。
そもそも、非常電源を設備しているかどうかも、確認しないと避難した先で停電に遭い、エレベーターは使えず、非常階段からは患児を下ろせないなどということもあり得ます。
訓練、大事です。
自宅被災を想定して、同じ市内のホテルに限定している、これではいずれも被災地になるので、遠方のホテル、例えば災害拠点病院に近いホテルへの宿泊も認めて貰えると良いなと思いました。
非常に前向きな制度ですので、他市で真似るときはぜひ、広域のホテルに、自己負担なく泊まれるようにして頂けると良いなと思います。
【参考】鹿屋市:日常的に医療的ケアが必要なお子さまとそのご家族の災害時避難推進事業
サプライズ的な共助
昔は『隣保協同』といって『向こう三軒両隣』『五人組』の流れをくんだ、地域コミュニティによる互助が当たり前のように存在しました。
現在では、お隣さんの名前も知らないという人も少なくないほど近隣の結びつきは薄れています。
それでいても、医療的ケア児が居るお宅について、気にかけているご近所さんは皆無ではないかもしれません。
発災時、見知らぬ近所の人が声を掛けに来るかもしれません。
実際、地震で倒壊した家屋から救助されたエピソードでは、近所の見知らぬ人たちの即席救助チームであったということも少なくありません。
全国に自主防災組織が形成されていますが、その目的が在宅医療のためではないため、どのようなサポートを受けられるかわかりません。
患家と自主防災組織がコミュニケーションを取っておくと良いのですが、あまり現実的ではありません。
期待できないかもしれませんが、共助もあり得るということを想定しておくと良いと思います。
やはり自助
公助や共助がゼロではないと理解できますが、役所の職員も、近所の方々も、皆が被災者であるとすれば、患家に100%コミットメントしてもらえるということは無いと思います。
患家に100%コミットメントできるとすれば、患家の住民、すなわち患者家族だと思います。
患家にある食料は、患家で全量消費しても誰にも怒られません。
患家にあるバッテリを、患家で全量消費しても誰にも怒られません。
自宅避難(留まる)
災害の種類や患者の病態にもよりますが、むやみに移動するよりは、自宅に留まることが安全につながる可能性があります。
信号が真っ黒になると交通渋滞が発生します。グリッドロックのように全く動けない状態になっても携帯電話が使えなければ、救助を呼ぶことも難しくなります。
立ち往生が12時間も続いたとき、その間にはトイレにも行きたくなりますし、患者によっては喀痰吸引など生命維持に関わる処置が必要になるかもしれません。
過ごす
医療的ケア児とともに家で過ごせるように備えることが患家BCPの基本です。
必要なものは食料、飲用水、電力の3点が基本になると思います。
過去の災害を見ると指定避難所へ行けば発災当日から備蓄食が提供され、3日目には救援物資が届いています。
しかしながら、令和6年能登半島地震では孤立地域が点在し、その把握に時間を要したこともあり、3日目でも救援が来なかった地域もあります。
今後予想される南海トラフ巨大地震でも救援に時間を要する可能性があります。
食料と飲用水は患者と家族の分が必要です。1週間分は確保しておくと良いです。
自家電力
電化された医療機器を使う必要がある患児が居る場合、栄養よりも前に電力が必要になります。
平時は外から買えば済む電力も、災害時には調達困難になります。
電力の調達方法は、電力が存在するところまで移動するか、自前の電力を使うかの二者択一になります。
そこで使われるのが発電機や蓄電池です。
発電機のメリットは、燃料さえ補給できれば何時間でも動作し続けられることです。
欠点としては燃料備蓄が必要であること、排気ガスやエンジン音など周囲に影響を及ぼすことなどが挙げられます。
安全性については、ガソリンは取扱いを誤れば危険と言えますが工事現場など毎日何千台も使われていて事故の報道がないことから、取扱い方次第だと思います。カセットガスボンベを燃料とするタイプは液漏れなどは起こりませんし、使用中のボンベを外さないと新しいボンベを取り付けられないため、給油中の事故が発生しづらくなっています。
蓄電池のメリットは、スイッチを入れれば電力供給が始まること、その際の騒音や振動がないこと、ゆえに車に積んでも使用しつづけられることなどが挙げられます。
欠点としては、バッテリが尽きた時点で給電が停止、何らかの方法で電力調達が必要になることです。
ホンダ(Honda)発電機 エネポ EU9iGB 900VA
定格交流出力は交流100V、0.9kVAです周波数は50/60Hzの切替ができるので東日本でも西日本でも使えます。エンジンは50ccほどですが、消音機(マフラー)が無いので原付バイクよりはうるさいです。実際に停電時に使いましたが、非常時なのでご近所からクレームが出るような感じではなかったです。事業所にある大型発電機のほうが爆音で、相当な広範囲に鳴り響いていました。 |
LACITA ポータブル電源 120000mAh/444Wh
大容量でありながら小型の蓄電池です。実際に使用しましたが、波形もきれいで様々な機器を動かすことができています。 |
Jackery ポータブル電源 1000 (ソーラーパネルセット)
Jackeryは米国のバッテリメーカーです。黒とオレンジのデザインが印象的です。様々なサイズをラインアップしています。 |
大橋産業(BAL) 3WAY正弦波インバーター 400W
DC12VをAC100V/DC12V/DC5Vに変換して出力します。容量は400Wです。1.5mのケーブルが付属しています。 |
非常電源ハイブリッド
生命維持に関わる電化医療機器を使用する場合、その電源については本体内蔵電池、発電機、蓄電池の3つを組み合わせるハイブリッド型がお勧めです。
筆者が学会発表したスライドでも示したのですが、内蔵電池・発電機・蓄電池を使う順番にも意味があり、どのタイミングでどの電源を利用するかによって3日以内に電源が尽きる場合もあれば、1週間経っても電源が確保できている場合があります。
どの組み合わせが、どのような結果をもたらすかについては弊社でシミュレーションシステムを開発しましたので、ご利用をご希望の場合は、かかりつけの医療機関にお問合せください。
自宅離脱(動く)
食料、飲用水、電力、療養住環境に欠かせない何かが底を尽きると予想されたとき、底を尽きる前に自宅から離れる必要があります。
それまでに行う事は、以下のような調査や分析です。
- 療養住環境に不可欠な要素の枯渇時期予測
- 枯渇した要素を補充できる場所の候補
- 補充場所までの移動手段と所要時間の予測
- 生命危機となる期限
これは、簡単なことではありません。
そこで、役立つのがBCP(業務継続計画)です。
患家での『業務』は発災後にやらなければならないこと全てです。患児のケアに限らず、ケアラーの食事やトイレも業務です。
業務を想定し、それぞれに必要となるリソースを洗い出し、まとめておくことで、この自宅離脱の判断が精緻化されます。
弊社では、患家BCP策定のサポートをしています。
情報はゼロではないが….
災害マニュアル的なものを見るとテレビやラジオ、インターネットで情報を収集しましょうという記述が見かけられます。
ラジオを持っていると良いというのは昔の話、非現実的かもしれません。
今はインターネットによる情報収集に慣れた人が多く、発信する側もマスコミとはつながりを持って居らず、独自のネット配信方法を確立している場合があります。
能動的な情報収集手段はネット、対してテレビやラジオは受動的とも言えます。
欲しい情報が手に入らないかもしれないが、取得しようと思っていた情報とは異なる重要情報が入ってくるかもしれないのがラジオやテレビです。
2024年元旦の能登半島地震では、石川や新潟などに居た人は大きな揺れを感じたと思います。震度4程度はかなり広域になりましたので地震速報を気にした人は多かったかもしれません。
津波警報は、その情報を欲しくてテレビをつけている人は少なかったかもしれません。津波の恐れがある地域では早々に避難を始めていたと思います。
正月なのでテレビをつけていたという人は多かったと思いますが、津波警報が出るのかどうかを待っていた人は少ないと思います。
NHKは速報体制に入りましたが、他局はだいぶ遅れての速報体制です。
津波の情報が数時間続き、あとはテレビカメラが入れた地域の情報を繰り返し放送するだけでしたので、自身の知りたい情報が手に入ったという人は少ないと思います。
誰にとって重要な情報であるか基準はわかりませんが、ラジオ放送の内容は全般的な情報が多くあります。
あるいは、災害のニュースは放送されずに平時の番組が放送され続けることもあります。
患家に必要な情報はテレビ、ラジオ、ネットのいずれにも無いかもしれません。
例えば、あと何時間後くらいに停電は解消されるのか、そもそも解消される見込みはない停電なのか、そういった情報は入ってきません。
個別の病院の被災状況もわかりません。
福祉避難所が開設されたのか、医療的ケア児は受け入れてもらえるのか、そういった情報も市役所ウェブサイトなどに掲載されるのはだいぶ経ってからということが多いです。
災害時の収容先
医療的ケア児が自宅を離れてどこかに収容してもらおうと考えた時、どこへ行くべきでしょうか。
福祉避難所の基本ルールとして、福祉避難所を利用すべきであるというレッテルを貼ってもらう必要があります。その手続きのために指定避難所に行く事になりますが、誰が、何を基準に判断するのか明確ではありません。
寝たきりで食事介助などが必要な独居高齢者と、多少は動けて食事は経管栄養である母親同伴の医療的ケア児が居た時、どちらか1人を選べと言われると、どうなるでしょうか。
仮に福祉避難所へ行ったとして、どのような設備があり、どのようなケアが受けられるでしょうか。
福祉避難所がダメでも、病院なら良いのではないか、診療所でも一定の保護をしてもらえるのではないかと期待されるかもしれません。
医療機関では、発災時に入院していた患者の保護が優先されるため、入院病床の8~9割は発災時点で埋まっていると思います。
残るベッドを誰に提供するかの判断は難しいです。
ここにも自助があると、受入先を確保しやすくなると思います。
例えば大型発電機を有している民間幼稚園があったとします。発災時には閉園(休業)していますが、そこに収容してもらえるように平時から約束をとりつけていれば、かなりの確度で受入先を確保できます。もちろん、園関係者も被災者である可能性が高いため100%とはいきませんが。
小括
医療的ケア児が居る患家の災害対策で、最も重要なことは患児とケアラーの生命維持です。
発災時にケアラーである親1人、患児である子1人の状態であれば、ケアラーが倒れれば患児も共倒れする恐れがあります。
最後まであきらめない、不屈の精神は重要ですが、困難な状況に直面する前に次々と策を打っていくことの方が『無事』という目標達成には重要です。
公助があれば、それを頼ることで災害時の大きな山場を越えられると思います。しかしながらそれは、確実なものではないため、公助がない場合を想定しなければなりません。
自助として、自宅に待機しつづけることを想定し、相応の備えをしておくことが重要です。その上で、備えが尽きてしまう前に次の行動に出るためには、以下のような予測を立てる必要がありました。
- 療養住環境に不可欠な要素の枯渇時期予測
- 枯渇した要素を補充できる場所の候補
- 補充場所までの移動手段と所要時間の予測
- 生命危機となる期限
移動に6時間かかるのに、電源が3時間しか残っていないとなると、移動中に代替手段を講じなければならない、その代替手段に時間を費やしてしまい、移動時間が延長するようであればさらに深刻な状況が迫ることになります。
患家BCPを策定しておくことの重要性が示唆されたように思います。
この先、行政などが示す資料を列挙します。自治体などがどのように想定しているのか、その備えで患児の生命は守られるのか、自身の療養住環境に置き換えてご検討いただければと思います。
ガイドブック・マニュアル
こども家庭庁:保育所における医療的ケア児の災害時対応ガイドライン(2024年3月)
福島県郡山市:医療的ケア児と保護者向け 災害時対応ガイドブック(2024年3月)
茨城県つくば市:医療的ケアを必要とする方と家族のための「災害時ガイドブック」「災害時対応ノート」(2023年7月13日)
千葉県市川市:医療的ケアを必要とする方と家族のための「災害時対応ガイドブック」「災害時対応ノート」(2023年2月21日)
千葉県香取市・神崎町・東庄町 医療的ケア児等支援協議の場:医療的ケア児等防災ハンドブック
神奈川県相模原市:医療的ケアが必要なお子さん・重度の障害のあるお子さんとそのご家族のためのハンドブック(令和3年度発行版)(2022年9月6日)
岐阜県:医療的ケア児等災害時電源確保ガイドブック(2021年12月)
三重県小児科医会 小児在宅検討委員会 周産期委員会:『災害時対応ノート』作成のための小児在宅医療的ケア児 災害時対応マニュアル(2022年9月6日)
兵庫県:「医療的ケア児災害対応サポートハンドブック」について(2018年3月16日)
鳥取県:医療的ケアを必要とする方のための「災害時にも使える対応ノート」
岡山県:医療的ケア児・者のための医療的処置情報・持ち出し品リスト
倉敷地区重症児の在宅医療を考える会:医療的ケア児のための防災マニュアル(2020年1月)
広島市健康福祉局障害福祉部障害自立支援課:医療的ケア児と御家族のための災害時対応ガイドブック ~平常時の備え在宅編~(2023年3月)
徳島県藍住町:医療的ケア児のための災害時サポートハンドブックについて (Wordファイル)
徳島県板野町:医療的ケア児のための災害時サポートハンドブックについて(2024年6月4日)
大分県別府市防災局防災危機管理課:医療的ケアが必要な人と家族のための災害時対応ガイドブック [支援者版](2022年3月)
資料
医療機関
国立成育医療研究センター:緊急時(災害・事故などの発生時)のための成育医療情報ポータル
済生会 ソーシャルインクルージョンを考えるWebメディア:普段の生活も、もしものときも。医療的ケア児は地域で支える
支援機関
東京都医療的ケア児支援関係機関連絡会:「医療的ケア児の災害対応に関する調査」概要とその結果について(2020年)
一般社団法人神奈川県訪問看護ステーション協議会:医療的ケア児に係る災害対応等の調査研究結果及び自治体の取組事例集について
こども訪問看護ステーションてとめと:医療的ケア児等災害時電源確保ガイドブック
和歌山「医療的ケア」を必要とする子どもたちの教育と生活を考える会:重心・医療的ケア児者の家族、支援者のための防災講演会(2024年6月2日)
倉敷地区重症児の在宅医療を考える会:医療的ケア児のための防災マニュアル(2020年1月)
広島県ここすまネット:「医療的ケア児の災害対策 避難と避難所を考える」をzoom視聴しました
徳島県医療的ケア児等支援センター(徳島赤十字ひのみね医療療育センター):医療的ケア児者の災害時の支援についてのお知らせ(2024年6月3日)
行政・省庁
厚生労働省:事例集 『医療的ケア児支援センター』やその機能の一部を担いうる専門人材の配置等に係る自治体の取組について
こども家庭庁:保育所における医療的ケア児の災害時対応ガイドライン(2024年3月)
総務省:医療的ケア児とその家族に対する支援に関する調査 ー小学校における医療的ケアの実施体制の構築を中心としてー<結果に基づく通知>(2024年3月8日)
総務省:医療的ケア児とその家族に対する支援に関する調査, 4.在校時における発災への備えの状況
自治体
福島県郡山市:医療的ケア児の災害対応について(2024年3月29日)
福島県郡山市:医療的ケア児と保護者向け 災害時対応ガイドブック(2024年3月)
茨城県つくば市:医療的ケアを必要とする方と家族のための「災害時ガイドブック」「災害時対応ノート」(2023年7月13日)
千葉県市川市:医療的ケアを必要とする方と家族のための「災害時対応ガイドブック」「災害時対応ノート」(2023年2月21日)
千葉県香取市・神崎町・東庄町 医療的ケア児等支援協議の場:医療的ケア児等防災ハンドブック
東京都足立区議会:医療的ケア児や重症心身障害児の災害対策に関する陳情(2019年9月10日)
東京都江戸川区:医療的ケア児や重症心身障害児の災害対策に関する陳情(2020年8月25日)
東京都品川区:在宅で人工呼吸器を装着されている方とご家族のために災害時の備え ~医療機器の電源確保の理解~
東京都世田谷区:ふるさと納税で医療的ケア児ときょうだいにキャンプを贈ろう
東京都多摩市:多摩市医療的ケア児(者)連携推進協議会 令和3年度第3回 要点録
神奈川県川崎市:医療的ケア児者への発災時の電源確保事業(2024年6月7日)
神奈川県相模原市:医療的ケアが必要なお子さん・重度の障害のあるお子さんとそのご家族のためのハンドブック(令和3年度発行版)(2022年9月6日)
新潟県村上地域振興局健康福祉部:医療的ケア児の災害時避難における課題について
富山県:令和元年度「富山県における在宅の医療的ケア児等実態調査」
岐阜県:医療的ケア児等災害時電源確保ガイドブック(2021年12月)
岐阜県:医療的ケア児等災害時電源確保ガイドブック(2021年3月)
静岡県静岡市:医療的ケアを必要とする方へ~【災害への備え】静岡市医療的ケア児等支援協議会の支援について~(2024年2月21日)
三重県小児科医会 小児在宅検討委員会 周産期委員会:『災害時対応ノート』作成のための小児在宅医療的ケア児 災害時対応マニュアル(2022年9月6日)
滋賀県大津市:医療的ケア児者の災害時の電源確保について考える研修会を開催しました!(2024年3月11日)
大阪府吹田市:行政のお知らせ〔市報すいた 令和6年(2024年)6月号〕
兵庫県:「医療的ケア児災害対応サポートハンドブック」について(2018年3月16日)
兵庫県尼崎市:人工呼吸器非常用外部バッテリーの購入費用の助成について(2024年5月20日)
鳥取県:医療的ケアを必要とする方のための「災害時にも使える対応ノート」
広島市健康福祉局障害福祉部障害自立支援課:医療的ケア児と御家族のための災害時対応ガイドブック ~平常時の備え在宅編~(2023年3月)
広島県福山市:医療的ケア児のための防災マニュアル(2021年7月)
徳島県医療的ケア児等支援センター:災害時対応ガイドブック ~在宅で医療的ケアを必要とする方へ~(2024年5月)
徳島県藍住町:医療的ケア児のための災害時サポートハンドブックについて (Wordファイル)
徳島県板野町:医療的ケア児のための災害時サポートハンドブックについて(2024年6月4日)
徳島県松茂町:医療的ケア児のための災害時サポートハンドブック(2024年5月31日)
佐賀県武雄市:医療的ケア児の避難訓練を実施(2022年10月14日)
長崎県立学校ホームページ:小児在宅医療的ケア児 災害時対応マニュアル
大分県別府市防災局防災危機管理課:医療的ケアが必要な人と家族のための災害時対応ガイドブック [支援者版](2022年3月)
宮崎県延岡市:令和6年度6月議会に提案する補正予算案について, 医療的ケア児等のショートステイ
鹿児島県鹿屋市:日常的に医療的ケアが必要なお子さまとそのご家族の災害時避難推進事業
報道
ABA青森朝日放送:「医療的ケア児」災害時の課題は… 弘前市で初の避難訓練 医療機器を移動して避難所で使用できる?(2024年5月17日)
ATV 青森テレビ:「医療的ケア児」と家族を対象にした避難訓練 約600m先の避難所までに30分以上…重い機械を運びながらの子どもの顔色や体調確認など 様々な課題(2024年5月16日)
NHK:医療的ケアが必要な子ども 災害時の避難を確認する訓練 弘前(2024年5月16日)
NHK:「医療的ケア児」の災害時の備えは 保護者や専門家が話し合う(2024年3月17日)
毎日新聞:災害時、我が子の命は 「医療的ケア」が突きつける現実と矛盾(2024年3月9日)
産経新聞:「医療的ケア児」災害時支援を 保護者らイベント、連携の大切さ再確認(2024年2月11日)
信濃毎日新聞:医療的ケア児、災害時に支援を 大阪で保護者らイベント(2024年2月11日)
埼玉新聞:大災害時「どうにもならない」 停電、移動、避難生活…医療的ケア児の保護者から不安、行政の支援求める声(2024年1月9日)
Yahoo!ニュース:電源喪失は〝命のカウントダウン〟医療的ケア児と地域で災害に備える 7割の家族が「不安」、対策に自治体間で格差も(2023年9月1日)
琉球新報:いのちの現場、停電の影響深刻 医療的ケア児、電気が「命綱」 高齢者施設、エアコン使えず「蒸し暑い」(2023年8月2日)
日本経済新聞:人工呼吸器使う「医療的ケア児」の災害避難へ指針 国、自治体の計画作り後押し 電源確保「平時の備えを」(2023年7月31日)
静岡新聞:医療ケア児、災害避難支援の指針 人工呼吸器電源必要、政府策定へ(2023年7月15日)
山陽新聞:医療ケア児、災害避難支援の指針 人工呼吸器電源必要、政府策定へ(2023年7月15日)
北國新聞:医療ケア児、災害避難支援の指針(2023年7月15日)
カンテレ:たん吸引欠かせず「医療的ケア児」母親の思い「みんなと一緒に保育園に」…支援法施行も受け入れには自治体間で格差(2021年9月21日)
日本経済新聞:医療ケア児 災害に備え 自治体、支援冊子や相談窓口(2021年8月3日)
文献
東北大学災害科学国際研究所:医療的ケア児・者と災害 あおぞら診療所 ほっこり仙台 田中総一郎
埼玉医科大学総合医療センター小児科 森脇浩一:在宅医療・医療的ケア児と災害(小児保健研究)
東京都立小児総合医療センター 在宅診療科 冨田直:医療的ケア児の災害対策について(公立病院の持つ役割について)(2020年4月)
日本小児科学会緊急企画:令和6年能登半島地震~医療的ケア児に対する災害時のpreparednessを考える~(2024年4月21日)
中村加奈子: 医療的ケアを要する在宅療養児の親の災害対策における文献的考察, 福岡看護大学看護学部 紀要委員会, 看護と口腔医療 3 (1), 126-132, 2020-02
おわりに
今回は、増加の一途にある医療的ケア児についてまとめてみました。
ネット情報を探ってみての感想は『バラバラ』です。
情報が多いのは良いですが、統一感がないので、これを分類してまとめていく必要があるなと感じました。
その背景にあるのが、医療的ケア児の個別性だと思います。
筆者は『療養住環境』の最適化を目指して研究と生業を並行していますが、住環境に2つと同じものが無いように、療養環境も十人十色といった感じです。病院であれば、病室もベッドも標準的、施設が違っても大差はないと思います。
この個別性に対して医療、患者、家族、行政、建築、支援者などが、ぞれぞれの立場で関わることで良いアイディアが生まれても、それをまとめて、均霑化する動きが足りていないために、どこかのローカルで埋もれているかなと思います。
筆者は医工連携に携わっており、その業界ではユニークな存在であり、培ったノウハウもたくさんあります。特に均霑化については提唱して長くなってきたので、療養住環境においても優れたシーズを発掘し、均霑化できるように努めたいと思います。
個性あふれる療養住環境の情報が欲しいです。ぜひ、情報提供願います。