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風速40m/sへの備え | NES’s blog

 台風7号(2024年)の接近に伴い、新幹線や飛行機をはじめ多くの交通機関で計画運休が予定されています。

 今回の台風は『風』が課題になりそうだということで、2018年の台風21号や2019年の台風15号の映像がニュースでも頻繁に使われていました。

 過去の台風でも、記事を書いてきましたが、今回は実体験した台風21号の話題が役立ちそうなので書いておきます。




台風21号

 2018年の台風21号では暴風により大型船が関空橋に衝突して関西空港へのアクセスが途絶えるという大事故がありました。

 私宅でも新幹線並みの時速200km/hr超の突風が吹き、関西電力エリアでは1,000本近い電柱が折れたと聴きます。その影響で私宅は52時間停電しました。

 それが台風21号です。




風呂水

 とりあえず今すぐに、浴槽に満杯の湯を張りましょう。できれば風呂をキレイに洗ってから、2~3日は水が腐らないようにしましょう。湯ではなく水でも問題ないです。

 台風21号が来るとわかったとき、私宅ではすぐに風呂を沸かしました。そして、シャワーを浴びました。浴槽の湯は温存です。

 断水はしなかったのですが、停電によって給湯できなくなりました。それについても私宅では発電機からの給電で給湯器を動かしたので温かい湯は使えました。

 マンションなどでは揚水ポンプが停止、エレベーターも停止するので、浴槽の200L近い水は貴重です。




停電中のトレイ水洗

 トイレが全自動化されたことで、停電中はフタも開かないという状況に陥ります。

 しかしながら、流す方法もありますので、困った時はネット検索しましょう。

 停電でネットもつながらないかもしれない、あるいは通信速度が著しく制限される可能性があるので、今のうちに確認しておくことをお勧めします。

 水が無い場合のドライトイレについても紹介しています。




停電を覚悟

 停電は免れないと思います。

 今から発電機を買いに行くというのも手遅れのような気がするので、まずは停電に遭ってしまったらという話題からです。

 クーラーボックスをお持ちでしたら、活用しましょう。今からでも釣具屋さんに行けば買えます。ホームセンターは品切れでも、釣具屋さんなら在庫があると思います。

 私宅にある真空クーラーボックスは3~4日の保冷に対応します。今日も実験中ですが、15日午前に2個の蓄冷剤を入れたクーラーボックスは、16日0時の時点でも非常に冷たいです。まだまだ余裕です。

 クーラーボックスがあれば、停電したらすぐに大切な冷蔵食品をクーラーボックスに移し、隙間に冷凍食品や氷などを突っ込んで保冷しましょう。冷凍食品は溶けてしまう可能性がありますが、冷蔵食品は2~3日は大丈夫ではないかと思います。

 家庭用の冷凍冷蔵庫は停電後、下図のような庫内温度になります。
 冷蔵庫は12時間後には15℃を超えてきますが、それでも2日くらいは20℃以下をキープします。バターは溶けてしまいますが、調味料などは大丈夫かなと思います。
 冷凍庫は6時間で0℃になりますが、そこからは長いです。庫内温度は0.1℃くらい、徐々に溶けるかどうかといった温度になります。

 冷凍庫については『開けない』が基本です。徹底しましょう。


 まだ停電していないようであれば、冷凍庫は密にしましょう。ギッシリと隙間なく冷凍品が詰められている方が、冷凍庫の持続時間は長いです。




今から買うなら

 今から発電機や蓄電池を買う事ができるなら、お勧めは下記の機種です。

 これらは私宅にあります。

 使用経験ありなので、お勧めできます。

 発電機2機種について、共通点は『カセットガス』です。

 ホンダのenepoは、バイクで有名なHONDAのエンジンを積んだ900VA(100Vで900W)の発電容量があります。
 Amazonで注文すれば17日には到着します。動作には燃料のガセットガスと、エンジンオイルが必要です。

ホンダ(Honda)発電機 エネポ EU9iGB 900VA
定格交流出力は交流100V、0.9kVAです周波数は50/60Hzの切替ができるので東日本でも西日本でも使えます。エンジンは50ccほどですが、消音機(マフラー)が無いので原付バイクよりはうるさいです。実際に停電時に使いましたが、非常時なのでご近所からクレームが出るような感じではなかったです。事業所にある大型発電機のほうが爆音で、相当な広範囲に鳴り響いていました。

 EENOURの発電機は、燃料がカセットガスとガソリンの2種類に対応しています。両方同時使用という訳ではなく、選択式です。
 この装置はAmazonYahoo!ショッピングが安くて早いです。
 動作には燃料のガセットガスかガソリンと、エンジンオイルが必要です。

EENOUR インバーター発電機 GS2200iD-B
【2つの燃料で始動させる発電機】
汎用性の高いガソリン、コンビニでも売っているカセットガスボンベの二刀流。工事現場で使用する場合はガソリンで長時間運転と低コスト、停電対応では長期保存できるカセットガスボンベで備える、といった運用ができます。

【カセットボンベでも高出力】
カセットガスで1700Wの発電量を達成、ガソリン使用時は1800Wの高出力。

 この蓄電池は300Wくらいまで余裕で使える、AC100VCで400W対応の蓄電池です。バイクのメットインにも入るコンパクトサイズです。

LACITA ポータブル電源 120000mAh/444Wh
大容量でありながら小型の蓄電池です。実際に使用しましたが、波形もきれいで様々な機器を動かすことができています。

 発電機は屋内では使えないので、延長コードが必要です。暴風の真っ最中は発電機を見に行くのも危ないので、発電機は諦めた方が良いかもしれません。

 関連する記事のリンクを張っておきます。




食事

 お店は休業を覚悟です。

 計画運休により、チェーン店は一斉休業の可能性があります。物流が途絶えることで入荷ゼロの店も多いです。


 レトルト食品を食べる可能性がありますが、電子レンジは使えない覚悟をしておきましょう。

 オール電化住宅ではIHヒーターも使えません。

 カセットガスコンロがあると良いです。ご近所さんで貸してくれる人が居れば、1時間だけでも借りれると湯煎したり、何か調理したりできます。

 台風21号の際は、ルクルーゼ(鍋)でコトコト料理をしました。一度火にかけてグツグツ、そのあとは火を消して余熱で調理する方法で、比較的短時間の加熱で済みます。




トイレ ⇒ 空腹 ⇒ 制欲

 『空腹は我慢できても、トイレは我慢できない』を基本的な考えとして、まずはトイレの確保です。

 その上で、空腹を満たすための食料を用意します。

 暑いとか、シャワーを浴びたいとか、そのあたりの欲求は我慢できるところまで、我慢です。

 台風7号、恐ろしい勢力のようなので、無事に過ごせるよう備えて頂ければと思います。