Press release
人工鼻を装着可能な医療従事者用フルフェイス型マスクの開発
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行は、医療従事者の健康不安にも大きな影響を及ぼしています。明らかな陽性患者を扱うシーンでは厳重な感染防護策とゾーニングが敷かれますが、救急外来などでは何もわからぬまま診療を開始しなければなりません。マスクやフェイスシールドによる防護策は行われていますが、ウイルスの侵入を高度の抑止する物ではありません。
国立病院機構京都医療センターの救急医より、密閉度の高い水中マスクに人工鼻を取り付けたいという相談があり、当社にてコネクタを開発しました。その用途は医療従事者の保護であり、治療目的ではありません。
人工鼻はウイルス等を99.9%以上捕集する効果があり、人工鼻を介してマスク内に取り込まれた空気には新型コロナウイルスが混入している可能性が極めて低くなります。フルフェイス型のため口・鼻・目を覆う事ができサージカルマスクとフェイスシールドを省略する事が可能になります。コネクタが標準規格に適合すれば人工鼻以外のバクテリアフィルタを装着しても同様の効果が期待できます。
コネクタデバイスは片側をボルト・ナットで軸固定、他端はスナップ錠(パッチン錠)で固定します。マスクとコネクタの間にはOリングがあり、スナップ錠によりOリングが密着する構造になっています。人工鼻の接続部には標準規格があり、コネクタデバイスは標準規格に応じた筒状に形成されています。
シングルポート型とデュアルポート型を開発し、用途に応じて多様なアレンジが可能となっています。例えばデュアルポートのそれぞれに吸気用・呼気用の逆止弁を取り付ければ吸気と呼気の経路を分けられます。
医療従事者の安全に寄与する本デバイスは5月末までを評価期間とし、6月以降にリリースする予定です。
※.当社ではコネクタデバイスのみ開発・製造可能です。人工鼻は医療機器のため当社では取扱いしておりません。
※.感染制御の標準防護策としての適正は担保されていません。個人の裁量で使用可否の判断をお願いしております。
2020年5月20日
NES株式会社
フルフェイス型マスク
マスク
マスクは水中マスクとして使われる顔との密閉度が高い市販品を利用させて頂いております。
水中マスクは当然ながら水が入って来ないように設計されていますが、優れたマスクは内部が2室に分かれており、呼気が充満しにくい構造になっています。
シングルポート型
最もシンプルな形状です。
吸気するためのポートを1つ備え、そちらに人工鼻などのバクテリアフィルタを装着して頂きます。
デュアルポート型
ポートが2つ備わったタイプです。
それぞれのポートを用途別に使い分けることができます。
コネクタデバイス内は仕切りで2室に分かれているため、一端はマスクを介して空気が流れる仕組みになっています。