阪急武庫之荘駅北口のヒマラヤスギで染める
ヒマラヤスギ 2018.09.04展
尼崎市都市緑化植物公園内にある緑の相談所で若手染色家による『尼染テキスタイルアート』の展覧会がありました。
ここで使われているヒマラヤ杉は、2018年9月4日に上陸した台風21号により倒木してしまったものです。阪急神戸線の武庫之荘駅北口ロータリーに植えられていた大木が台風により倒されました。
それを見た地元の大学院生、村上由季さんは片付けをしていた造園業者さんと交渉し枝や葉を集めて持ち帰りました。一度帰宅して車に乗り換え、段ボール6箱とビニル袋10個分も載せて帰ったそうです。
それらで染められた生地が、1つの作品として展示されていました。1枚1枚を見ると、茶系や赤系など様々あり、2つと同じ色が無いのがわかります。
本来であれば高さ8メートルほどに吊って展示するものらしいのですが、この会場ではその規模感はわかりませんでしたので、参考までに吊られた本来の姿の画像を貼っておきます。
作者・作品については尼崎市の公式サイトでもご確認頂けます。
ヒマラヤすぎ – Himaraya cedar –
名前は『杉』ですがマツ科の常緑高木です。その名の通りヒマラヤ原産です。
針葉樹の典型といった形、美しい円錐状の樹形をなすことで知られています。
10cmほどの大きな球果、松ボックリを作ります。
【参考】国立科学博物館筑波実験植物園:ヒマラヤスギ(ヒマラヤシーダー)
【参考】国立研究開発法人森林研究・整備機構 森林総合研究所 多摩森林科学園:ヒマラヤスギの花
台風21号直後の武庫之荘駅前
最寄駅
当社は伊丹市にありますが、最寄駅は尼崎市にある武庫之荘駅です。塚口駅や猪名寺駅も尼崎市なので、生活圏は尼崎寄りです。
台風直後にも所用で武庫之荘駅を利用していましたが、写真のとおり大きな樹木が根元から倒れていました。
2018年9月4日
この日、台風が上陸し兵庫や大阪などでは風速40m/sを超え、関西空港では連絡橋にタンカーが衝突するなどして孤立しました。閑散電力エリアでは200万軒以上で停電、当社でも52時間の停電を経験しました。
停電が数十万軒残っていた9月5日には枝の撤去作業が始まっており、造園業者の方々がゴミ収集車と共に駅前で作業していました。
下の画像はそのときに当社で撮影したものです。
作家さん
上の写真で業者さんに熱心に話しかける女性が写っています。見知らぬ方です。
当時、『大きな松ボックリでも貰おうとしているのかな!?』と見ていたので記憶に残っていましたが、1年後の展覧会を見て染色家の村上由季さんだったという事を知りました。
武庫之荘駅前の光景をみて何か心動かされるのはあるなとは思いましたが、染色という形でシンボルを残そうという発想には感銘しました。
弊社では事業継続計画、特に医療現場の非常時対応について『どう乗り切るのか』をテーマにコンサルティングなどをさせて頂いておりますが、『遺す』『伝える』『生み出す』といった部分が弱い事を実感しました。