第48回 日本医療福祉設備学会
HEAJ 48
一般社団法人日本医療福祉設備協会が主催する年1回開催の学会です。
一般演題
停電3日間で検証された療養住環境強靭化のための在宅医療BCP(事業継続計画)
2018年9月4日、関西地方では台風21号の影響により大停電が発生し延べ200万軒以上が停電しました。
私たちは2013年、停電に強い在宅療養環境を構築すべく、多段の発電機を備えた療養住環境を整備しました。
その住環境が52時間の停電を経験し、強靭に立ち向かう事ができたので報告させて頂きます。
電気設備
ENEPO (HONDA)
今回の停電中、最も活躍したのが本田技研工業のカセットガス式小型可搬発電機『ENEPO』(エネポ)です。
2~3泊用のキャリーバッグ程度の大きさ、燃料はカセットコンロにも使われる汎用的なカセットガスボンベ、原付バイクほどのエンジンで約10アンペアの電源になります。
カセットガスは1回に2本セット、連続運転で1~2時間分です。2時間使用できたとして24時間で12回×2本=24本、3日間で72本のボンベが必要です。
ボンベはコンビニや100均でも売っている汎用品なので、普段からの備えに加え、発災後にいち早く買い出しに行けば入手できる可能性があります。
太陽光発電システム (SHARP)
屋根に設置する家庭用太陽光発電システムです。特別仕様ではなく、よくある物です。
今回の停電は台風の最中であったため、発災当日は日照が無く太陽光では電力が得られませんでしたが、翌日からは電源として活躍しました。
朝8時頃から夕方16時頃まで、最大350Wの電力を供給してくれました。
売電能力としては約10倍の3kW程のレベルがありますが、宅内自立運転では350Wが限界であるのが残念なところです。
電源品質アナライザ 3351T (HIOKI)
52時間停電という非常事態ではありましたが、電源品質アナライザを設置して発電機の電源品質をモニタリングしました。
使用器材は日置電機の3351Tです。