市場・ユーザーを調査
医療機器は薬事申請した時点の製品仕様を変えることができません。工業製品として完成しても、商品価値が無ければ売れず、上市後の仕様変更には改めて薬事の手続きが必要になります。
開発初期、試作機製造に取り掛かる前の企画・立案が重要になります。
表面的なニーズと、本質的なニーズが乖離していることはよくあります。
解決策だと思っていたことが医学的に正しくない、医療倫理に反するといったことも多々あります。
【参考】AMED: 医療機器の研究開発マネジメントにおけるチェックポイント/ステージゲート
医療従事者レビュー・覆面調査
『指に挟むだけでヘマトクリット値がわかる装置、どう思いますか?』と医師に問えば『目新しい』『使ってみたい』『あったら良いかも』と前向きな回答が得られるかもしれません。
聞き方を変えて『診察室や病室で、ヘマトクリット値だけわかる検査装置を使うシーンは思い浮かびますか?』と問えば『既存検査法で他項目と共に総合的に判断』『それだけ知っても診断できない』『要らなそう』とネガティブな回答になるかもしれません。
聞く場所を救急外来や透析室に変えると『搬送中に測定できると良い』『リアルタイム表示なら使う』など具体的なシーンを述べてもらえるかもしれません。
誰に、どのような質問を投げかけると潜在的な情報をも引き出せるのか、綿密に計画して調査に臨みます。
ストーリー重視のインタビュー
医療にはストーリー性があります。患者はなぜこの病気になったのか、異変に気付いてから何をしたのか、家族には同様の病態の人はいないのか、といった経過を顕わにすることがあります。
同じ外科医でも、手術する患者を自ら発見するのか、他院からの紹介が多いのかで、患者への接し方も変わります。
弊社のインタビューは、アイスブレイクから始めます。一見すると雑談ですが、確認すべきこと、掘り下げるべきこと、比較すべきことなどをリストアップしていきます。
独自データが豊富
保険医療機関や診療報酬など厚生労働省が公表する最新データを独自にデータベース化しています。
新型コロナウイルス感染症の流行拡大により『ネブライザ』の自粛が与えた影響についてデータを分析してみると、医師の処方回数は4千万回減り、単純に処置料を掛けると60億円ほど蒸発しました。
一部のデータは項目数を絞ってウェブで公開しています。どなたでも無料で閲覧できます。
弊社内部データベースでは更に詳細なデータが記録されています。医薬品の商品名別データも保持しています。
- 医療機器回収/改修情報(毎月更新)
- 医療機器クラス分類表
- 医療機器認証基準一覧
- 保険医療機関検索(医科)※.施設基準閲覧可
- 保険医療機関検索(歯科)※.施設基準閲覧可
- 保険医療機関検索(薬局)※.施設基準閲覧可
分析
弊社ではいくつかの分析ツールを使い分けています。
SWOT分析は必然的に使われることになります。
ビジネスモデルキャンバスも多用するツールです。SWOT分析と併用して強み/弱みを分析します。
Five Forces Analysis は現況と未来の両面から分析できるツールです。後発品の脅威を無力化することはできないため、ときには撤退することも想定します。
評価・プロトタイピング
コンセプトモデルや原理モデルなど、試作段階からユーザーである医療従事者らの評価を受けるサービスに定評があります。
3Dプリンタを保有する弊社では、医療従事者がイメージしやすいように3D造形したものをたたき台として、意見を出して頂くこともあります。
この手法は『プロトタイピング』と呼ばれます。弊社のプロトタイピングについて、記事を執筆したこともあります。
よくあるご質問(FAQ)
Q.調査はアンケート方式ですか?
決まっていません。
多くはインタビュー形式です。ニュアンスを含め、先生方から直接お話を聞くことで得られる深い情報があります。
アンケートも実施経験があり、短期間で多くの情報が得られるメリットがあり、その結果からインタビューの対象や方法を決めていく事もあります。
Q.インタビュアーは誰ですか?
弊社代表(西謙一)が担当することが多いですが、看護師や薬剤師など業界の専門家を招聘する場合もあります。
弊社代表は臨床工学技士としての実務経験があり、医工連携は10年以上のキャリアがあります。製品評価事業についてはAMEDの黎明期から関わっています。
Q.ネガティブな情報も伝えてくれますか?
はい。お伝えします。
製品の開発に関わっている先生方からは聞くことも無かった意見が飛び込んで来る事も少なくありません。
開発担当者としては耳が痛いであろう欠点や競合品優位の情報も包み隠さずお伝えします。
Q.期間はどのくらい見込まれますか?
COVID-19が流行する前は3カ月程で報告書をお届けしていました。元の社会に戻れば同程度を見込みます。
Q.評価者を指定する事はできますか?
ご指定頂く事はできます。確約できません。
調整が必要になるため相応の期間と費用を頂戴しております。
これまで、多様なチャネルを駆使し指定案件にも対応して参りましたので、まずはご相談ください。
Q.費用はどれくらいかかりますか?
費用は評価者の層によって変動します。
アンケートで30万円より、インタビュー形式ですと50万円~200万円程度です。
Q.実績はありますか?
あります。
依頼元や依頼内容は明かせませんが、毎年複数件を受託しています。
リピーターとして複数回ご依頼頂いている企業様もございます。
調査先は大学病院や国立病院、日赤など大きな施設ばかりでなく200床前後の中小規模病院や診療所などにも行っています。
同級生や元同僚など、緊密なネットワークを使い評価者を確保しています。
Q.先生方への謝礼は利益相反に当たりませんか?
金品の授受には利益相反と副業規程(就業規則)の2つの視点で課題があると思います。
利益相反の定義を鑑みて弊社独自のノウハウで先生方にご協力頂いております。
Q.先生方への謝礼は内規に違反しませんか?
組織毎に副業の定義が異なるため、同一の方法で調査を実施しても対応が異なりますが、服務規程違反にならぬよう確認に努めています。
法人に対し依頼状を発行する医療機関が散見され、その謝礼は法人に渡す場合と個人に渡す場合の両方があります。
製品評価は医療機関の仕事では無いという考え方の場合、評価は職務ではないため届出は不要という場合もあります。ピアノが得意で演奏して謝礼を貰うというのと同じようなレベルで見られており、毎週や毎月など定期的な職業としていなければ副業には当たらないという考え方になります。
年収に対する所得割合で評価される場合もあります。原則として継続的ではない仕事で5万円以下の場合は届出が不要というものが散見されます。
セミナーの講師料や雑誌執筆料などがこれに当たる場合が多いようで、製品評価もこれに該当する場合がほとんどです。
現金もしくは図書カード等の金券でお支払いする場合がほとんどですが、稀に物品を希望される場合もあります。
院内決裁では購入しづらい器具を、謝礼相当額分納品した事例を経験した事があります。10万円の現金が病院に入っても購入して貰えそうにない器具を、現物納付(10万円分)として病院に収めれば、帳簿上は10万円の対価を得たことになり、現場は欲しかった物が手に入ることになります。
【参考事例】国立大学法人神戸大学教職員を兼業に従事させる場合の手続きについて
神戸大学様では『国立大学法人神戸大学職員兼業規程』を定め、公に兼業の許可を出しています。
当然ながら許可されないケースもあると思いますが、医工連携を推進なさっている神戸大学医学部様において、製品評価事業については一定のご理解を賜っていると感じております。
山形大学様では私企業の『職を兼ねる』場合には兼業(副業)となりますが『1日限り』であれば学長の許可を要しません。
(目的)
国立大学法人山形大学職員の兼業に関する規程
第1条 この規程は,国立大学法人山形大学(以下「本学」という。)の職員の兼業について定めることを目的とする。
(定義)
第2条 この規程において「兼業」とは,報酬の有無にかかわらず,次に掲げる業務を行う場合をいう。
(1) 商業,工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下「営利企業」という。)の職を兼ねる場合(以下「営利企業の事業に関与する兼業」という。)
(2) 自ら営利を目的とした事業を行う場合(以下「自営に係る兼業」という。)
(3) その他営利を目的としない事業に従事する場合(以下「営利企業以外の事業に関与する兼業」という。)
(中略)
(事前許可)
第6条 職員が兼業を行おうとする場合は,事前に学長の許可を得なければならない。
(短期間兼業の取扱い)
第7条 前条の規定にかかわらず,職員が行おうとする兼業が,次の各号のいずれかに該当する場合は,学長の許可を要しないものとする。
(1) 1日限りの場合
(2) 2日以上6日以内で,総従事時間数が10時間未満の場合
2 前項の規定にかかわらず,長期間任期を有する職を兼ねる場合には,学長の許可を得るものとする。
3 第1項第2号の日数の算定に当たっては,従事する日が連続している場合のほか,間隔がある場合においても,あらかじめ従事する日が定まっており,当該業務の内容に継続性が認められる場合については,従事する日の全てを合算するものとする。
(兼業時間の取扱い)
第8条 兼業に従事する時間は,原則として勤務時間外とする。
(以下省略)
Q.データは購入できますか?
はい、販売しております。
弊社では公式通販サイトを開設し、データをはじめとした弊社提供商品を取り扱っております。
コンサルティング契約と併用する場合、データの扱い方が異なりますので個別にご相談頂ければと思います。
Q.病院リストだけの購入はできますか?
はい、できます。
医科の病院、医科の診療所、歯科、薬局の4種類のデータをご用意していますので、それぞれ個別でも、すべてまとめてもご提供いたします。
Q.病院リストには何が含まれますか?
医療機関名、所在地、電話番号、開設者、病床数などが項目として用意されています。
2次医療圏についてはオプションで対応しています。
事例として1県分のデータを用意しておりますのでご参照ください。
Q.病院リストは県名や規模で分けられますか?
弊社から提供する時点では医科(病院)、医科(診療所)、歯科、薬局の4種別で提供します。
したがって『400床以上』『埼玉と千葉だけ』という既製品はございません。個別の要望に従ってお作りしますのでお気軽にお問い合わせください。
弊社から提供するデータはMicrosoft Excelなどで調整可能であるため、お客様ご自身で病床数などで分けることができます。
調査サービス
ヘルスケア・医療ビジネス調査サービスは、どなたでもご利用いただけます。
自社事業のために調査をご依頼いただくことが多いのですが、データの頒布も行っています。
行政が公開しているデータはご自身で調査することも可能ですが、膨大なデータの中から何を選び出すべきか、どのように切り取ると良いのか、その判断をつけるにもノウハウが必要になります。
調査に時間を割くよりも、調査結果に基づき事業戦略を立てることに時間を割く方が生産性が高まると思いますので、弊社サービスをご利用いただければと思います。