弊社が制作している医療データベースのデータをアップデートしました。
医療機器の回収・改修情報は1年に何百件も出るので頻繁に更新していますが、クラス分類や一般的名称、認証基準などは数か月に1回程度しか更新されないのでアップデートは今年2回目です。
医療機関のデータベースは毎月新しいレポートが出されていますが、差分があるかどうかは示されていないため、もしかすると先月とまったく同じ内容かもしれません。
弊社では、社内データベースは毎月更新しています。
医療機関データはボリュームがあり、サーバ負荷が大きいため簡単にはアップデートできませんが、年末なので作業しました。
医療機関データベース
厚生労働省の地方厚生局が毎月公表する保険医療機関のExcelデータを、弊社で独自にデータベース化してウェブに掲載しています。
生データは読みづらいため、公開データは一部を抜粋しています。
ユニークな点は、施設基準とのリンクがあるところです。当該医療機関が何を届け出ているのか一目でわかるようになっています。
社内データベースでは二次医療圏とも紐づけしており、自治体名や二次医療圏で医療機関を絞り込むことができます。こちらは弊社コンサルティング事業の資産です。
ウェブでは見られない情報も弊社内サーバにはありますので、コンサルティング業務をご依頼いただければ幸いです。
保険医療機関(医科・歯科)
厚生労働省地方厚生局が発表する保険医療機関のExcelデータは医科、歯科、薬局の3種類に分かれています。
その内、医科と歯科を一斉に表示するデータベースを用意しています。
今日の時点で164,699施設の情報が登録されています。
保険医療機関(病院)
医科・歯科データベースの中から『病院』だけを抽出したデータベースです。
今日の時点で8,619施設の情報が登録されています。
保険医療機関(診療所)
医科・歯科データベースの中から『診療所』だけを抽出したデータベースです。
今日の時点で156,080施設の情報が登録されています。
保険医療機関(医科)
医科・歯科データベースの中から『医科』だけを抽出したデータベースです。
今日の時点で97,146施設の情報が登録されています。
保険医療機関(歯科)
医科・歯科データベースの中から『歯科』だけを抽出したデータベースです。
今日の時点で67,553施設の情報が登録されています。
保険医療機関(薬局)
保険医療機関は診療を行う医科および歯科と、調剤薬局などと呼ばれる保険薬局があります。ここでは薬局を独立したデータベースとして掲載しています。
今日の時点で61,434施設の情報が登録されています。
保険医療機関施設基準届出
保険医療機関は診療報酬を算定し、患者から一定の割合の窓口負担を貰うのとは別に、残りの医療費を保険者から貰います。
その診療報酬を算定する際に、施設基準を満たし、そのことを届け出ていないと貰えない診療報酬があります。
届出は非常に種類が多いため、大学病院クラスになると1施設で300以上の届出をしていることもあります。
今日の時点で1,392,708件の施設基準届出情報が登録されています。
医療機器データベース
厚生労働省が所掌する情報ですが、主に医薬品医療機器総合機構、通称PMDA(ピーエムディーエー)から情報が発信されています。
医療機器の『一般的名称』などはExcelファイルとしてPMDAのウェブサイトに置いてあります。誰でも入手できます。
それをデータベース化したものを弊社ではウェブに公開しています。
医療機器に認証基準についてもPMDAのウェブサイトで公開されています。こちらはExcelなどではなく、データベース化して掲載されているので、そちらを参照された方が早い場合もあります。
弊社では一般的名称などのデータベースと紐づけているため、独自のデータベースを構築しています。
医療機器の回収・改修データベースが、在るようで無い、というものでした。
直近3年分はPMDAのウェブサイトに一覧として掲載されています。
3年を経過したものは厚生労働省のウェブサイトに移されます。すなわち、3年を期限にURLが変更されてしまいます。詳細情報はURLを記録しておけば良いというものではなく、3年後にはリンク切れになっている可能性があります。
安全管理者として面倒だと思う事の1つに、データが年度別でまとめられ、さらにクラス別にまとめられていることです。人工呼吸器の回収履歴をしらべようとすると2020年度のクラスⅠ、2020年度のクラスⅡ、2020年度のクラスⅢ、2021年度のクラスⅠ、といった具合に何度も調べる必要があります。
弊社ではこれらのデータベースの見やすさを改善するプログラムを開発し、集計結果の一部をウェブで公開しています。
ウェブでは見られない情報も弊社内サーバにはありますので、コンサルティング業務をご依頼いただければ幸いです。
医療機器(クラス分類・一般的名称)
医療機器の『クラス分類表』や『一般的名称リスト』などと呼ばれる一覧表をウェブサイト上に公開しています。
今日の時点で4,451種類の一般的名称が登録されています。
医療機器(認証基準)
医療機器の認証基準を一覧表にしてウェブサイト上に公開しています。
今日の時点で1,694種類の一般的名称に関する認証基準等が登録されています。
1つの認証基準で複数の一般的名称を網羅する場合がありますので、データベース登録件数は認証基準の数とは一致していません。
医療機器(回収・改修・患者モニタリング)
医療機器の『回収』『改修』『患者モニタリング』が公表されると、自社で手入力して制作している一覧表をウェブサイト上に公開しています。
年度や回収クラス、種別を問わず一斉検索できるデータベースは恐らく唯一無二ではないかと思います。
今日の時点で入力が終わっていない古いデータがたくさんあるので、過去すべてを網羅している訳ではありません。過去の情報を新たに追加した場合には MeKiKi.me のウェブサイトでお知らせしています。
データ販売
弊社では各種データを販売しております。
お申込み、お問合せはお気軽に弊社宛にご連絡をお願い申し上げます。
コンサルティング
このページでご紹介したような医療機関や医療機器のデータベースは、弊社の本業であるコンサルティング事業のために制作しています。
本来は社外秘のデータベースでしたが、ご利用なさりたいという人が多いため部分的に公開しています。
これだけのデータを普段から扱っている弊社には、独自の調査や分析ができるシーズがあります。
ぜひ、コンサルティング業務についてご検討ください。弊社のコンサルティング業務について詳しくはこちらをご覧ください。
おわりに
医療機器やヘルスケアサービスなどの戦略策定には、正しいデータを把握することが重要です。
病院と診療所の区別がつかないというのは問題外ですが、病院といっても急性期と慢性期、民間と公立、総合病院と専門病院など区別する基準や指標がいくつもあります。
私たちはコンサルタントとして、これらの情報をそのときどきで参照するとともに、過去との差分も比較しながら分析し、コンサルティングしています。
今回お示ししたデータは内部留保しているデータの一部分ですが、まずは公開中のデータに触れて頂き、どのような角度から医療を見てみたいか考えて頂くことも重要だと思います。
その上で『去年の同月のデータを見たい』というようなことがあれば、弊社に在庫があるかもしれませんので、ぜひお問合せ頂ければと思います。
下図はFive Forces Analysisという手法の概念図ですが、既存企業にとっては新規参入者や代替品が大きな脅威であり、なおかつ普段は競合企業や顧客などとの価格や機能に関する駆け引きなどもあるので、業界で脱落しないために多種多様な情報が必要になります。
もし、既存企業が情報戦に参加せずに慢心しているようであれば、後発品でも市場を奪取できるかもしれないので、ぜひデータに関心を持って頂ければと思います。